日米FTAで、日本はどうなるのか?


まず、「脱原発が難しくなる」。これって命とりよね?
どうしてだと思う?
以下を読んでいただくと分かってくるかも?

安倍政権が、秘匿義務もない日米FTAの内容を、なぜか秘匿義務のあったTPP以上に秘密にして隠しているため、その詳細に関してはあまり知られていない。
(よほど日本にとって不都合なことばかり約束させられたのだろう)

なので、とりあえず、こうした類の協定について日本で最も詳しい東京大学教授・鈴木宣弘氏が、「日米FTAは、アメリカがTPPに参加しようとした時、盛り込むつもりでいたことは全て、或いはTPPやNAFTA以上に強化してくるはず」と仰っているので、そのTPPの条項を抑えておけば、ある程度の内容は把握できるのではないかと、TPPで重要と思われる条項からランダムに説明しよう。

――――――――――――――――――――――――――

基本的には、公共サービスを含むサービス分野はすべて、民間企業(巨大資本)に開放させられる。
特に電力、ガス、鉄道、水道などの分野は、『ラチェット条項』(「ラチェット=後戻りはできない」という意味)が適用されるだろう。
そのため、大きなトラブルや取り返しのつかない事故などが起きても、開放したことを撤回することはできず、規制しようにもできなくなる。

挙句、問題は解決されないまま放置される可能性もある。たとえば、水道工事が途中で中断し、水が出ないまま放置という事態も、可能性としては起こり得る。
(NAFTA:北米自由貿易協定では、既に事例多数有り)

それだけじゃなく、美しい棚田の風景も、山里の文化も、・・・日本人にとっての心の故郷ともいうべき原風景が、至るところで、土足で踏みにじられるように汚染され破壊されてしまうかもしれない。

山里に危険な薬品を扱う製薬企業の巨大工場などができれば、そのリスクは大きい。たとえば、猛毒が川に廃棄され、その下流で生活している人々が病気になったり、亡くなったりする可能性だって否定できない。
(NAFTA:北米自由貿易協定では、既に事例多数有り) 

――――――――――――――――――――――――――

一方、アメリカの不動産会社が、「京都の規制条例で高層マンション建設や土地の購入不可」と京都市に言われたとする。
すると、アメリカの不動産会社は、「ビジネスを妨害された」「没収された」などとして、『間接接収』違反で京都市を『ISD条項』で訴えるだろう。そして、先例からすると京都市が負け、多額の賠償金を支払うことになるだろう。

こうした実例は既に、京都だけでなく、日本各地で始まっている。 

はたまた、アメリカの不動産会社が京都の土地を買収し、お寺や歴史的建造物の隣に、高層マンションを建ててしまったとする。
「京都市地区計画の区域内における、建築物等の制限に関する条例」により、京都市が高層マンションの取り壊しを求めたら、どうなるか?
協定の『間接接収』は、「公共の利益よりも、私有財産が優先される」というルールなので、投資家による土地所有に制限を設けることができなくなる。つまり、如何に景観を損ねる高層マンションだったとしても、京都市は取り壊しを求めることすらできなくなるのだ。

この延長線上で考えると、日本国土が軒並み、アメリカの所有物になってしまう危険性も、案外大袈裟な言い回しではなくなるかも? また、土地投機を目的としたバブルの発生も起こり得る。

――――――――――――――――――――――――――

また、アメリカの企業が、何か日本の国内法に違反した場合、営業停止にしようとしても、肝心の「停止させるべき事務所がない」としたら、営業停止にできない。さらに、日本国内にその企業の所在地がないとなれば、税金を徴収することもできない。

これを『サービス業非設立権』と言う。これは、「アメリカの企業は、日本国内に、事業所等を設立しなくても、企業活動をすることができる」というもの。

――――――――――――――――――――――――――

はたまた、アメリカの企業が、「日本で試算した利益が期待通りに得られなかった」と判断した場合、「その原因は、アメリカの企業にあるのではなく、日本の制度や規制、法律などが邪魔しているからだ」と考え、日本を訴えることができる。

協定の『非違反提訴条項』は、まさしく、その名の通り、「非違反」なので「日本は何も違反していない」のに、「提訴」することができるというもの。訴える米国企業側が、「これは、『非違反提訴条項』にあたる」と判断しさえすれば、いつでも訴えることができる。

――――――――――――――――――――――――――

一方、『商標』が問題となるのは、「音や匂いにも商標登録できる」としている点。
たとえば、アメリカの有名なバイク、ハーレーダビッドソンの排気音が商標登録されたとして、日本企業が全く違った車やオートバイを作ったとしても、音を真似したとみなされ、ISD条項で訴えられたら、そのバイクを製造することができなくなる。

――――――――――――――――――――――――――

その他、アメリカの車は、アメリカの安全基準さえクリアすれば、日本に輸出することができるようになる。また、アメリカ企業が開発途上国で生産した車も、その途上国の安全基準をクリアしていれば日本に輸入せざるを得なくなる。
これは、日本の安全基準が崩壊することを意味する。

――――――――――――――――――――――――――
 
さらには、農業では「種子を制するものが、作物を支配」してきたが、漁業では「受精卵を制するものが、水産物を制する」時代がやってくる。

米韓FTAで韓国が押し付けられたように、日本にも遺伝子組み換え食品が当然のように大量に入ってくる。

遺伝子組み換え食品を扱うアメリカの食品会社にとって、大量に食品を供給できる外食や学校給食は、利益が上がる最適の分野。将来を担う子ども達にも、知らず知らずのうちに、遺伝子組み換え食品を食べさせられてしまうかもしれない。

食品表示義務が撤廃され、どの商品に遺伝子組み換え食品が混入しているのかは、表示されなくなる。

遺伝子組み換えサケにしても、お寿司屋やスーパーでも表示がなければ、知らされないまま口にすることになるかも。

2012年末に、米FDAが、遺伝子組み換えサケ(GMサケ)の開発に成功(アメリカのベンチャー企業アクア社が、アトランティック・サーモンの成長を促進させて開発)

スウェーデン・イエテボリ大学の研究では「遺伝子組み換え魚が環境中に放流された場合、生態系や人間の健康への影響が大」と指摘。

EU議会は欧州委員会に対して、「遺伝子組み換えサケの輸入を禁止し、ヨーロッパの市民の食卓に登場させないこと」を求めた。

全米動物農業連盟が、「この遺伝子組み換えサケを承認しないように」と、アメリカ連邦議会に要請書を提出。

世界中の市場が、遺伝子組み換えサケを拒み始めている今、(戦後すぐ、どこにも買ってもらえないような質の悪い大量の余剰農作物を押し付けられた時のように)日本はそのはけ口として、大量に遺伝子組み換えサケを押し付けられるだろう。

――――――――――――――――――――――――――

FTAの実態
=「人体に悪影響な製品を作るのも、企業の自由な経済活動」
「環境を破壊するのも、企業の自由な経済活動」 

――――――――――――――――――――――――――

アメリカとの交渉で重要なことは、「交渉していない分野を、FTAの対象外と考えてはいけない」ということ。アメリカの論理は、「議論していないことは、してよいこと」

「交渉していないものこそが、狙われている」「交渉していないものほど、堂々と土足で入ってくる」ということ。

――――――――――――――――――――――――――

農業耕地面積比→「日本:米国:豪=1:93:1534」

山林の多い(国土の7割以上)日本は、農業大国の大規模農業に勝てない。

農業が衰退すれば「田畑が有ることで保たれてきた洪水防止、土砂崩れ防止、地下水供給等の多面的機能は失われ、莫大な損害が発生する可能性大」

――――――――――――――――――――――――――

米韓FTAで、アメリカは、韓国ポスト(日本で言えば郵貯)を名指しで、「独占体である」と批判。今後、韓国ポストが新しい保険商品やサービスを提供することを禁止した。さらに、郵便局による宅配事業も廃止するよう要求してくる様相を呈している。

日本も同様に、FTAで・・・「日本経済がよくなる」は、大嘘。


https://iwj.co.jp/wj/open/archives/122674

Reply · Report Post