graycells

graycells · @graycells

6th Jul 2012 from Twitlonger

1)ずれている部分
まずずれているのは内容以上に言葉に対する感覚だと思います。ですから、内容について語っても、内容に対する不一致とは違う理由でずれ続けます。contractioさんは単語の意味が単語だけを取り出して同定できるとお考えであるように感じました。私はそのように考えません。これは恐らく「概念の論理文法」と「言説の稀少性」の差だと思います。ある単語がある単語とつながりやすいという事態の理由を、その単語に帰属させるのが「概念の論理文法」だとすれば、言説(空間)に帰属させるのが「言説の稀少性」だと思います。私は日常的な言語感覚も後者により近く(近いだけですが)、contractioさんは前者に近いのではないでしょうか。(「論理文法」に関する理解が誤りかもしれませんが、私としてはこれを説明する方が近道に思えました)
したがって、細部の言葉をめぐる修正を外部からかけられても、用語法を一時的に修正することはあっても、私の考えがガラッと変わったりするわけでも、用語法が安定するわけでもないと私は思っています。(だからやり取りの目的をお尋ねしています)

2)メカニズムと方法論(内容面のずれ)
方法論の話はメカニズムに関連しているようですので、メカニズムについてのみ書きます。メカニズムが現象と区別されるということはその通りだと思いますが、それでは「メカニズムである/ない」の判断が「現象である/ない」の判断に依存するということを指摘しているにすぎません。contractioさんが「現象」をどうお考えかはわかりませんが(自然科学的なものとの類比で捉えているということはわかりましたが)、私は説明されるべきことが「現象」であると考えますので、「現象」とは別に抽象化したものを「メカニズム」と呼びました。私としては、ループ効果は「現象」にも「メカニズム」にもなりえると考えます。また、この問題は「何を説明とするか」に依存しますが、それは自身のディシプリンなどに依存するのではないかと思いますので、一概には言えません。(もちろん、私がメカニズムと呼んだものを、現象と呼び変えても私はかまいませんが、その場合、私にとっては方法論という言葉を再定義することが必要になります。煩雑なのでその場合までは書きませんが)

3)主体化とループ効果
むしろそこでの問題は、主体化の方にあるのではなく、ループ効果の方にあります。誰がどのようなことを「主体化」と呼ぶかが私には概観不能であり、主体化を何と捉えるかとは半ば独立にtwitlongerを書いたので。ループ効果は「専門的概念/日常的概念」を区別することで言えることですが、その区別が一般的に妥当するとは考えません。区別ができない事例があると思いますし、そもそも「概念」という言葉の定義が必要です。そのあたりが『概念分析の社会学』において明確だったとは私は思っていません(というかそれはゼミの論点の一つでした)。これは以前に「日常的/制度的」のお話をしたときと、構造的に同じ問題ですので、私としては再び議論する気にはなれません。

すみません、時間がなかったのでやや言葉遣いなどがぶっきらぼうかもしれませんが、とりあえず送っておきます。ただ、やりとりの目的(私を説得したいとか、単に疑問だとか、とかそういう動機のことですが)がわからないと、やりとりがいつ終わるのかもよくわかりませんし、私としても何を回答すべきかわかりません。私の議論に不備があるということをご指摘いただけるのは大変ありがたいのですが(メカニズムの話も自分では考えていなかったので)、contractioさんの考えをtwitlongerに書いてDMにリンクを送っていただくといった手段の方が手間も時間もかからず楽だと思います。私自身は、議論の相手の考えが(たとえ私と違っても)その人の内部で整合的であるとわかれば、議論を続けようとは思いませんので、私としてはこれくらいで十分かなと思うのですが。

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