tobyfox · @tobyfox
2nd Nov 2018 from TwitLonger
DELTARUNE Chapter 1について、僕の考えをまとめました。プレイしおわった皆さんが疑問に思っていることも、これを読めばおおかた解決すると思います。
これを書いている今は、10月4日です。10月31日(ハロウィーンの日)に、僕が作ったゲームのデモ(最初のチャプター)が、リリースされることになっています。
制作自体は少し前に終わっていて、今はローカライズ作業の完了待ちです。
ゲームがリリースされる前に、皆さんから届きそうな質問を想定して、あらかじめお答えしておこうかな、と思います。
ま、そんな質問する人がいなければ、時間のムダですけども…
事前予測Q&A
1. これって、続編なんですか? え、どういうこと?? 怖いよう…
大丈夫、心配しないで。
あんまり「これって、なんなの?」と不安な気持ちでプレイすると、ちゃんと楽しんでもらえない気がするので、僕としてはそっちのほうが心配です…(笑)
僕から言えるのは、このゲームの世界は『UNDERTALE』の世界ではないということ。
『UNDERTALE』の世界と、あなたが『UNDERTALE』をプレイしたときに導いたエンディングは、最後にプレイしたときのまま、変わることはありません。
みんなが幸せになるエンディングを迎えたなら、みんな幸せなままです。
あの世界とそこに住むキャラクターたちは、ちゃんとあのままですから、心配しなくていいですよ。
別の言い方をすれば、『DELTARUNE』の世界は、『UNDERTALE』とは別の世界ということ。
そこに住むのは、別の人生を歩んできた別のキャラクターたちで、そこで繰り広げられるのは、まったく新しい別の物語です。
そういうゲームをどう呼べばいいのかはわからないですけど…
ひと言で言えば、「『UNDERTALE』をクリアしたあとで、お好みでプレイできるゲーム」、ということです。
2. ストーリーについて、質問があるんですが…
僕も、お答えしたいことがたくさんあります。
だから、このゲームの続きを作らないといけないんです。
できあがるまで、どうかお待ちください。
3. 次のチャプターのリリースはいつですか?
さあ、これは難しい質問です。
僕が『UNDERTALE』のデモ版を作ったのは、「1人でも(アートまわりを少し手伝ってもらえば)ゲームを完成させられる」と、自分自身に証明したかったからでした。
あのデモは2、3か月で完成にこぎ着けられたので、その目的は達成できたと思っています。
一方、『DELTARUNE』のデモ作りには…
…数年かかりました。
続きのチャプターの長さと、僕がこのプロジェクトに費やしてもいいと考えている時間(最長7年)を照らし合わせると、「このゲームを完成させることは可能か」という問いの答えは、NOになってしまうと思います。
今回は、前回と比べて制作難易度が高くなる要素がたくさんあって…
- グラフィックスがかなり複雑になったので、グラフィックスまわりが苦手な僕には、なかなかキツい(白黒の戦闘グラフィックスはラクだったけど…)
- 味方キャラクターが複数になったので、戦闘システムもかなり複雑になった(戦闘システムについては、あとで別途書きます)
- キャラクターが複数になったことで、フィールドや別のセクションも複雑化した
- メインキャラクターが複数いることで、ダイアログ執筆の難易度も上がった。特に、チャプター1で全員をきちんと紹介するのは大変だった
- 続きのチャプターでもちゃんと機能するように、最初の段階で町全体をうまく作り上げる必要があった
さらに、他にもいろいろと問題が…
- やるべきことをなかなか始められない/集中できない/とにかく気が散りやすい
- 遠出する機会が多くなった/ローカライズや移植など、制作以外の責任が増えた
- ゲーム制作に対する自信の喪失/燃え尽き
つまり何が言いたいかというと、このゲームを僕1人(とテミー)だけで完成させるのは、事実上不可能、ということです。
でも、もし開発チームを組むことができたら…ひょっとしたら、可能かもしれません。
というわけで、僕はこれから、開発チーム作りを目指そうと思っています。やっぱり、どうしてもこのゲームを完成させたいですから。とはいえ、僕にはチームをちゃんと指揮した経験もないし、誰を誘えばいいのかもまったくわからないので、うまくいくかどうかはわかりません。
チーム作りもまだ始まっていないので、完成がいつになるかは、見当もつきません。作業効率によっては、999年ぐらいかかるかも…
ちなみに、現時点での僕の考えでは、続きのチャプターは最終章まで完結してから一気にリリースしたいと思っています。それまでどれぐらいかかるかは、正直わからないです。
それから、一度の購入で、全チャプターをプレイできるようにするつもりです。それ以外の販売方法は考えていません。完成前に先行予約を受け付けるのは、個人的に好きじゃないので、やりません。燃え尽きる人を出さないためには、それがベストだと思うので。
価格は未定です。完成版のボリュームや、制作費用にもよりますし…
どのゲーム機でリリースするか、これも、まだまったく考えていません。完成する頃には、PlayStation 14が出てたりするかもしれないので。
そんなわけで、質問の答えをまとめると、「まったくわからない」、ということになります…
4. このゲームデザインが最終版ですか? 今後、いずれかの要素を変更する予定は?
今後、変更を加える可能性はあります。そもそもこれは、デモ版ですからね。開発の進み方次第では、正式リリース前にチャプター1そのものを変更する可能性もあります。
…なんて言ってますが、要は「要修正だな」と思ってる箇所の話に持っていきたいだけなんですけど…
戦闘システム:
戦闘システムについては、少し詳しくお話したほうがいいかと思います。
一度、めちゃくちゃ長い解説を書いてみたんですが、要約すると…
1. 『UNDERTALE』の戦闘システムは、味方キャラが複数いるシステムとは相性がよくないものの、気に入っているので、どうしても本作でも採用したかった
2. 敵と一度も戦いたくないプレイヤーも、「ぼうぎょ」ばかりしなくていいシステムにしたい
そうそう、デモ版のテスターをしてくれた人たちは、TPシステムとアニメーションがよかったと言ってくれました。なので、そこはまあまあ、うまくできたのかな。
ちなみに、敵弾をスレスレで回避すると、敵の攻撃が早めに終わるんですよ。気づきました?(毎回ではないんですけどね…)
その他:
その他の部分は、まあまあよくできたんじゃないかと思います。一部、ちょっと適当になっちゃったところもありますけどね。カギのかけらを集めるところとか。
UIも、修正したほうがよさそうな部分がいくつかあります。
ゲーム制作では、やらなきゃいけない作業が大量にあるので、どこかで線を引かないといけないんですよね。だから手伝ってくれる人が必要なんです(笑)。
あ、ちなみに、チャプター1に新たなコンテンツを追加する予定はないです。
5. マルチエンディングになりますか?
なりません。どんなふうにプレイしても、エンディングは同じです。
(実際、ほとんどのゲームはそうですよね。でも、ここでそう言うと、問題発言してるみたいな気分になるのはなんでだろう…)
戦闘で「こうどう/たたかう」を選択するシステムが、このゲームではことさら「前作の名残」みたいに感じられるのは、そのせいもあるかもしれないです。
あ…また戦闘システムの話になっちゃった…
6. バグっぽいものを見つけたんですけど、直してくれますか?
これが公開されている頃には、バグ報告メールの宛先もWebサイトで公開されているはずです(たぶん)。
それか、Twitterで #deltarunebug をつけてつぶやいてもらったほうがいいかも。
そのほうが、こちらとしてはラクですね! ツイートは無視できるけど、メールはそういうわけにいかないし!
7. 開発チームに入れてもらえますか?
それは、僕からお誘いしますので!!(…シ~ン)
8. 続きの制作の進捗は、今のところどんな感じですか?
0%です!! なーんにもできてません!!
まあ…曲を何曲か書いたし、ストーリーも最後まで書き上がってますけど…
でも、プログラミングも、アートの最終版も、まったくできていないので、0%と考えるのが無難です。
9. Kickstarterで資金を集める予定は?
目覚まし時計アプリもまだ完成してないのに、何を言い出すんですか!
今回は、Kickstarterで出資を募ることは絶対ありません。
10. ゲームが動かない/このゲーム気に入らない/ゲーム機でリリースする予定は?
このゲームは、無料でダウンロードできます。したがって、今、僕のまわりにはフォースフィールドが出現していて、あらゆる苦情やゲーム機への移植リクエストが吸収されて消滅するようになっています!
今後このデモ版をゲーム機に移植する可能性はゼロではありませんが、お約束はできません。
(ゲーム機版の『UNDERTALE』を買ってくださった皆さんに、何かお礼ができたらいいな、とは思っています)
じつを言うと、これを書いている時点ではまだ、Mac版の制作に取りかかってもいないんですよね…
ちゃんとリリースできるのかな…(笑)
11. チャプター1のサントラは売っていますか?
売ってます! ここで→ tobyfoxjp.bandcamp.com
iTunesやAmazonなどでも、なるべく早く販売開始できるように準備中です。
(これを書いている時点では、今何を言ったのか、自分でもさっぱりわからないですけど)
12. 最後にひとこと(そんな質問、実際にもらったことはないですが…)
僕が作ったゲームをプレイしてくれて、ありがとうございます。気に入っていただけたでしょうか。
この3年間、夜中に目が覚めては、眠れなくなる日々が続いていました。このゲームのシーンについて、延々考えはじめてしまって。
細かい部分の大半は、まだはっきりと固まっていないけど、
僕が考えているものを、ぜひ、皆さんにも見てもらいたい。
それが、僕がこのゲームを作る、たったひとつの理由です。
頭の中にあるものをみんなに見せないと、頭がどうにかなってしまいそうで。
(だから、要は全部、自分のためですね…)
じつのところ、始めはこのゲームを作るのがとても不安でした。
僕の次の作品には、みんなすごく期待しているだろうから、何をどうやったって、みんなをがっかりさせてしまうだろうと思ったんです。
『UNDERTALE』をプレイした皆さん。僕は、皆さんをまた「あれと同じ気持ち」にするものを作ることは、できないと思います。
でも、何か別のものを作ることは、できそうです。
何か、シンプルで、でも、ひょっとしたら、皆さんに気に入ってもらえるかもしれない、そんなものです。
ということで、またお会いしましょう… ??年後ぐらいにね。
わすれないで。