『私が現役だったら…TPP交渉は絶対に不参加 マレーシア元首相 マハティール氏』|日本農業新聞5月28日

・民主議員と懇談で発言 利益もたらさず

 環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加するマレーシアの元首相、マハティール氏が「私が(現役の)首相だったら、絶対に参加しなかった」と語っていたことが分かった。来日中の23日に、民主党議員らとの懇談会に出席。マレーシアがTPP交渉に参加していることについて問われ、こう答えたという。
 
 懇談会には、民主党から鳩山由紀夫元首相ら議員約40人が参加した。
 
 出席者によると、同氏は「経済連携の枠組みは、全ての参加国に利益をもたらすものでなければならない」と進言。マレーシアにとってTPPは、知的財産権や政府調達などの分野で利益にならないとの考えを示した。
 
 同氏は「米国は自国の利益しか考えない国だ」「(TPPで)アジアの国々を分断し、支配しようとする」とも語り、TPPは、米国がアジアで影響力強化を狙う戦略との認識を示した。
 
 マハティール氏は、マレーシアの首相を2003年まで22年間務めた。欧米諸国ではなく、日本の経済成長を見習おうという「ルックイースト政策」を掲げて、アジア諸国との連帯を政策の中心に置いたことで知られる。
 
 懇談会に出席したある議員は「各国で反対の声が高まっていることの証明だ」と指摘。「TPPではなく、TPP反対運動でアジアと連携すべきだ」と語る。

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