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とーふ · @KfrTofe

26th Nov 2017 from TwitLonger

「座間市で起きた事件について感じること」

 村上春樹の『ノルウェイの森』という小説があります。知っている人は多いことでしょう。映画化もされています。監督はトラン・アン・ユンです。映画を観た人もいることでしょう。この映画では、水原紀子さんが緑役で主演しています。私には、水原さんについて、つい先日、ビールのCMで誹謗中傷をされたことが記憶に新しいです。私は、この時に、この映画のことを思い出していました。水原さんの生い立ちに関して、ひどいことを言う人がいました。特にネトウヨ的な言説に共感する人から、出た差別的な発言には、憎悪を煽るようなものがありました。私が常識があると思っている人の中からから数人ですが、ネトウヨ的な言説に共感する人をみていっている発言と感じるものがあり、それもひどいなって感じました。
 今、捜査が続く座間市でおきた凄惨な連続殺人事件の背景が明らかになるにつれて、また、私は、『ノルウェイの森』のことを思い出しました。事件が発覚するきっかけとなったのは、八王子に住む女の子が行方不明になり、その女性のお兄さんが警察に届け出を出したことでした。八王子に住んでいた女の子は引きこもりだったと報じられています。彼女は悩みを抱えていたことも報じられています。私は、彼女が生きていられなかったのではないと思います。彼女は、彼女が抱える悩みにつけ込まれて、殺された。彼女は、決して、生きていられなかったのではない。彼女のお兄さんと、彼女は、クリスマスに食事をしようという約束をしていたことが報じられています。
 小説の『ノルウェイの森』では、ワタナベの恋人の直子は、精神病を患っています。直子は療養所で生活をしています。そこでは、レイコという学校で教鞭をとっていた女性も生活をしていました。直子とレイコは、そこで二人で足りないものを補うように生活をしていました。ワタナベは、直子を通して、レイコと知り合い、親交を深めていきます。しかし、直子は、死ななければいけなかったのではなく、生きていれなくて、死んでしまいます。レイコは、生きて再びワタナベとあいます。水原さんは、ワタナベが通う大学の同級生で、緑というとても魅力的な女性役を演じています。直子と緑はとても対照的な、女性として登場しています。
 八王子の女の子は、直子やレイコと同じように何か悩みを抱えていたかもしれません。しかし、直子のように「生きていられなかった」のではなく、人はそんなふうに殺されてはいけないというような死に方をした。座間市で起きた事件では、8人の女性と1人の男性が殺されています。彼らは、決して、死ななければいけなかったわけではないはずです。

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