★オールジャパンの旋風に安倍政権がおののくー(植草一秀氏)

7月10日の投開票日が有力視される本年夏の参院選。

通常国会会期末の6月1日に衆議院が解散されると、

憲法に規定のある選挙を行わなければならない期間40日の最終日が7月10日になる。

6月1日に衆議院を解散すると、7月10日に衆参ダブル選が実施されることになる。

こんなことから永田町では選挙のつむじ風が吹き始めている。

3月13日に開催された自民党党大会では、安倍首相からこんな発言が飛び出した。

「選挙のためだったら何でもする。

誰とも組む。

こんな無責任な勢力に私たちはみなさん、負けるわけにはいかないんです。

今年の戦いは、政治に国民に責任を持つ自民党、公明党、連立政権対、

こうした民主党、共産党、民共の勢力との戦いになります。」

選挙のためだったら何でもする。

誰とでも組む。

というのは、てっきり自公のことかと思ったが、どうやら違ったようだ。

「平和と福祉」を掲げる公明党が、

「戦争と弱肉強食」の安倍自民党と組んでいることこそ、

選挙のためだったら何でもする、

誰とでも組む、

と普通の人は思うのではないか。

かなり焦っているようだ。

3月18日には、

オールジャパン平和と共生

https://www.alljapan25.com

が、文京シビック大ホールに1000人の主権者の参加を得て、

「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」

を開催した。

民主党から江田五月最高顧問、篠原孝元農水副大臣、

共産党から山下芳生書記局長、

社会民主党から吉田忠智党首

生活の党と山本太郎となかまたちから小沢一郎代表

が出席し、

総がかり行動の高田健氏、

オールジャパン最高顧問の原中勝征氏

としっかりと手をつないで、

「弱肉強食と戦争」の安倍政権を打倒し、

参院選に勝利し、主権者が日本を取り戻すために、団結してガンバローを唱和した。

今年の戦いは、安倍首相が言うような「自公対民共の戦い」ではなく、

「自公と補完勢力連合対4野党と主権者連合の戦い」

「自公対安倍政治を許さない!オールジャパンの戦い」

なのである。

参院選の勝敗を大きく左右するのが32ある1人区である。

この32の1人区に、

安倍政治を許さない!オールジャパン候補を1人ずつ擁立することができるか。

これが最大の焦点になる。

安倍政治は「戦争と弱肉強食」の方向に突き進む。

これがいいのだという国民もいるだろう。それはそれでいい。

しかし、「戦争と弱肉強食」はダメだと考える主権者は多い。

私はこちらが多数派だと思う。

「安倍政治を許さない!」とは、つまり、「戦争と弱肉強食」=NO!

ということだ。

「戦争と弱肉強食」=NO! 「平和と共生」=YES!

と考える主権者がオールジャパンで連帯する。

戦争と弱肉強食の自公 対 平和と共生のオールジャパン

の戦い。

これが今年の選挙の真髄である。

「民共合作」などと称して誹謗中傷に走るところに、安倍陣営の悲しいほどの焦りが鮮明に映し出されている。

安倍陣営が焦って打ち出した「国共合作」をもじった「民共合作」だが、

この「国共合作」が大日本帝国を打ち破ったというのが歴史の真実である。

安倍陣営は何を血迷ったのか、自らの敗北を宣言してしまったのである。

自公対オールジャパンの戦い。

主権者にとっては、対立図式が分かりやすい方がいい。

自公のどのような路線に対して、

「安倍政治を許さない!オールジャパン」勢力

が形成されているのか。

何よりも重大な問題が山積しているのだ。

原発再稼働を認めるのか認めないのか。

戦争法を認めるのか認めないのか。

TPP参加を認めるのか認めないのか。

辺野古米軍基地建設を認めるのか認めないのか。

格差拡大を推進するのか是正するのか。

さらに、緊急事態条項を認めるのか認めないのか。

消費税再増税を認めるのか認めないのか。

これほど重大な問題が同時並行で進んだことがあるか。

これらにNO!を突き付けているのが、

「安倍政治を許さない!オールジャパン」勢力

なのだ。

野党の一部には、たしかに足並みが乱れている部分がある。

その部分は、基本的に自公と同じ主張をしている部分だ。

したがって、その部分が離脱して自公に吸収されるのが分かりやすいが、

時間が足りないから、細かい部分は脇に置くしかない。

「戦争と弱肉強食」に突き進む自公勢力



「平和と共生」を目指すオールジャパン勢力

この対立図式で選挙の基本構図を描く。

十分に互角の戦いになる。

3月の自民党大会に合わせて、オールジャパン総決起集会を開催できたことに大きな意義がある。

基本政策を軸に、明確な対立の構図を描く。

選ぶのは主権者国民だ。

この野党連合、オールジャパンの動きを推進してきたひとつの大きなエンジンが、

共産党

である。

共産党の躍進、オールジャパン平和と共生の広がりが、安倍政権にとっては、最大の脅威になっている。

だから、反自公から自公に寝返った北海道の新党大地は、

安倍内閣から

「共産党は現在においても破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体である」

との答弁書を質問主意書によって引き出した。

露骨な「反共キャンペーン」が展開されている。

麻生太郎元首相は

「ナチスの手口を学んだら」

と述べたが、そのナチスが最初に力を注いだのが、共産党攻撃だった。

マルティン・ニーメラーの言葉とされる次の詩が事実を赤裸々に物語る。

「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」

まさに、安倍自公政権は、ナチスの手口に学んでいるのだろう。

しかし、どちらが正しいことを主張しているのかは一目瞭然だ。

多数の主権者が、

原発は再稼働するべきでない

戦争法は憲法違反であり廃止するべきだ

TPPは国民に百害あって一利なしであり、日本は参加するべきでない

辺野古米軍基地を造らせるな

格差を是正するべきだ

と考えている。

この主張を唱える政治勢力が連携し、選挙協力することは、

この主張を持つ主権者の意思を尊重することである。

1人しか当選者が出ない選挙区に、同じ主張の候補者が複数立候補することは、

これらの候補者の当選可能性をなくし、主権者の声が国政に反映されることを妨げてしまうことなのだ。

共産党を含む選挙共闘、選挙協力は、いまの安倍政治に歯止めをかけるために必要不可欠なことである。

安倍首相はオールジャパンの共闘体制が構築されれば、

安倍一強体制など直ちに瓦解してしまうことをよく知っているのだろう。

だからこその狼狽、焦りようなのだ。

オールジャパンの連帯で安倍政治を倒す!

それは十分に可能な目標である。

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