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19th Aug 2016 from TwitLonger

日本ハウジングローン



 資本と利益との峻別について 石内孔治 ( 久留米大学商学研究 創刊号 )
 http://ci.nii.ac.jp/els/110007183875.pdf


・以上より、日本ハウジングローンに関する箇所を、以下に抜粋する。↓


  日本ハウジングローン株式会社の設立母体機関は、
 興銀、日債銀、大和証券、山一証券 、日興証券である。(p.60)

(中略)

2. 住専・母体機関と大蔵省

  住専・母体機関に対する大蔵省OBの天下り関係を示す表2および表3を掲げる。

  表2によると、 1995(平成7)年7月末で
 住宅ローンサービスを除く住専の経営者・役員として、
 天下りした大蔵省OBは、13人存在する。

  そして表3に示されているように都市銀行を含む銀行へは
 1995(平成7)年6月現在で138人もの大蔵省OBが
 経営者・役員として天下りしている。(p.61)


 日本ハウジングローン

  会長(社長経験なし)    合計1人  大蔵1人 原徹(大蔵)
  社長(後に会長就任も含む) 合計3人  大蔵1人 母体2人 大月高(大蔵) 河原昇(興銀) ★会田稜三(興銀)
  常勤役員          合計37人 大蔵2人 母体32人
  役員総数(非常勤を含む)   合計57人 大蔵2人 母体52人

  ( 出所: 日本経済新聞 ’96.1.20 朝刊 ) (p.62)


(中略)


 表4 過去10年間の大蔵省OBの住専役員の所得税公示額

  原徹 日本ハウジングローン 会長・相談役

   1985年 不明
   1986年 1,405万 6,000円
   1987年 不明
   1988年 1,047万 3,000円
   1989年 1,119万 0,000円
   1990年 1,209万 6,000円
   1991年 1,281万 8,000円
   1992年 不明
   1993年 不明
   1994年 不明
   1995年 退任

(中略)

 借り入れ金額は2兆5183億円。

 このうち、農林系からの借り入れは、9,933億円 (39.4%)。

(中略)

 表4の中から、東京証券一部上場企業・日本住宅金融の
代表取締役であった庭山慶一郎氏の場合を見てみる。

 庭山氏の平成2年の所得税額は25,890,000円である。

 彼を給与所得者 (扶養親族なし、配偶者のみ)と仮定して、
所得金額を当時の税制度 (税率50%、 控除額390万円)で試算すると
59,580,000円になる。

 これをもとに給与所得額を試算すると60,845,000円になる
(老人控除 配偶者45万円、社会保険料控除35万円、
生命保険料控除10万円、 損害保険料控除 1.5万円、基礎控除35万円と仮定)。

 よって彼の年間給与収入合計は、65,726β15 円
(割合95%、控除額1,595,000円)と試算される。

 庭山氏が代表取締役を退任した1992(平成4)年3月期決算で
日本住宅金融は、当期純損失64億9,100万円の赤字決算へと転落している。

これより2年前の1990(平成2)年3月に 、
大蔵省が地価高騰を鎮静化させるために、
不動産向け融資の総量規制策を打ち出していた。

 そして、1991(平成3)年3月に大蔵省は、
巨額の不良資産を抱える住専のための第一次再建計画を策定していた。

そうした時期に、なお住専経営者・役員は表4に見られるように
高額納税者名に登場するほどの高額報酬を得ていたのである。 (p.64)

 そのもう一方で、つつましく日々を暮らす多くの人々は、
地価高騰、平成バブル不況へと巻き込まれて行ったのである。(p.65)

(中略)

 ここで留意すべき点がある。

それは、これらの大口借り手を含む事業者等への融資にあたって、
住専の母体機関が、住専に対して借り手である事業者等を
紹介していたという事実である。

 この紹介融資の残高総額は、約1兆4,567億円に達しており、
この内の約1兆2,605億円 (約86.5%)が不良債権化している。

 しかも、そのほぼ半分がすでに回収不能になっているのである

 このように、親会社たる母体機関と子会社たる住専とが一体となって、
特定の事業者等への融資を行っていた事実が、
貸出金額からも裏付けることができるわけである。(p.70)

(中略)

 日本住宅金融の貸し出した上位50社大口比率 54.6%

   日本ハウジングローン 45.5%

(中略)

 住専がこうした個人向け住宅融資機能を軽視したところの、
大口借り手業者を含む事業者向け融資へと傾斜していった結果、
不良資産総額は 9兆5,626億円、
すでに回収不能状態になった損失見込額は
6兆2,738億円へと達したのである。

(中略)

 不良資産額の最悪企業は、日本ハウジングローンの1兆8,532億円、
次いで日本住宅金融の 1兆7,799億円である。

(中略)

 損失見込額の最悪企業は、
日本ハウジングローンの1兆1,903億円、
次で住総の8,796億円となっている。 (p.73)

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