【NATO地位協定と、日米地位協定は、まるっきり異なる】

NATO地位協定では、
たとえば、ドイツで米軍が、
この添付記事と同じようなことをした場合、
原状復帰の義務が米軍に即刻課かせられる。
さらに米軍は莫大な賠償金を支払う義務が生じる。

米軍には、ドイツ内で行なう活動全てにおいて、
環境アセスメントを行う義務があり、
ドイツ側も調査のために連邦、州、地方自治体のそれぞれの機関が
米軍基地内に立ち入ることができる権限をもっている。

また、イタリアでは、
すべての米軍基地は、イタリアの軍司令官の管理下に置かれている。
イタリア軍は毎日米軍から飛行計画を詳細に提出させ審査している。
訓練飛行にもイタリアの国内法を適用し、
昼寝の時間帯には飛行させない等米軍機の飛行回数やルートを
厳しく制限している。

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★日本ほど不平等な地位協定を結んでいる国は、
世界中どこを探しても存在しない
http://world-news.beauty-box.tokyo/entry/2016/05/25/193100

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★以下、『日本外交 現場からの証言』孫崎享 著より、引用。

『ドイツ駐留NATO軍地位補足協定(ボン補足協定)』を見てみよう。
その第四八条第五項 には、次のような取り決めがある。

軍隊又は軍属機関による施設区域の返還については、次の規定を適用する。
(a)軍隊又は軍属機関の当局は、使用する施設区域の数及び規模を必要最小限度に限定することを確実にするために、施設区域の需要について絶えず検討する。これに加えて、ドイツの当局から要請があるときは、個々特殊な場合におけるその需要を点検する。(省略)
特定の施設区域については、共同の防衛任務に照らしてもその使用よりもドイツ側の利益が明らかに上回る場合には、ドイツ当局の当該施設区域の返還請求に適切な方法でこれに応ずるものとする。

「ドイツ側の利益」という基準は、合意議事録ではいっそう明確に表され、「ドイツの非軍事部門の基本的な必要性、特に国土整備、都市計画、自然保護および農業上、経済上の利益に基づく」と表現されている。
つまり、基地が返還されることによる「ドイツ側の利益」が大きいときには、ドイツ側は基地の返還要求ができ、米国指揮下の軍はそれに応じるというのが取り決めとなっているのだ。

一方、沖縄の普天間に駐留している米国軍隊は海兵隊であり、その本質は駐屯地域(=日本)の防衛ではなく、世界各地に展開されることである。極言すれば、世界各地が米軍海兵隊の活動候補地とも言える。
一時、米国太平洋軍司令官が、
「普天間基地の移転候補地としては、一〇以上の案がある」
と述べていたように、どこに米軍海兵隊を配備するかについては、米国が決める問題だ。

それよりも何より重要なのは、沖縄県民の意思である。二〇一四年の知事選挙、総選挙での小選挙区すべての区で、「普天間米軍基地の辺野古移転に反対」する議員が当選した。

そして、民主党政権が誕生し、こうした沖縄県民の民意を汲んで、鳩山元首相が、
「普天間米軍基地を最低でも県外移転する」
と主張したことは、NATO軍地位協定などの他国の米軍に対する取り決めに照らしても、決して唐突なものではない。
ところが、そうした鳩山元首相の英断に対し、外務省、防衛省が反対する工作を展開した。彼らにとって、「米国の意向に従う」という理由以外に、「普天間米軍基地を最低でも県外移転」に反対する根拠は見当たらない。

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