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30th Oct 2017 from TwitLonger

面白くない答えを面白くする方法について


生大喜利初心者に向けて、「おもんない回答をどうすれば面白くなるか」というテーマで話していきたいんですけど。


こないだ俺のランボルギーニさんが開いてくれた俺ラン塾という大喜利講座があったんです。
初心者コースとして「線引き(面白い回答とそうでない回答を選別する)」と「底上げ(苦手なお題をなくす)」の2つが行われました。
時間の都合もあってこの2つになったと思うんですが、初心者に重要なもう1つの事項が解説されなかったのがちと残念だったんですね。
それは何かというと、回答をブラッシュアップしてより面白くする力です。

いかに線引きをきっちりと出来たところで、線を越えてくる回答を思いつかなければ「今日もしっかりと線引きができたな」と静かにボードを置くことしかできません。
ならばどうするか、線引きを越えられなかった答えを何とかひねって面白くするしかありません。



40点の回答をこねくり回してもなかなか100点の回答にはなりませんが、70点~80点くらいにすることはできます。
じっくり回答を練る投稿型の大喜利は70~80点では勝てませんが、時間も人数も少ない生大喜利では100点回答はそうそう出てきません。
70~80点の回答をコンスタントに出していれば生大喜利は大体勝てます。マジです。





・正しく答えるな

まず前提として言っておきたいのは、大喜利というのは「お題に対して正しく答える」競技ではありません。
むしろ「お題に対しておかしな回答を出す」「お題に対して間違って答える」の方が近いと思います。

何故かって「正しい」よりも「間違っている」の方が圧倒的に面白いからです。
正しい答えを出すのではなく、「ありえない状況」「全く無意味な行動」「矛盾した回答」など、間違った答えを目指しましょう。






・ディテールを描け

で、ここからは本題の「つまらない答えを面白くする方法」ですが、いくつか種類があります。

代表的なものを挙げると、
「ディテールを描く」
「答えのその先を考える」
「内容を過剰にする」
「内容を真逆にする」
などです。


まず「ディテールを描く」についてですが、つまらない答えというのはなんだか漠然としていることが多いものです。
逆に良い回答というものは、聞いたときに答えの情景が頭の中でありありと浮かぶものです。
そのためには、ある程度詳細な説明がなされている必要があります。



例を上げますと

お題:こんな野球部はいやだ

答え:全然練習をしていない


点数で言えば20点以下の回答です。
何故かというと、安直すぎる上にあまりにも漠然としています。
練習をしていないのなら、何故練習をしていないかとか、その時間に何をしているかを説明しないと面白くなりません。




答え:部室でずっとスマブラをやっている


練習をしないでやっていることを説明した結果、30点くらいにはなりました。
ただ、練習をサボってやることとしては正しいですが、上でも述べたようにもっと「間違った」要素がないと回答としての強度が足りません。




答え:部室でずっと資格の勉強をしている


50~60点くらいでしょうか。
野球部が練習をサボってやることとしてはおかしなことですので、面白みはあります。
ただし、「資格の勉強」というのが唐突で野球部との親和性も低いのがネックです。
野球部の要素をからめつつもう少しディテールを詰められないでしょうか。





答え:部室でずっと審判の資格を取る勉強をしている


どうですか。
野球部の要素も使いつつ、「いや選手じゃなくてそっちかい」というツッコミどころも備えた80点の回答と言えないでしょうか。
言えてたらいいな。





・答えの先を考える、過剰にする

疲れてきたのでサラっと流しますが、
「答えの先を考える」は例えば「こんなパン屋はいやだ」で「フランスパンが固すぎる」という答えがあったとしたら、「固すぎる結果何が起こったのか」を考えようねというやつです。
例えば、「フランスパンが固すぎて、ほこ×たてでドリルvsフランスパンの対決をやっている」とか。
普通ではありえないような状況を頑張って想像していきましょう。

「過剰にする」は「2時間待ちの行列」を「5年待ち」にしちゃうとかです。
2倍や3倍にしても面白くないので、100倍くらいにするのがコツです。






・答えを逆にする(オススメ!)

はい、本題の本題です。これが言いたくてこの文章書いてました。
これが非常にオススメのテクニックなのですが、聞いただけでは分からないと思うので説明していきます。



お題:死刑囚ばかりが出場するオリンピックではこんなことが起こる


これ、自分が俺ラン塾に提出したお題なのですが、
まず思いつく安直な回答として

「観客からめちゃくちゃブーイングされている」

というのがあると思います。
まあそりゃそうだよな、と思いますが当たり前なので特に面白くはありません。
ブーイングの仕方を過剰にしたりディテールを描いてもいいのですが、ここはあえて真逆にしてみましょう。


「観客からめちゃくちゃ応援されている」


逆にしたことで、「死刑囚なのにめちゃくちゃ応援されている」という「ありえない状況」が出てきました。
安直な回答を逆にすることで、簡単に「間違いの面白さ」が生み出せるのです。


しかしこれではディテール不足なので、もっとディテールを詰めましょう。
絶対に応援しないであろう人が応援しているとさらに面白くなりそうです。
死刑囚の要素も使って考えた結果、俺ラン塾では


「スタンドには遺族の方々も応援に駆けつけています」


という形で答え、かなりウケることができました。
遺影を持っているところとかを描写してもいいですが、あんまり詰め込み過ぎるとクドくなるのでその辺はお好みでですね。

ということで、「安直な回答を逆にする」はかなりおすすめのテクニックです。
いつでも使えるものではありませんが、ハマればかなりウケるので、僕と対戦する時は使わないでください。






あと初心者へのアドバイスをいくつか。


・面白い部分は最後に言う

長文の回答をする時は、笑いどころが最後に来るように構成するといいです。
ボードはオチを言ったときにめくりましょうね。




・間違って答える≠お題を無視する

今まで「間違って答える」ことを述べてきましたが、お題にはきちんと沿ってなくてはいけません。

例えば、
「メカ志村けんが言いそうなこと」
というお題が出たとします。

ここでは「言いそうなこと」となっているのですからセリフの形で答える必要があります。
初心者がやりがちなこととして、メカ志村けんの説明をしてしまったり、メカ志村けんが出ている番組のタイトルを言ってしまったりと、お題が求めている内容から逸脱してしまう場合があります。
こういった答えは、どうしても評価が辛くなるものです。

お題にない要素を使うのはテクニックとしてありなのですが、お題が求めている「答え方」からは逸れないようにしましょう。

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