cheating sheet


※注:(めくる○○)となっている数字とスライドのページ数にはズレがあります。めくる○○の○○+1がスライドのページです。
例:(めくる1)= 2ページ参照
  (めくる37)= 38ページ参照

ということで……

はじめまして、セレナーデ☆ゆうきと申します。
クイズがすきで、このVirtualCastを使ったクイズ番組のパロディ企画、
アタック25 in Vキャス、通称Vアタにも何回か出場させていただいております。

そんな縁でVアタでは今のところ誰も持っていない
超超グランドチャンピオン……だったっけ
そんな肩書きをいただいております。

最近、VirtualCastを利用する人が増え
クイズ企画への参加者も増えてきています。
クイズ初心者の方でもVアタへの出場を決意してくれる人がいるなど
クイズ好きの私セレゆにとっては非常に嬉しい展開となっています。

しかしながら、クイズという遊びは中々奥が深く
テンプレート的な形式や暗黙のルールのようなものも存在します。

今回、そういったものを少しご紹介することで、
「どんな形でクイズというのは出題されるのか」
「クイズの戦い方や考え方」というようなことを
スライド形式で講座的な感じでやってみたいと思います。

なお、Vアタのスタッフでも裏方でも何でもなければ
許可さえもらっていません!
とはいえ、このスライドはいわゆる「普遍的な早押し競技クイズ」を前提とした作りになっておりますので、よろしければ聞いていってください。

(めくる1)
まず始めに、ということですけれども

(めくる2)
この講座は、あくまで私セレナーデ☆ゆうき個人の見解に基づいて行われますということで、先程言ったとおり全てを「勝手に」やってます。

(めくる3)
それでですね、そんなセレナーデ☆ゆうきは別にクイズがすげえ強いというわけではありません。今回の講座はあくまで「クイズのテンプレを知らない人から、初級者・初心者までくらい向け」となっております。
「知ってるよ」ということばかりかもしれませんが、ご了承ください。

(めくる4)
今回はですね、問題を耳で聞く、普通のクイズを元におはなししていきます。
スマホ用クイズアプリ「みんなで早押しクイズ」、いわゆる「みんはや」のような、問題文を目で見るクイズは、また今回とは違う技量が必要な場合があります。
大体は使い回せますけどね

(めくる5)
さて、大事なことなんですが、対戦型クイズというものは勝負である以上、どちらかが負けてどちらかが勝ちます。
この講座が仮に皆様のお役に立てたとして、勝利を約束するというものではありません。負けるときは負けます!
あくまでこの講座は、「知らなかったから楽しめなかった」を少し解消する程度のものだと思ってください。

(めくる6)
ということで本日のお話予定です。
まずはクイズに勝つために必要なこと、これはメンタルと技量の両方からお伝えします。
そして、前半に用語や概念の紹介を少し。これは先に知っておくと楽なものをお伝えします。
3番めは、クイズによく出る問題形式。これはいくつか挙げてありますが、代表的なものをいくつか掻い摘んでお教えします。
4番目は、そんなクイズでの暗黙のルールのようなもの。1つ目は特に、知っておくと動揺しづらくなると思うようなことを紹介しております。
そうしたら後半にも用語や概念の紹介。これは、更にクイズが上手くなるためのちょっとした応用のようなものをお伝えします。
最後に〆て終了となりますが、どのくらい時間がかかるかというのはあまり分からないのでお時間に余裕を持ってご覧いただけると幸いです。

(めくる7)
はい、ということでまずは「クイズに勝つために大事なこと」。
メンタル面編です。

(めくる8)
1つめ!
人の知識量、これは知識の種類とも言えますが、それには差があるということです。
自分が知らない事柄を相手に答えられてしまうこともあれば、逆に自分だけが分かる問題が来ることもあります。

(めくる9)
2つめです。
そんな「分かる問題」でも、押し負ける、つまり自分の早押しボタンが遅く、相手に答えられてしまうということはあります。当然あります。すごいある。
取られてしまったらどうしようもないです、次に備えて冷静さを欠かないことが大切です。

(めくる10)
3つめです。2つ目に近いですが、相手が連続して答えていても、急に相手が分からず自分が分かるような問題がたくさん来るかもしれません。
負けが確定するまでは負けではないので、リードされていても逆転を狙っていきましょう。10点先取で0-9から勝つこともよくあります

(めくる11)
ということでメンタル面をまとめますが、

(めくる12)
諦めず、動じない心を持つこと。これが重要です。
「大丈夫、次、次」という心があなたを強くします。

(めくる13)
さて、では技量面いきましょう。

(めくる14)
技量面のポイントはたった一つ、「何を聞かれるのか」を真っ先に察する力を鍛えることです。
何を聞かれるのかが分かれば、何を思い出せばいいのかが分かります。自分の知識を絞り込むことができれば、早めに回答を確定しやすくなります。

(めくる15)
例題を用意しました。具体的な考え方の話をするので、今1回きいて理解しづらかった方は、よろしければそのうち、この講座が終わったあとにでも、もう一度聞いてみてください。
ということで、途中までしか書いてありませんがミスではないです。
「日本が初優勝した2011年のサッカーFIFA女子ワールドカップで」という出だしの問題文において、皆さんは問題文の続き、そして答えが予想できますか?

(ちょっと待ってめくる16)
では問題文の続きを表示しますね。
ワールドカップで、決勝戦での日本の相手国といえばどこでしょう?
ということで解答を表示します。

(めくる17)
はい、正解は「アメリカ」でした。
さて、予想が合ってた方はいらっしゃいましたかね?
では、この問題が出たときの思考回路の説明をします。

(めくる18)
なんてったって大事なのはこの「日本が初優勝した」という文言ですよね。
これがとても大事です。

(めくる19)
だって別にこの文言ってあってもなくても良くないですか?

(めくる20)
例えばこんな感じで、「2011年にドイツで開催された女子ワールドカップで、決勝戦での日本の相手国といえばどこでしょう?」だっていいわけですよ。

(めくる21)
でも、あえて「日本が初優勝した」という言葉があるわけです。
これにどんな意味があるのか?
これはつまりですね、「初優勝した日本」と関係のあるワードが答えになるよ、というヒントなわけです。

(めくる22)
「日本が」「初めて」「優勝した」というところから、日本が優勝を初めて決めたときにフォーカスした話、つまり決勝戦で戦った相手を聞かれるのかもしれないというところに思いがいくと、これは相当強いと思います。
実際はここまでいかなくても、「人名が聞かれるっぽいな」「料理名っぽいな」くらいのアバウトな絞りができるだけで、かなり有利になると思います。
ということで、ここまでが「大事なこと」フェイズとなります。
ここからは用語、概念の紹介をしていきます!
よろしくおねがいしまーす

(めくる23)
ということで用語概念その1,「ベタ問」です。

(めくる24)
これが何かというと、「様々な問題集や多くの大会で出題され、いわばクイズ界では常識ともいえるレベルになった問題」のことです。
「ベタ」っていうこともあります。

(めくる25)
つまり、よく出る問題のことです。

(めくる26)
どんな問題がベタかというと僕にもあんまりわからなくて、
問題集などを購入して読んでみると、もしかしたら傾向はつかめるかもしれません。

(めくる27)
今回枠の最後におすすめの問題集販売サイトをご紹介しようと思いますのでお楽しみに!ちなみに先に言っておきますが名前はクイズ宅配便ってところです。

(めくる28)
次の用語紹介は「前フリ、後フリ」についてです。

(めくる29)
ずばり、問題文の前半後半のことです。

(めくる30)
クイズの問題文は、構成が大体決まってます。クイズ構文的なのが存在します。
大体は文章の間に読点、これは文章中の点ですね、読点が1個入って、それを軸に前フリと後フリがあるというのがよくある形です。

(めくる31)
大体前フリ部分には知名度の低い情報、後フリのほうになると分かりやすい情報が入ってきます。なので、最初に分からなかったとしても聞き続けてると分かる瞬間が来るかもしれません。

(めくる32)
後フリから答えの部分は、わかりやすくするために結構同じ問題があったりするんですが、前フリをアレンジすることでオリジナリティが出るようなこともあります。
色んなやり方があるので、たくさん触れていくうちに「スタートが違うけどゴールが同じ」みたいな問題に出会うと思います。

(めくる33)
ということで次の用語紹介ですが、これは結構重要な概念です。
確定ポイントというもののお話をします。

(めくる34)
これは、「そこまで聞けば解答が一意に絞れる」というポイントです。
つまりここまで聞けば分かるよポイントですね。
文章の形で表記される場合、スラッシュのあるところが確定ポイントです。
どういうことか、例題をご用意しました。

(めくる35)
世界三大料理といえば、中国料理、フ……
さて、フで止めました。ここが確定ポイントです。
お答えの分かる方はいらっしゃいますか?

(めくる36)
ではここで問題文の全文をお見せしますね。中国料理、フランス料理とあとひとつはなんでしょう?という問題でした。

(めくる37)
ということでこちら解答が、トルコ料理ですね。
意外と聞き馴染みないかもしれませんが、ケバブやピラフなどはとても有名なトルコ料理なのではないかと思います。

(めくる38)
さて、この確定ポイント、問題文の大切な部分はどこかわかりますか?

(めくる39)
だいたいおわかりかと思います。「フ」です。
知識として「世界三大料理」を知っている必要はありますが、それを知っていれば「フ」を聞いた瞬間に解答が確定します。

(めくる40)
フが出た時点でフランス料理は確定しますからね。
三大料理の1つめが出て、2つめの頭文字が出た時点で聞かれるのは3つめであることは必然だからです。

(めくる41)
そうなると、その先の問題文が読めるわけです
たまに、こういった三大○○系で頭文字のかぶった2つなどがあったりしますが、その場合は2つめの2文字目までを聞く必要がありますね。

(めくる42)
さて、問題は有名であればあるほど確定が早くなります。
試しに先程のベタ問と組み合わせると、信じられない速さの確定ポイントがあったりします。

(めくる43)
はい、4文字の問題文ですね。「ひをしん」……お答え分かる方いますか?
問題文全文をお見せします。

(めくる44)
「火を神聖視することから拝火教の別名がある、紀元前6世紀のペルシャで始まった宗教はなんでしょう?」という問題でした。これはクイズ界ではベタとか常識というレベルではなく有名な問題です。

(めくる45)
答えはこちら、ゾロアスター教ですね。アフラ・マズダという神を信仰対象として創設された宗教です。
ちなみに余談ですが、日本の車メーカーのマツダ。あれはスペルが普通のローマ字ではなくMAZDAとなっています。これは、創業者・松田重次郎(まつだじゅうじろうの名字と、理性や調和を司るゾロアスター教の神、アフラ・マズダを掛け合わせた名前だからなんですね。
そんなわけで、「ひをしん」まで聞いたところで、「火を神聖視しているので拝火教と呼ばれる宗教~」というのがクイズプレイヤーの間ではとても良く知られた概念になってたりもします。

(めくる46)
さて、前半の用語解説はここまでとして、次からは実際にクイズでよく出る問題形式をいくつかご紹介します。もちろん、ここにはない形式や、凄く、こう……特殊な名前のついてないナチュラルな問題文などもあります。

(めくる47)
ということでおさらいですが、クイズには「形式」「構文」みたいなものがあります。
いくつか種類はありますが、慣れれば大体雰囲気はつかめると思います。

(めくる48)
今の問題はどんな感じの問題だ?ということが人より早くわかれば、それだけ、人より早く「回答を脳内で探す」というステージにたてるわけです

(めくる49)
ということで早速1個目です。列挙問題というやつですね。
例題ご用意しております。

(めくる50)
ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がある、首の長い動物といえばなんでしょう?
先程の用語解説でいうところの前フリが「ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がある」というところ、後フリは「首の長い動物といえばなんでしょう?」というところですね。

(めくる51)
こちら、大体の方がおわかりかと思いますが、答えはキリンです。

(めくる52)
大体3つ、場合によってはこれより多いこともありますが、大体3つくらいの事柄が列挙されます。共通点を答えるのがこのクイズです。

(めくる53)
列挙される事柄は、前フリ後フリのテンプレと同じく、無名から有名の順で挙げられる事が多いです。

(めくる54)
派生型がいくつかあり、例えば「代表作を列挙し、作家名を答えるクイズ」などがあります。

(めくる55)
例を出すとこのような感じです。
「代表作に、あばばばば、河童、羅生門などがある、明治時代に活躍した小説家と言えば誰でしょう?

(めくる56)
ということで例題の答えは芥川龍之介です。こんな感じの派生もあるということで、軽く練習問題をご用意しました。

(めくる57)
はい、やってみようということで、まず第1問。

(めくる58)
ラッキーピエロ、ロッテリア、マクドナルドといえば主に何を提供しているチェーンレストランでしょう?

(めくる59)
答えはハンバーガーでした。これはよくある普通の列挙問題ですね。
もう1問あります。

(めくる60)
その命日は桜桃忌とも称される、代表作に斜陽、人間失格、走れメロスなどがある作家と言えば誰?

(めくる61)
はい、こちら、太宰治が正解ですね。
ちなみに太宰治というのは本名ではなく、本名は津島修治といいます。前フリに「本名は津島修治という、」といった形の文言が使われることもあります。
ということで列挙問題でした。

(めくる62)
次の解説ですが、名数問題といいます。
列挙と違ってあまり聞き慣れない言葉だと思います。
どのような問題か、例題を出します。

(めくる63)
世界三大珍味と言えば、キャビア、フォアグラとなんでしょう?

(めくる64)
はい、答えはトリュフです。

(めくる65)
これも列挙の派生の一つともいえますが、共通点ではなく「あとひとつは?」という部分を答える問題です。

(めくる66)
答えさせられる「あとひとつ」に関しては、「答えやすくされているもの」があります。こちら後述します。

(めくる67)
共通点を答えるものではありません。順番という概念があるので、回答の仕方に注意が必要です。こちらもこのあと解説します。

(めくる68)
回答する「あとひとつ」には答えやすくなっているものがある、ということですが、いくつか例を用意しました。
具体的に言語化すると難しいんですが、こちらをご覧ください。

(めくる69)
ダイヤモンドの評価基準「4C」とは、カラー、カラット、カットとなんでしょう?

(めくる70)
こちらちょっと難しいので早めに解答を出しますが、答えはクラリティといいます。
さて、これがどうして「答えやすいのか」という話ですが、これはわかりやすいもので、

(めくる71)
ひとつだけ「ク」から始まります。仲間はずれみたいなものなので、こういった「一つだけ違うもの」なんかは答えやすいものになっています。
また、こんな例もあります。

(めくる72)
全天88星座の和名で、ひらがな1文字で表せるものといえば、や座、ほ座とあとひとつは何でしょう?

(めくる73)
これもちょっと難しいですね。答えは「ろ座」と言います。
この前このクイズの解説で「ろ座のろは船のオールのこと」といいましたが、船の帆を表すほ座のほうと勘違いして覚えていて、ろ座のろは科学用の火の炉のことをいいました。
で、これはさっきと違って仲間外れ感がないですが、これがどうして答えやすいかというと、

(めくる74)
ひらがな1文字で表せる3つを五十音順に並べているんですね。
順番に並んでいるものの最後を答えさせられる問題はかなりあり、例えば地図上で見える何かに関するクイズを答える場合、例えば施設とかを問題にしたとき、並ぶのは大体北から順番です。そんな感じのものがたくさんあります。

(めくる75)
もちろん、そうでないものもあります。

(めくる76)
先程例題にだした世界三大珍味と言えば、キャビアフォアグラとなんでしょう?なんかもその一つで、これは別に仲間はずれがあるわけでもなく、順番が定義されているわけでもないため、

(めくる77)
大体最初のふたつを聞かないとわからないです。
ただ、これは確定ポイントのところでおはなししましたが、フォアグラのフォ、もっというと「F」部分を聞き取ることができればそこで答えることが出来ます。

(めくる78)
さて、もう一つ後述するといっていた「回答の仕方」にかんする注意です。

(めくる79)
先程から続いてこの問題。三大珍味と言えばキャビアフォアグラとなんでしょう?

(めくる80)
この問題の場合、正答として扱うのは当然「トリュフ」というワードになります。

(めくる81)
これを、早めに押して「キャビアとフォアグラとトリュフ」という回答をしてしまったとしましょう。

(めくる82)
この場合、順番が問題文の通りなので、一応正解となります。どちらかというと正解にせざるをえないという感じですが、まあ正解となります。

(めくる83)
しかし、フォアグラとトリュフとキャビアと回答した場合、

(めくる84)
明確に不正解となります。
これは、仮にトリュフが最後に来ていて締めが合っていたとしても、最初の2つの順番が違う場合は問題文とも想定解答とも異なるためバツです。

(めくる85)
ということで名数の練習問題です。

(めくる86)
音楽の三要素といえば、リズム・メロディとあとひとつはなんでしょう?

(めくる87)
これは大体このリズムで来ることが多いですね、言ってて気持ちいいので。
リズム、メロディ、ハーモニーでした。

(めくる88)
さて、名数には2つの場合もあります。
日本に生息する2種類のクマとは、ヒグマとなんでしょう?

(めくる89)
こちらヒグマはわかってももう一つはちょっとむずかしいかもしれないですね、ツキノワグマが正解です。
ということで名数問題のお時間でした。

(めくる90)
さて、次はパラレル問題という形式です。
例題を出します。

(めくる91)
日本で一番高い山は富士山ですが、世界で一番高い山はなんでしょう?

(めくる92)
そうですね、これはよく聞いたことのある問題だと思います。
答えはエベレストですね。

(めくる93)
パラレル問題というのは、みんな大好きな「ですが問題」と言われるやつです。
「ですが問題」とだけいうと厳密にはちょっと違いますが、大体そんな概念です。

(めくる94)
こちらこの後詳しく説明しますが、問題文の出だしが「○○で」となることが多いです。もちろんそうでない場合もありますが。こうなることが多いです。

(めくる95)
2パラや3パラと呼ばれる、分岐の数による分類が存在します。○○で、の話のあとに説明します。

(めくる96)
はい、ということでこちらの「○○で」の話なんですが、

(めくる97)
パラレル問題というのは、パラレル、これが分岐のことですね、パラレル前にある程度「回答のジャンル」を指定してくれることがあります。
例を上げるとこんな感じ。

(めくる98)
2桁の素数で最も小さいのは11ですが、もっとも大きいのはなんでしょう?

(めくる99)
これはですね、「2桁の素数」、そして最も小さいというワードから、分岐前に「最も大きい2桁の素数」が問われることを予想できると思います。

(めくる100)
あとは知識になりますが、99は3で割れるため素数ではなく、98は偶数なため少なくとも素数ではない。答えは97となります。

(めくる101)
ということで次の話題、2パラと3パラについてです。
これはパラレル、分岐の数で分類があるというお話でした。

(めくる102)
そう、つまり分岐が1回ではなく2回来ることがあるんですね。
それを3パラと呼びます。
例題をだします。

(めくる103)
元素で、原子番号1は水素、2はヘリウムですが、原子番号3の元素と言えばなんでしょう?

(めくる104)
すいへーりーべーと習った方も多いと思います。
すい、へー、りー。答えはリチウムですね。

(めくる105)
これも、「答えが元素であること」が最初に示され、1,2という順番であるということから、次は3がくるであろうことが予測できますね。
場合によっては「1は水素、11はナトリウムですが、111は何?」のような問題が出ることもあります。この場合はレントゲニウムが答えになります。

(めくる106)
雰囲気でもつかめるようにはなりますが、これらは「ですが」という言葉が列挙1個目のときに言われるか、2個めのときに言われるかで判断ができます。

(めくる107)
もうちょっとだけパラレルについてのおまけをおはなしさせてください。

(めくる108)
問読みの技量や性格にもよりますが、大体の場合、パラレル問題は「分岐部分」が強調されて読まれます。
今回3つほど例を持ってきました。下線部分が強調される部分となりますが、問読みとしても少し意識して読んでみます。

(めくる109)
「日本で」一番高い山は富士山ですが……?
日本で、が強調された場合、日本でないものが答えになります。今回「1番高い山」なので、世界で一番高い山が聞かれます。

(めくる110)
答えはエベレストになりますね。

(めくる111)
さて、次は日本で「一番」高い山は富士山ですが……?
……一番、というところを強調しました。次は何が来るでしょうか?

(めくる112)
ということで問題文続きと答えですが、日本で二番目に高い山は何でしょう?答えは北岳となります。
これ「一番低い山とかあるんじゃないか?」と思う方もいると思うんですが、高いから低いにいくときは、一番という表現よりも「最も高い」「最も低い」でパラレルになることが多いです。
さて、最後の例にいきます。

(めくる113)
日本で一番「高い山」、は富士山ですが……?
これは分かりますか?ヒントは、どこまで強調しているかというところです。

(めくる114)
ということで続きと答えは「日本で一番長い川はなんでしょう?」、答えは信濃川となります。
これも「低い山」に行きそうな強調ですが、先程の理由に加え、「山」まで強調しているところにヒントがあります。
強調したところと対になったり似たものだったりするのがパラレルなので、高い山から長い川にいくのが落とし所になります。

(めくる115)
さて、そんなパラレルの練習問題です。
今回は2問一緒に出してみます。どちらも問題文が途中で切れているので、パラレル先を読んでお考えください。

(めくる116)
1問目は、宝石のダイヤと言えばダイヤモンドの略ですが……という問題。
2問目は、飲み物や服のサイズで、Sはスモール、Mはミディアムの略ですが……という問題。
問題文の続きを表示しますね。

(めくる117)
はい、ひとつめ、宝石のダイヤと言えばダイヤモンドですが、時刻表のダイヤとは何の略でしょう?という問題でした。
ふたつめ、飲み物や服のサイズで、Sはスモール、Mはミディアムの略ですが、Lは何の略でしょう?という問題。こっちは読みやすかったんじゃないかな

(めくる118)
1問目のお答えは「ダイヤグラム」。

(めくる119)
2問目の答えはラージ。でした。
ということでこれが形式3つ目、パラレルというおはなし。
次は語源問題にいきましょう。

(めくる120)
語源問題です。
例によって例のごとく例題です。

(めくる121)
フランス語で千枚の葉っぱという意味がある、薄いパイ生地とクリームを何層にも重ねた洋菓子といえばなんでしょう?

(めくる122)
これもベタ問の一つですが、答えはミルフィーユ。

(めくる123)
さて、語源問題とは○○語で××という意味がある~みたいなやつです。
これは前フリだけで解くにはまあ結構な知識が必要なわけですが、後フリまで聞けば分かることが多いです。冷静に聞くのが大事。

(めくる124)
とはいえ、○○語で~というところだけで押されてしまうこともあります。そんな多くはないですが、ちょっとこの後解説しますね。

(めくる125)
そしてですね、これはとても難しくてうまくいくことも少ないんですが、一見分からなくても、他の言語からヒントを持ってこられることがあります。これも次解説します。

(めくる126)
さて、○○語で~の時点で相手に押されてしまうというところなんですが、例えばこれ。

(めくる127)
ウゴル語で……

(めくる128)
意味がわからないと思いますが、答えはツンドラです。

(めくる129)
ちなみに問題文全文はこちら。ウゴル語で木のない土地という意味の名前を持つ、高緯度地方の森林限界から氷河や雪で覆われた氷雪地域はなんでしょう?という問題でした。

(めくる130)
これ、何かっていうと、ウゴル語って言われたら大体答えはツンドラになるんですよ。それ以外が問題になることがとても少ない。

(めくる131)
つまり、「〇〇語をクイズで出すなら大体これしかない」というのがあります。
当然そうじゃない例外が出ることもあります。

(めくる132)
一つとはいかなくても、何語か言われた時点でちょっと絞れるというものもあります。例えばこれ。

(めくる133)
トゥピ語。でんぷん製造法って言われたらタピオカ、大騒音のオノマトペだったらポロロッカ、赤い魚はピラルクで歯のある魚はピラニアみたいな。
トゥピ語と言われた時点で結構しぼれますよね。森羅万象から4つだけになるので。

(めくる134)
さて、難しい話をします。
他言語からヒントを得られるかもしれないというお話です。
成功率は低いですが、例題を出します。

(めくる135)
イタリア語で礼拝堂でという意味がある、楽器の伴奏を用いず声のみで行う合唱をなんと言うでしょう?

(めくる136)
答えはアカペラ。言葉としてはア・カペラですね。

(めくる137)
さて、これがア・カペラだってわからなかったとしても、礼拝堂というのが結婚式に使われがちな施設で、それを英語でチャペルっていうと思い出せれば、もしかしたら語感やスペルが似ているところから「カペラ」そして「アカペラ」にたどり着くことができるかもしれないというお話です。

(めくる138)
語源を同じくする言語や単語であれば、ヒントになることもなくはないという感じです。
語源問題を後フリまで聞いてわからない場合は、脳をフル回転させることで光明が見えるかもしれないというお話でした。
ということで語源問題の説明は終わりです。
練習問題にいってみましょう!

(めくる139)
さあやってみようのお時間です。
1問目参りましょう。

(めくる140)
オランダ語では薄焼きのパンという意味がある、薬品などを包む薄い膜のことをなんというでしょう?という問題です。
これも後フリで分かるかな?といったかんじですね。

(めくる141)
お答えはオブラート。

(めくる142)
2問目です。フランス語で切り取るという意味がある、切り離すことができる金券や割引券を指す言葉はなんでしょう?

(めくる143)
こちら答えがクーポンとなります。
ちなみになんですが……

(めくる144)
フランスパンの表面にあるこの切れ目部分、これを同じ語源でクープと呼んだりもします。なので、フランス語で切り取るという意味がある~という前フリのあと、金券ではなくフランスパンの表面に~と続く可能性もあるので、注意が必要です。

(めくる145)
さて、問題の形式はいくつかありますが、あとは少しだけ紹介しておしまいにします。

(めくる146)
まずは書き出し問題。国境の長いトンネルを抜けると雪国であったという書き出しで始まる、川端康成による文学作品といえば何でしょう?という問題。
このように、なにかの書籍の書き出しから始まる問題が書き出し問題です。主に小説が扱われる事が多いです。

(めくる147)
ということで答えは雪国。

(めくる148)
もう一つだけご紹介するのは、本名問題。
例題は「本名を太田順也という、上海アリス幻樂団の主宰を務め、東方Projectシリーズの生みの親としても知られるのは誰でしょう?」というもの。
このように、本名ではない名前で活動している方の本名を挙げて、その活動名を答えるというのが基本です。

(めくる149)
答えはZUNさん。ニコニコではビールを飲んでる人としてもおなじみですね。
今回の例題では弾幕シューティングなどの開発者でしたが、主に俳優や女優、芸人など芸能関係の人物が答えになることが多いです。

(めくる150)
など。ということで、この他にも様々ありますが、このような形式たちがいるよ、ということで最後にこのふたつの問題も多少練習してから、暗黙の了解の話に移りましょう!

(めくる151)
はい、ちょこっとやってみようのコーナー!

(めくる152)
1問目。書き出しです。
ではみなさんは、そういうふうに川だといわれたり、乳の流れたあとだといわれたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。という書き出しで始まる、宮沢賢治による文学作品はなんでしょう?
ちょっと長い問題文ですが、まあこれくらい良いでしょう。

(めくる153)
ということで正解は銀河鉄道の夜。書き出しで話されていたのは天の川の話で、日本では川に例えて天の川、英語圏ではミルキーウェイと呼んだりしますね。星が集まって白く長く見えるそれを知っていれば、宮沢賢治と天の川で関連する作品、銀河鉄道の夜が浮かぶんじゃないかなと思います。
では次、本名問題いきましょう。この問題も、芸能関係ではありませんよ。

(めくる154)
その本名は桐ヶ谷和人である、ライトノベル、ソードアート・オンラインの主人公といえば誰でしょう?

(めくる155)
これはネットミームにもなりましたね。キリトかな~やっぱり、でおなじみのキリトが正解です。
さて、クイズ形式のお話はおしまいにして、次は暗黙の了解、暗黙のルールの話をします。暗黙とはいっても、怖かったり難しいものではありません。ご紹介いたしますね。

(めくる156)
ということで暗黙の了解のおはなしその1。

(めくる157)
もう一度、という言葉に関するお話です。
さて、今回は例題というよりは「例」なんですが、このような問題が出たとします。

(めくる158)
思いがけないことがきっかけで良い結果に導かれることを、牛に引かれてどこ参りという?という問題です。

(めくる159)
答えは、牛に引かれて善光寺参り。牛に布をとられた信仰心のない老婆が、それを追いかけて善光寺にいたり、ついには厚い信仰心を持ったというエピソードに由来することわざです。

(めくる160)
さて、これをですね……このタイミング、つまり「牛に」と読んだところで

(めくる161)
ぴんぽーん!と押されたとします。
さて、回答者は答えました。

(めくる162)
善光寺行き!
ただ、問題文は

(めくる163)
牛に引かれて「どこ参り」という?という問題です。
つまり、善光寺参りが正解で善光寺行きはちょっと違うんです。

(めくる164)
こういうとき、正誤判定をする人はいいます。

(めくる165)
もう一度お願いします。

(めくる166)
これはですね、もう一回と言われたり、優しい人だと「もっと詳しく」と言ってくれることもあります。

(めくる167)
つまりこれは、正解ではないんだけど不正解だと断定できないとき、惜しい回答のときに言われるものだということです。

(めくる168)
もしくは、もう少し「踏み入った答え」が必要なときにも言われます。
例えばフルネームが欲しいクイズで名字だけいうとか、そういう感じ。
こういう場合は、同じ答えをもう一度言っても不正解になってしまうので、もう少しゆっくり冷静に「ちょっと違う答え」を探すのが良いということです。

(めくる169)
じゃあ逆に、

(めくる170)
「(小声)ぜんこうじ……」と聞こえづらい回答者だった場合はどうなるか?

(めくる171)
正誤判定の人は大体こんなことをいいます。

(めくる172)
すみません、「聞こえなかったので」もう一度お願いします。

(めくる173)
これは惜しい回答を聞こえないふりでごまかしたとかではなく、本当に聞き取れなかった場合に言われます。言い直しが有効です。
ということで「もう一度」に関するおはなしでした。

(めくる174)
暗黙の了解その2です。
「ですが」という言葉について。

(めくる175)
例としてこんな問題を出します。
日本で一番高い山は富士山ですが……
さて、この枠では3問ほどやってきましたね。続きは予想できますか?

(めくる176)
はい、では続きを出しますが、その標高は何メートルでしょう?という問題でした。

(めくる177)
当然3776メートルですよね?皆なろう、富士山とおぼえた方もいらっしゃると思います。……はい、まあ多分「流石にこんなんわからんよ」となったかたが多いでしょう。こんな問題は……

(めくる178)
ほぼ存在しません!悪意を持って作ればこうなるかもしれないけど、基本はこう作りません!

(めくる179)
それはなぜなのか、なぜこんな問題はほぼ存在しないのか!というところですが、

(めくる180)
答えは簡単です。いじわるだから。

(めくる181)
「ですが」というつなぎをしたあとに、前フリを深堀りするクイズというのは、ほぼ出ません!悪意を持って引っ掛ける人もいるので、絶対ではないけど、ほぼ出ません!
クイズというのは基本的に「解いてもらう」「答えてもらう」ということを前提に作ります。難易度は色々あれど、問題文でしっかりと答えられるようにして、そして華麗に答えてもらう。それが作問者の美学でもあるということです。

(めくる182)
ということで「ですが」ときたらパラレルになると思ってください。対比されるものや類似のものつまり対になったり似たもので問題文が分岐するので、そっちを探すのがベターです。
前振りにあった言葉を「ですが」のあとに詳しく説明することはないと思ってください。

(めくる183)
暗黙の了解最後、みっつめ。
これはちょっとズルいおはなしなんですが、回答時間について。

(めくる184)
ボタンを押してから回答するまでの時間には、制限時間があります。

(めくる185)
基本的にはボタンを押してからカウントされ、0になると誤答とされます。

(めくる186)
これを利用し、計算問題などが出た際に早めに押してから計算をし、答えるということも出来なくはないです。
逆に言えば、押して一瞬わからなくても、答えを強制されるまで少し猶予があるということです。落ち着きを取り戻すのが大事です。
ということで暗黙の了解のお話でした。
次は2度めの用語解説のお時間。応用技術をおしえるよ!

(めくる187)
ということで「読ませ押し」という技術のご紹介。

(めくる188)
問読みの人はですね、問を読んでいて急にボタンを押されて、その瞬間すぐに読むのをやめるということができません。
人間なので少しラグが発生するんですね。

(めくる189)
この現象を利用して、確定する一瞬前にボタンを推すのが読ませおしです。
さて、さっきも使ったんですが、この例題を。

(めくる190)
世界の三大料理と言えば、中国料理、フランス料理とあとひとつはなんでしょう?という問題でした。
これの確定ポイント覚えていますか?

(めくる191)
そう、「フ」の部分ですね。
でも、実際「フ」を聞いてから押すと、どうしてもそのラグで「フランス」くらいまでは読まれちゃうんです。なので、

(めくる192)
このへんで押します。もうちょっとだけ早くてもいいかもしれないけど、とにかく「確定ポイントより一瞬はやいタイミング」というのが分かればいいです。
ここで押すことで、中国料理、ぴこーん、

(めくる193)
フ、と聞こえ……

(めくる194)
フが聞こえたので、その先の問題文を先読みできるわけです。

(めくる195)
さて、すごい人たちだとすごい技術があります。一部、このようなバーチャルキャストや通話などでは出来ない技があるんですが、例えば中国料理のあとにボタンをおして……

(めくる196)
フランスのフの息が聞こえた なんてこともあります。

(めくる197)
もっと目がいい人だと、フランスのフを言う口の形が見えたなんて人もいます。
読ませ押しは、問読みの技量や癖も読まなければいけないので、なかなか難しい技です。でも、この0.数秒が勝負を決めることもあります。ここに奥深さを僕は感じるわけですね。

(めくる198)
ということで次は座学とフリバのご紹介。

(めくる199)
まず座学というものなんですが、

(めくる200)
これはクイズの勉強をすることです。基本的には過去の問題集を読んで学ぶことが多いです。よく出てくるベタ問なんかを知ることもできるのでね。

(めくる201)
そしてフリバ、これはフリーバッティングの略ですが、これは、

(めくる202)
普段のクイズ活動において、点数やルールに縛られずにとりあえずクイズを出しては答えるというやつです。
前にちょっと、まさにゅさんという方のVアタ練習枠で配信終了後にやったんですが、特に点数の勝ち負けとか決めず出して答えてを繰り返すやつです。
休憩時間とかに気晴らしに行われることがおおいですね。

(めくる203)
座学をし、それが活かせるかどうかフリバで試してみて、というローテーションをすることで、競技クイズのプレイヤーたちは腕を上げています。
皆様も、気が向いたときにクイズを出したり解いたりしてみてください。
さて、用語概念紹介もここまで。
つまり講座はこれで終了となりますので、最後に〆の言葉を持って終わろうかなと思います。

(めくる204)
ということで最後にですけれども、
今回紹介したものの他にも、技術的な面、ルール的な面など、数多くの戦法や用語があります。クイズ用語などは調べるとたくさん出てくるので、ぜひ見てみてください。

そして、クイズの練習をしたいあなたにクイズ宅配便というサイトをおすすめします。
こちらは過去実際に使われた問題集を購入することができるサイトとなっています。初心者向けの問題集や、大会の映像ディスクなども購入することができるので、ぜひ見てみてください。
長い間でしたけれども、これで講座を終了としたいと思います。

(めくる205)
ご清聴いただきまして誠にありがとうございました!
このスライドのURLは、実は配信の説明文にあったりします。
配信者コメでも出しておこうかな!
ということでVキャス最強クイズ王の初心者向けクイズいろいろ講座でした!

Reply · Report Post