ええと、@purane666 さんが以前質問された事(http://www.twitlonger.com/show/n5o4km)に関して会社としての立場ではなくあくまで「個人としての見解」を回答させて頂きます。
私は法律の専門家ではありませんし、もう一度言いますがこれ、個人の見解です。

そこまで念押しするなら答えなきゃいいのに、というのはごもっともです。
ですが、普段から「原田さんはファンには真摯に答える」とか言われているのに、「真摯に質問したのにスルーされたし!」と傷つく人が出てきたらどうしよう?怖くなるのが人情ってものです(答えられないことはスルーしてますけど)。なんかもう、Twitterならぬ「Twitlongerで回答してみるシリーズ第○○弾」みたいになってるし。
ほら、あれよ、学生時代好きな子の苦手な給食メニューを食べてあげたら「原田くんやさしー!」って言われて、クラスの女子からガンガン脱脂粉乳(昭和)飲まされるー!そしたら「原田くんやさしー!!」の連鎖が止まらなくなって、何故かウサギ小屋の飼育隊長まで引き受けるー!そして小屋の中でウサギの糞掃除してたら俺の好きな子が別のクラスの足が速いモテ男子と手つないで歩いてるの目撃して心が死ぬー!ムカついて校内マラソン大会でその男を鬼の形相で抜き去りトップ集団に躍り出たのに運悪く赤信号で後続グループに追いつかれた上、クラスの女子から「原田くん鼻水めっちゃ出てるやんキショイわ~!」と指摘され、すさむー!将来絶対傭兵になってやる!とゴルゴ13を愛読するも、ゴルゴさんが依頼された仕事の前にしてらっしゃる「もうひと仕事」の意味だけがよくわからないという中2病よりももっと前にかかる小4病とでも言うべきいわゆるあれです。

なので、今回に関してはあくまでメーカーやゲーム開発者や権利元の原田ではなく、いち個人の見解として答えているという事をご理解いただく、という、そこは紳士協定的なノリで聞いていただけたらと思います。

ざざっと書くので乱筆失礼。

質問者さんは、「お店に家庭用ゲーム機を設置して、ゲームを遊ばせる飲食店」をいつかやりたいなあと思っているが、いろいろ問題あってできないですよね?どう思います?という質問されているわけですよね。
私個人も、「会社辞めたら、小野ちん(カプンコ)と旅行代理店の経営をしつつ、こういうバーとかできたら楽しいやろなあ」とか適当な事を思った事はあるので興味があるといえばある話題&問題です。

元の記事( http://d.hatena.ne.jp/heatwave_p2p/touch/20110428/p1 )から貼られてる各所のリンクも読みました。
そこでは「上映権侵害」を中心に解説してあるものが多々見受けられましたね、確かに上映権はひとつのキーだと思います。
しかし店外に持ち出すかどうか微妙な形態ではありますが、書籍とゲームはいずれも「貸与権」も働くのでこれも無視できないのかな?とも思います。
※書籍が高級品だった、昔ながらの小さい貸本業者を保護する、といった事情から書籍の「貸与権」
 を制限していた法律(附則)が以前はありましたが、ネットカフェやTSUTAYA等の事業者の参入も
 あり、10年ぐらい前に法律が改正されて書籍の貸与も「原則NG」になった、らしい?だったっけ?(例
 外、即ち従前のように小さな業者を保護する措置が残ったのか否かまでは知りません)

どういう営業形態かによりますが、上映権と貸与権の2点はいずれにしても絡んでくると思います。

これだけ読んじゃうと、上映権だけの問題に思えますが → http://www.techvisor.jp/blog/archives/1339
しかし結局ゲームのような書籍とも違う新しい媒体は、「貸与権」の問題もクリアされてないんじゃないかなあ?というのが私の見解です。
もちろん、「記事にある事件の場合」は上映権が焦点になっていると思います。
これって結局 「どのような形態で客に提供したのか」 で変わってくるはずですので、一つの観点だけでクリアしようとするのは無理があります。

その上で、結局質問者の方でいうところの
 「どう思います?」&「ゲームバー」ってどうやったら実現するの?
という問題ですが・・・

例えば

(1)業務用ゲームを導入する(根本的解決になってない)
これって要はゲームセンターじゃん、みたいな事だし、風営法対象機器(ノワールなどのビデオゲーム筐体)を面積あたりにどれだけ置くか、対象外機器(大型筐体モノなど)で占めるか、とか、アルコール出すか出さないかとか、調理した料理を出すかとかで、それぞれクリアしなきゃいけない法令は違ってくるので、一言で「業務用機器を導入する」では済まされませんが、簡単に言えばこれをもって「ゲームバー」みたいなのを実現することは可能だと思います。

例えば業務用ゲームも同様に「貸与権」は働きますが、業務用ゲームをコインオペしたり、時間貸しする形態であれ営業上の自由はあり、そもそも業務用ゲームはロケに設置して色々なユーザーに遊んでもらうために作って、売られるものです。加えて、これ(業務用)に通常の遊び方をさせる範囲で「上映権」までを持ち出すのは難しいだろうなあ、と思いますので、業務用ゲームでもってゲームバーを成立させるのは可能だと思います。
1980年代にとあるゲームの裁判で「上映権」に言及されたこともあるにはありますが、その事件は、「あくまで当時の法律」において、正規品ではなく海賊版を売っている業者の責任を追及する方便の一つとして考え出されたものと捉えるぐらいが良いのではないか、と思っています。ひつこいですが個人的見解ですよ? ともかく法律は社会的背景の下に法そのものも、そして特に解釈も常に変化しますので。
話は戻って、、、
バーに業務用を導入するとあいても、これだと業務用製品としてコインオペレーションないし時間貸しできる形になっているタイトルしか購入・設置できないという事になります。 
アーケードゲームとして発売されているタイトル数は歴史上のタイトルを全部足しても、家庭用に比べるとやはり少ないしジャンルも限定されますよね。そもそもいまでは手に入らない機器もありますし。
まあこれだと、質問者さんの言うところのゲームバーの理想とは程遠いですよね(格闘ゲームタイトルは充実してるでしょうが、家庭用の普通のアクションアドベンチャーとかは絶対できないわけですし)。



では次の案・・・

(2)ゲームソフトをユーザーに持ってきてもらう(ユーザーが元々所有しているものを持ち込み、なんじゃそりゃ!?)
ユーザーが家から持ってきたソフトをクローズドな場所で遊ぶ・・・という場の提供は可能だと思います。
まあそりゃそうですよね・・・単なる場貸しなのですから。
ただしこれ!!よくある拡大解釈&都合解釈でダメな形態にしちゃうケースがあります。
例えば「疑似レンタル」のような取引、つまり「これはユーザーの所有物という外形を整えるだけのような取引」でもってこれを実現するのはダメです。ちょっと考えるといろいろ知恵が働きますよね。
例えば、「店からソフトを買い取ることでユーザーの所有物と解釈する。しかし帰りにお店に買い取ってもらう」つまり「買戻し特約つきの売買契約」みたいな場合は、最終的に「貸与権」の侵害とされると思います。たぶん。たしかそう。
まあいずれにしろこれだと、ゲームバーとは言えないか・・・


(3)JCCAの許諾済みタイトルを導入する
日本複合カフェ協会にゲームメーカーから正式にライセンス許諾を受けているタイトルで構成した営業形態です。
でも許諾タイトルを見ると→ http://www.jcca.ne.jp/kyodaku_game.php これだと、質問者さんの理想のゲームバーにはならないような気がします。
足りないですよね。

(4)海外のホテルの部屋にあるようなメーカー正式ライセンスシステムを導入する
日本じゃあまり見かけませんが、海外のホテルに泊まるとよくNintendo64とかのコントローラーがTVの複合エンターテインメント機器に繋がっている、というのを見たことある思います(これも最近みかけなくなってきましたが)。
あれは○○ドルで12時間ゲームが遊べる、という有料オンデマンドサービスです。
このシステムはゲームメーカーから正式にライセンスされているものがあって、利用料金の一部が権利元に支払われることで実現されている機器です(もしくは機器購入時に支払うケースもある?)。
ただ、これだと特定のハードと特定のタイトルしか遊べないのも事実です。
凄く少ないので、これまた(2)のケースと同じく「理想には程遠い」ですね・・・
(1)と(2)と(3)のあわせ技!というのも考えられなくはないですが、実現したいのはそういうことではなくて、という感じでしょうか。

(5)その他の手法
お店で貸し出したいゲームタイトルの許諾を直接メーカーに受けて対価を払う・・・とか、最新ゲームが体験できるとしてキャンペーンの一貫でメーカー&広告代理店と組む、、、とかも考えられますが、これも「数多くのタイトル」となると「非現実的」ですね。
テーマを絞って、本来ならメーカー自身が展開してそうな「○○カフェ」「○○バー」みたいなのを事業として請け負うみたいなのは・・・もはやなんか別の話ですな。


【総括】
うーん、厳しいなあ(なんじゃそれ!)。
質問者さんとしてはあれですよね、貸し出し解禁しろとかそういう話ではなくて、もう少しなんとかならんのか? というニュアンスですよね。
カラオケボックスとかで4人で協力して遊ぶ携帯ゲームなんかを持ち寄って遊んでる高校生グループが居たりしますよね。
きっとそれが大人の場合だと、バーで「一杯飲みながら」かつての友人や、同じ世代の他人と一緒に、「このゲーム懐かしいよね!」とわいわい集まって遊びたいニーズがあるんじゃないか?そういうことですよね?
もしくは、同じバーを経営するにしても、やっぱりひとつフックが欲しい。そこで、「あのバーに行けばファ○コンとかプレ○ステーションのゲーム遊べる!」とお客さんに言ってもらえるようにして、加えてバーのマスターがゲーム話に詳しい、みたいな。

しかしながら、いまのところ上記のような「あらゆるゲームが遊べるゲームバーを「すべて合法で権利関係を完全にクリアした完璧な方法」でもって実現する方法は「莫大な資金力」でも無いと無理そうですね(そうなるともはや、個人経営とか小さな法人経営のバーなんてレベルの話ではないという)。
こういう話って他業種を指して、「でも○○XXはできてるよね?」という話になりがちですが、業種や扱う「商品」がどういうものかで法的解釈や運用は大きくかわりますので一概に比較できない。それが通るならとっくに実現できるはずだけど、結局のところこうした事業を起こそう、という人が増えない事には業界への働きかけも無いので権利関係や法整備というか運用や解釈も進まないというのが現状じゃないでしょうか。
あと、実際営業されている何かを指して「あそこは実現してる」という実例話が出たりしますが、そもそもその実例が権利関係などを全てクリアして合法的に実現できているのかどうかは話が別。そのあたりは注意が必要です。グレーどころか完全アウトみたい例を指してもそれは「実現可能」とは言い難いし。

というなんか結局のところ、しっかり考えてみたところ「理想とは程遠い」もしくは「気軽には無理」というのが個人的見解。 なんだかどこからつついても“ヤブヘビ”になりそうだし。
なので、「どうすれば実現できるか?」という問いには上記回答となりますが、「個人的にどう思われますか?」と問われれば、アーケードゲーム好きは当然ゲーセンという集まれる場所があるわけだけど、家庭用ゲーム系のコミュニティに属する人々が気軽に行けるバーみたいなコンセプトは、もし強いニーズが各所であるなら、もう少しゲーム業界側も取り組めたらなあ、、とは思います。
しかしその反面、ゲーム会社が開発費と利益を回収できないと厳しいというのもありますし、あとアーケードゲーム市場と対立してしまう構造にしたくないというのもあります。
そういえばCDもレンタル禁止期間ありますね。新作聞きたきゃ基本は買うしかない。
そういう意味では古いゲームはリバイバル的な観点からも、ゲームバーで遊べるみたいな展開はあってもいいのかもしれない(まあこの「古い」ってのがどれぐらい?ってのがありますけど)。
逆の観点で言えば、先に触れた通りやっぱり「そもそもゲームバーというものに凄い市場ニーズがあるわけじゃない(家で遊べるからいい、みたいな)」ので、変わらないという自然摂理、この場合は守りの理論だけが働いてる可能性もあるのかな?と。
実はそこかも。実際どうなんでしょうね、ゲームバーと一言で言っても個々に解釈と定義は違うでしょうが、そもそもバーや飲み屋で一杯やりながらゲーム・・・みたいなニーズが「どれぐらいあるのか」のほうを俄然知りたくなってきましたよ。
そうか、そっちを定量調査にかけるほうが圧倒的に早いですねこれ。

と、ブツブツ言いながら質問者を煙に巻いて去っていく俺であった・・・

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