『推進、慎重 真っ向対立 TPPの位置付け論戦 民主PT』|日本農業新聞5月31日

 民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT、櫻井充座長)は30日、総会を開き「環太平洋連携協定(TPP)は他の経済連携と異なるのか、選択肢の一つか」を論点に議員間討論を始めた。交渉参加を通じて柔軟なルール作りを主張する推進派議員と、あらかじめ全関税品目が交渉のテーブルに乗る点を理由に「異質だ」と唱える慎重派議員が真っ向から対立する構図となった。

 総会には議員20人超が参加。吉良州司事務局長ら推進派議員は「全ての自由貿易、経済連携は関税、非関税分野を問わず撤廃が基本だ」と、TPPだけが異質ではないと強調。日本がルール作りに積極的に関与することで有利に交渉を進められる利点を掲げた。緒方林太郎氏(衆・福岡)は「高いレベルの経済連携を目指すべきだ。TPPが今後の国際標準となる」と主張した。

 これに対し慎重派議員からは、例外品目が認められないTPPは「国際交渉のルールとしておかしい」との反論が相次いだ。梶原康弘氏(衆・兵庫)は「米国に都合のいいルールを形成し、ルールによる植民地化を進めるようなものだ」と述べ、TPPが他の経済連携と明らかに異なる点を挙げた。首藤信彦氏(衆・神奈川)は一昨年にオバマ米大統領が「(TPPは)今までの自由貿易とは違う新しい次元に入った」と述べていることを引き合いに「既に米国自体が(TPPが)異質だということを認めている」と指摘した。

 福島伸享氏(衆・茨城)は、TPPのように全品目を交渉のテーブルに乗せる経済連携に臨む場合、国内での意見調整が難しい課題を提起。「民主主義国家である日本にとって極めて難しい作業だ」と述べた。

 総会ではこの他、TPP参加に伴う懸念事項について来週から集中的に議論することを確認した。

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