『大統領選向け攻防へ FTA問題も争点に 韓国国会』|日本農業新聞5月31日

 韓国の国会は30日、4月の総選挙で当選した議員が就任した。早ければ6月上旬に臨時国会を開く予定で、12月の大統領選挙に向けた与野党の本格的な攻防がスタートする。与党のセヌリ党(旧ハンナラ党)は国民福祉を意識し、大企業に対する規制強化や財閥改革を盛り込んだ経済民主化法案など法案12本を提出する予定。一方、野党の民主統合党は、米国との自由貿易協定(FTA)問題を取り上げようと準備を進める。

 韓国の多くの国民は、経済成長の影で地域格差が拡大してきたことに不満を持っている。特に、政府が大企業に有利な政策を展開したことを強く批判している。このため、与野党とも大統領選挙を視野に、大企業有利を見直す政策を打ち出している。

 民主統合党は米韓FTAによる農業、国民生活への悪影響も重視。同党の国会議員、崔載千氏は「臨時国会が始まれば、早く米韓FTA問題を提起したい」と話す。

 一方、与野党が政策を見直す動きに経済界は神経をとがらせる。経済5団体は30日、国会議員を取り込もうと、国会議員当選祝賀レセプションも開いた。国会議員の任期開始の初日に、政界と経済界が同席するイベントは異例。与野党議員120人の当選者を招き、経済界の代表ら500人と交流した。こうした経済界の働き掛けが、今後の米韓FTAの議論にも影響を及ぼす可能性もある。

Reply · Report Post