CoreJJ Interview Full


Korizon Esportsのインタビュー、英語字幕を翻訳したものです。

出典 : https://youtu.be/YZpTRIt_zVE

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生物学的な年齢はeスポーツに関係があるのか?

Ashley
FakerとDeftというLoL初期からのプレイヤーが今回も素晴らしいパフォーマンスを見せ、決勝で顔を合わせることになります。
ファンたちは「年齢はパフォーマンスと相関関係にあるのか?」という疑問を再び口にするようになりました。
CoreJJ、あなたはどう思いますか?
プレイヤーの年齢について、ようやくファンたちの見方が変わってきたと思いますか?

CoreJJ
そうですね…。僕はずっと年齢は重要だという信念を持っています。
でもそれは生物学的な年齢ではなく、抱く情熱の年齢です。
FakerとDeftは肉体的には歳を取りましたが、彼らは必死で努力し続け、上達するために苦闘し続け、勝利を渇望しています。
それが二人が長年にわたってトッププレイヤーであり続けられる理由です。
僕はそう信じています。信じていたいです。

年月を重ねるにつれ、選択肢は広くなっていきます。
今の時代プロ選手としてある程度の成功を収めれば、配信者になる等さまざまな道が出てきます。
銀行口座も潤ってきて、安心感を得ることができます。

その段階に達すると、心のどこかで声がささやきはじめます。
「別にプロ選手じゃなくても生きていけるよ」
「本当はこんなことしなくてもいいんじゃないか?」

eスポーツは働いていくには厳しい業界です。
競争は果てしなく続きますし、結果を出すために命を削ってゲームに打ち込んでいます。
周囲の選手も同じように命を削っているからです。

この業界で数年働いていると…疲れてしまいます。
だから自分を癒してくれるものを探しますし、人生にとって重要な他のものを少しずつ認識するようになります。
その過程で、ゲームの優先順位は少しずつ下がっていくことになります。

Ashley
以前ある選手がお話してくれたことがあります。
「プロになったばかりの頃は、自信に溢れていて心のままにプレイしていた。」
「でも、積み重なっていく勝敗や世間の目が、少しずつパフォーマンスに影響を与えていった。」

CoreJJ
ええ、その通りです。
私たちの職業は、プレイしている毎分毎秒、常に評価される性質があります。

選手が好調でプレイしているときや、突破口が見えているとき、外部の評価を無視するのは簡単です。
しかしスランプに陥っているときや、試合がうまくいかないとき、こういった評価が頭の中に入り込んできて、自分自身を疑い始めてしまいます。

プロシーンに登場したばかりの頃は自信に満ちていたようなルーキーたちでさえも、
ミスをしていくにつれ、自分からプレイを起こすことに躊躇するようになってしまうかもしれません。
それによって、徐々にハイレベルなクラッチプレイを起こせなくなっていきます。
インタビューの最初の方で(前編が存在します)Fakerがすごい選手だと触れた理由はここにあります。

Ashley
このような"(逆成長)曲線"は多くのプレイヤーに存在していると思います。
選手が長く活躍し続けるためにはどうしたらいいのでしょうか?

CoreJJ
それについては僕も考えていました。普通選手たちはアマチュアのとき、プロとしてデビューするまでにすごく努力をします。
アマチュアとプロの壁を切り開くのは本当に難しいからです。
人脈が無いとそれは更に難しくなる。

そのことを踏まえると、僕はこう考えさせられます。
チームからオファーが来るような、スカウトされるような選手でありたい。
僕がたとえCoreJJという名前ではなく、無名であっても。

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Champions Queueについて

Ashley
少し話題を変えますね。
Worldsシーズンになると、Worlds前のブートキャンプも盛り上がります。
Worlds出場権のあるチームが集い、SoloQとはいえ各地のプレイヤーが対戦するのを見ることができます。
あなたはよくChampions Queueをプレイし、配信していますよね。
そこから得たものは何ですか?

CoreJJ
まず…すごく楽しかったです。素晴らしい機会じゃないですか。
世界中の優秀な選手、偉大な選手たちと対戦できるんですから。
それに選手たちはトロールピックや投げやりなプレイをしません、
選手たちはSoloQに比べてCQでは頑張って勝とうとします。

普段はCQをプレイしないようなプレイヤーにも声をかけたりしました。
「こんな素晴らしいチャンスがあるよ」
「今すぐCQをプレイしよう、大至急だ、こんなに恵まれた機会はないよ」
「グループステージのチームたちが帰国する前の今がベストタイミングだ」

CQは理論上は素晴らしいシステムです。
しかし今回のWorldsでも見られたことですが…。
CQは、Queue上に優秀なプレイヤーが多い場合に栄えるんです。
優れたプレイヤーがQueueに居ない場合、選手たちは「NAサーバーと大差ないじゃないか」と思ってしまうかもしれません。私の周りでもありました。
そこで私は、CQはその瞬間に優秀なプレイヤーがどれだけアクティブかという、システム的な制限があることに気づきました。

Ashley
Worlds期間のCQで特に印象に残っているプレイヤーとのやり取りはありますか?
Pyosik選手があなたと同じロビーになったことに興奮してDeft選手に話していたエピソードは、私も覚えています。

CoreJJ
あの試合でもPyosikは私に強い印象を残しました。
試合が始まる際、彼は「この試合は僕らの構成の方が有利だ」と話していました。
「僕らの構成の方が有利だ、だから多少リスクはあるけどXやYのプレイをする」と。
Pyosikは本当にゲームに勝つためにプレイしているんだなという印象を受けました。
だからこそ、彼はとても優れたプレイヤーなんです。

あと、CQではじめてDeftと対面した時のことを覚えています。
その時は一般のプレイヤーと対面しているような感覚でレーニングをしてしまっていたんだと思います。
彼を見くびっていたわけではなく、レーンフェイズですごくアグレッシブにプレイしていました。
Deftはそれにすぐ反応して、レーンで僕をキルしました。
それが私に「ああ、これがWorldsだ」と思い出させてくれました。
「NAでプレイすることで身についた怠惰な習慣を、ひとつひとつ直していく時が来たんだ」
Worldsのプレイヤーたちがどれだけ優れているか、改めて思い知らされました。

Ashley
単刀直入にお伺いします。
年始にインタビューした際、あなたはCQが導入されること、それがNAに与える影響についてとても前向きにお話しされていました。
しかし、その頃からプレイされるゲームの数や質についてさまざまな議論が交わされてきました。
CQはどれほどの成功を収めたのでしょう?1年目を振り返ってみて、いかがですか?

CoreJJ
成功したのは半分くらいというところでしょうか。
CQが始まると、予想していなかった問題が多く発生しました。
例えば、一時期「レベルの低いプレイヤーが多すぎる、こんなにひどいプレイヤーたちとじゃCQをプレイしづらい」と言われるようになったことがあり、その結果CQは盛り下がりました。

LCSシーズン中、全く活発じゃない時期もありました。
そこで運営はCQにシステム的な変更を加え続けます。
「CQは思ったよりアクティブじゃない、この方法を試してみよう、このシステムならどうだ?」と。
しかしシステムを変えるたびに、同じ問題が発生し続けました。CQのゲームのクオリティが低いことです。

CQはいま、ジレンマの中にあるように思います。
クオリティの高いゲームを提供できるLCSプレイヤーたちはCQを全く、もしくは積極的にプレイしない。
そこで試合数を確保しようとすると、CQ運営は比較的レベルの低いプレイヤーを排除しづらくなる。
そうするとレベルの高いプレイヤーがもう一度CQをプレイしてみようと戻ってきた際に
「ああ、今CQのゲームはレベルが低いな」と思い、また離れてしまう。

CQは悪循環に陥っていて…僕も分かります。
CQをプレイしない理由は人それぞれにあります。他の練習方法を好むプレイヤーも居るでしょう。
そもそもNAのプレイヤー人口はそこまで多いわけではありません。
ゲームのクオリティを向上しお互いを高めあうためには、CQであれNA SoloQであれ、選手たちを1つの場所にまとめる必要があります。
CQは実際には人口を分断してしまったようです。
今となってはCQが人材開発の妨げになってしまっているのではないかとさえ思っています。

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欧米と中韓の練習量の違い、ワークライフバランス

Ashley
率直に伺います、NAの選手たちはSoloQを十分にプレイしていませんか?

CoreJJ
100点満点中90点の基礎ができていないと、他の要素は意味を持ちません。
練習によって90点のラインを越えて初めて他の要素が重要になります。
僕はまだNAは最低基準に達することができていないと思います。

Ashley
あなたは配信で「ある意味、NAはWorldsで完全に爆発した方が良い。少なくとも今はみんなこの問題について話すだろうから」と言っていました。
とても強烈な発言なので、もっと詳しくお聞きしたいです。

CoreJJ
欧米のチームはすべて完全に爆発したと言えるんじゃないでしょうか。
全チームが惨敗しました。

Ashley
ええと、RGEは除きますか…?

CoreJJ
RGEは除くかもしれませんが、準々決勝で0-3で敗退しましたし、彼らに勝ったJDGは直後にT1に圧倒されました。
悲劇です。欧米のチームはすべて惨敗したと言っていいでしょう。
僕自身がWorldsに出場できていないのに、このことについて話すのは気が引けますが…。
でも、欧米のチームが今回のような結果に終わった状況では、このテーマについて話すのは重要なことです。

僕はいつも「俺たちは勝ちたいんだ」という言葉を聞きます。
どこへ行っても、選手たちは勝ちたいと言います。
でも、言葉は言葉でしかありません。
結局「勝ちたい」と思うのであれば、中韓のチームに勝ちたいとも思わなければいけません。
Worldsで優勝したいんでしょう?

しかし、中韓のチームは1日に8試合スクリムを行い、SoloQも5試合回します。
1日13時間、14時間、文字通り身を削ってゲームに打ち込んでいます。
自分たちは1日6時間しかプレイしてないのに、彼らに勝ちたい?
自制心があってそんなことを言っていますか?
中韓のチームに勝ちたいということは、彼らより優れていなければならないということです。
ゲームに打ち込む練習量で近づきながら、同時に他の突破口も探さなければなりません。

NAは「勝ちたい」と言い続けてきました。
でも、それを行動で示してきましたか?
LCSやLECのすべてのプレイヤーに問いかけたいです。

Ashley
韓国のチームは練習量が多すぎるという話もあります。
そしてNAのチームは、もっと効率的に練習できると考えていました。
ワークライフバランスはよく話題に上がるトピックです。私は非常に重要なテーマだと考えています。
平均選手寿命が伸びている中、選手が長く活躍するためには燃え尽き症候群を起こさないようにしなければいけません。
私の知る限り、欧米のチームは(常に身を削るような練習ではなく)システム的に多くの代替案を考え出しているようです。
これらの代替案についてはどう思われますか?

CoreJJ
素晴らしいものだと思います。机上では、それらのシステムは素晴らしいものですし、良いアイデアもありました。
僕がNAに来たとき、LCKよりもNAの方が構造的に確立されている部分があることに気づきました。
しかし、チームに基礎がなければ、基礎ができていない選手が居たら、選手が(十分な)競争力を発揮するのは難しいです。
どんなに構造が整っていても、どんなに良い環境でプレイしていても。

でも、一度基礎ができた後はサポートする構造が整っているのは素晴らしいことです。
正直なことを言えば、僕も韓国では辛い時期がありました。疲弊してしまう気持ちも分かります。
燃え尽き症候群が選手たちに襲いかかってくるのも分かります。
燃え尽きることなく、何年もかけて経験を重ねてきた多くの選手を抱えていることは、NAのアドバンテージの一つです。
NAにはベテランが、経験を積んでいる選手がたくさん居ます。経験はアドバンテージになり得ます。

僕はNAがWorldsで優勝する可能性がゼロだとは思っていません。
僕らが持つすべての環境上な不利な点や、SoloQの質なんて関係無く。
今居る選手だけで優勝できると信じています。
そしてそれを実現するためには、最低でも中韓の90%以上の練習が必要です。それが最低ラインです。

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欧米と中韓のドラフト、アイテムに対しての視点の話

Ashley
これはインタビューの前編でもお話ししましたが、選手は"基礎"となるプレイヤースキルが原点になるのでしょうか。
ここでは韓国のファンの声を引用しますが…。
韓国のファンからすると、欧米はファンであれキャスター陣であれ、ドラフトやアイテム選択に重きを置いているように見えるそうです。
まるでそれらがゲーム全体を支配しているかのように。
"プレイヤーXが負けたのはこのアイテムを作らなかったからだ"
"チームYはなぜこのチャンプをBANしなかったんだ?もうこのゲームはおしまいだ"

CoreJJ
それは楽な言い訳、現実逃避です。
分かりやすい答えを出すには楽な方法です。
ゲームの結果をドラフトに求める。
僕はそれが間違っているとは言いません。

それらの発言は完全に間違っているわけではないからこそ、人々は納得してしまうことがあるでしょう。
でも、ある意味では…ほとんどの場合、チャンピオンに限定して話をしています。
使い手の能力次第で、チャンピオンはもっと色々なことができるはずです。
アイテムだって使い方次第で、そのアイテムのステータスがゲーム内でどう反映されるかは変わってきます。

チャンプを使う基礎の能力という話に戻るのですが…。
僕は試合を見ていて、よくこう言います。
「こいつQWERもまともに使えないのか」
「じゃあ構成やアイテムに何の意味があるんだ?スキルを正しく使えてもないのに。」
だからこそ基礎が必要なんです。チャンプをマスターして、スキルの使い方を知る必要があります。
基礎ができれば、簡単にイニシエートする方法が無いような構成でもイニシエートができるようになります。
ダメージの期待値が低い構成でも、ダメージを出せるようになります。
課題を一つ一つ乗り越えていって、選手として強くなっていくんです。
これは選手が続けていかなければならないことです。

僕が唯一悪いと思うドラフトは、選手自身が理解できないドラフトです。
プレイしている選手たち自身が構成を理解できていない場合、それは悪い構成です。
しかし選手自身が納得して、この構成でどうすれば勝てるかを理解しているのであれば、それは決して悪い構成ではありません。

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LoLに取り組む”必死さ"について

Ashley
Worldsを通して悩んでいたんですが…。
Worldsから敗北した選手には、敗戦を乗り越えてゆっくりしてほしいと思いもあります。
でも、選手がそうしてしまったとき、ファンは満足するのだろうかとも思うんです。
「十分だ」「俺たちにしては良い結果だったよ」と彼らから聞くことは。
先日、Impact選手とのインタビューで、欧米のチームと中韓のチームの「必死さ」の違いについて話していました。
常に勝ちたいと思うこと、試合後に常に悔しさや怒りを感じていること…。
それだけ感情を込めて試合に臨むことには、もちろん長所と短所があると思います。
ハングリー精神はどれほど重要なのでしょうか?

CoreJJ
僕は…一度サモナーズリフトに入った後は、どんな感情もパフォーマンスに悪影響を及ぼすと信じています。
ゲームに入った瞬間、いつもすべての感情を空っぽにするよう心がけています。
興奮する気持ちをすべて消し去り、機械のように思考しようとするんです。
そうすることで、まっさらな状態でゲームをプレイできます。
僕はサポートプレイヤーなので、そうすることがなおさら重要なんだと思います。
特に感情を排してプレイしなきゃいけない。

でも、試合外では常にハングリー精神に溢れています。
試合に負けた時は、なぜ負けたのか徹底的に追求します。
常に必死で、上を目指していきたい。少なくともこれが僕のやり方です。

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"基礎"と、選手たちの姿勢について

Ashley
インタビュー中、ずっと「基礎」を強調されています。「基礎」は選手の基本的な技術のことです。
しかし、欧米の選手がこの点について絶望してしまっているのをよく目にします。
「韓国の選手たちは単純に俺たちよりうまいんだ。いくら練習しても追いつけない」
こういった心情についてどう思いますか?

CoreJJ
僕自身、今年もこのような話を聞くことがありました。
僕は僕のチームにメタチャンプを骨の髄まで極めて、そのチャンプを使って勝ってほしかったんです。
僕はチーズ(奇抜な戦術、戦略)で勝っていくのには限界があると思っています。
奇襲で勝てるのは1、2試合くらいのものです。

そんな中で、あなたがおっしゃったような心情を抱く選手をたくさん見てきました。
「韓国の選手がすごすぎるんだ、そういう風になっているんだよ」
じゃあどうして「そういう風になっている」んでしょう?

韓国の選手は生まれつき、遺伝的に努力家なんでしょうか?
僕はそうじゃありませんでした。
韓国に居た頃、キャリア初期にはハングリーでなかったこともありました。
その結果、成績は落ちました。僕自身そんな経験があります。
「そういう風にできている」なんてことはないんです。

韓国の選手がみんな努力家で、勝利に飢えているわけではないんです。
ただ、そういう選手が生き残っているだけなんです。
そしてLCKは、そういう選手だけが"淘汰"を乗り越えて出場できる場です。
だからLCKは今のような姿になっていますし…
NAは、だからこうなんです、たぶん。
自然の流れであり、自然の摂理です。
ハングリー精神の無い選手や、成長しなくなった選手が淘汰されていって、業界から「押し出される」。

でも、欧米の一部のチームは、自然の流れに逆らっているように見えることがあります。
アカデミーの選手で、努力していない選手を見かけることもあります。
離れて久しいのではっきりとは言えませんが、LCK Challengers Leagueの選手たちは、LCKでポジションを獲得するために、今もものすごく頑張っていると思います。
彼らは懸命に成長しようとするはずです。
LCK CLには努力せず、今の居場所に満足しているような選手はあまり居ないと思います。
LCKには先天的に、そういったプレイヤーを除去していく自浄作用があるようです。
LCSでは…簡単ではないですね。

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欧米から2019年G2のようなチームは出てくるか?

Ashley
欧米のチームから、2019年のG2のようなチームから生まれることはあるのでしょうか?
このテーマについて話す際はいつも19年のG2を持ち出すことになります。
確かに18年のFNCの躍進もありましたが、19年のG2は中韓のチームに対して圧倒的な強さを見せた唯一のチームでした。
しかも彼ら独自のスタイルで、です。

CoreJJ
そうでしたね。
当時のG2の話を聞くと、ロスター全員がCapsに代表される「LoL中毒者」たちだったようです。
チームの全員がLoLについて深く考えて、LoLというゲームを愛し、必死で懸命に取り組んでいました。
ある意味で19年G2は突然変異だったと言えます。
LoL中毒者がなぜか5人集まり、基礎もあって、クリエイティブな思考ができる環境が整っていた。

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プロゲーマーは人間でいられるか?

Ashley
いつも思うんですが、LoLで「必死に努力する」ということのハードルはとてつもなく高いですよね。

CoreJJ
高いです。

Ashley
私が見てきた他のスポーツ業界よりも、LoLでは燃え尽き症候群の事例が多いんです。
そしてこの話題は、LoLの選手寿命の短さと密接に関係しています。
eスポーツプレイヤーの平均年齢は非常に低いです。
プロのLoL選手でありながら、人間らしく生きることはできるんでしょうか?

CoreJJ
そんな人も存在します。
LoLが好きで、ゲームを愛していて、単にプレイするのが好きな人たちです。
彼らは単に競い合うことと勝利が好きで、そんな風に生きていくことが、人生を過ごしていくことが幸せなんです。
そしてこの業界は、そんなごく限られた人々が最終的に成功する業界なんです。

もちろん決して楽な業界ではありません。
なぜならゲームの性質上、どれだけ努力しても限界にはたどり着けないからです。
もちろん精神的な疲労は蓄積されていきます。
でもそれは肉体的な疲労のように、目に見えたり、測れたりするものではありません。
研究する方法は山のようにありますし、VODを見返す試合もたくさんあります。
LoLは…どれだけ選手が努力していようと
「でも、もっと頑張れたんじゃない?」と聞かれたら、反論できません。
それがLoLなんです。

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LCSは斜陽なのか? - 2023年に向けて

Ashley
これが最後の質問です。
正直に言うと、今年は欧米から見て…特にNAからすると、非常に残念な年でした。
これは質問ではなく、単にお話ししているだけなんですが
LCSのチームが来年に向けて予算を縮小するという噂がありました。
LCSの視聴率が下がっているという話もあります、LCSの未来には暗雲が立ち込めています。
今回のWorldsの結果はそれを加速させてしまうかもしれません。
WorldsはNAで開催されましたが、そのNAにとってLoL史上最悪の結果を残すことになりました。
LCSの選手、一人ひとりがこのことについてどのように感じているかは分かりません。
もしかしたら、メジャーリージョンでプレイできているということに満足して、現状維持を願っている選手も居るかもしれません。

でも、あなたの願うLCSの姿は、彼らの願うものとは違うと思います。
あなたが思い描く2023年のLCSは、どのようなものですか?

CoreJJ
来年私がまずやらなければならないこと、私にとっての来年の最大の宿題は、すべてを再構築することです。
「僕がLCSを変えられる」とは言ってません、それは傲慢です。
僕にできることは、自分のチームをうまく機能させること。
そうすれば他のチームも自ずと僕らのやり方を真似することになり、価値観に従っていくことになる。
そうして文化は根付いていきます。
それを起こすためには…努力するしかないですね。

Ashley
他のチームの刺激になり、お手本になるくらい頑張りたいということですね?

CoreJJ
そうなんです。
こんなことも考えていました。
私たちはいつも「NAはなんでこんなに酷いんだ?」と言っています。
でも、その問いについて考えてみると、根本的な疑問は
「なんで良いものにならなきゃいけないんだ?」ということなんです。
言ってしまえば、ブラジルやベトナムだってゲーム人口は多いです。そこで疑問が生じます。
「NAはなぜブラジルやベトナムなどの地域と差別化し、中韓のメジャー地域に勝たなければいけないのか?」
その理由を見つけられなければ、私たちはまた失敗します。
2023年は、その答えを見出さなければいけない年です。

僕が思うLCS最大のアドバンテージは、経験を積んだベテラン選手が多いことです。
チームが試合を分析するためのインフラも整っています。
ゲームを分解し、各パート毎に統計を取り、数学的に考えることができます。
LCSがいつかWorldsで優勝したとき、僕たちは
「LCSが優勝できたのは、地域にあるこれらの資源のおかげで、これこそが僕たちの強みだ」
と言うことができます。
だからこの資源を守りつつ、基礎をしっかりと鍛えていく。
それが一番大事なことだと思います。

Ashley
Faker選手が「LCSは世界一の地域になれると思っている」と発言されていましたね

CoreJJ
……。
ありがとうございます。
100%本気で受け止めます。

Ashley
私はFaker選手も真剣に、本気で言ったと思いますよ?
なんで笑ってるんですか?

CoreJJ
なんでもないです、なんでもないです。

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