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sheltem · @sheltem_at_twit

19th Jul 2018 from TwitLonger

ダム堆砂リサイクルのコスト分析 ( 浚渫コスト >新設コスト )


現在実施されている機械力による堆砂排除の多くは,
陸上建機による掘削である。

これは,ドライワークの方が掘削効率が良いこと,
浚渫のような余水処理が不要であること,
ダム貯水池末端部の骨材利用に適した
粒径の大きな堆砂排除が多いことなどがその主な理由である。(p.91)

ダム新設のコストは,有効貯水容量当たり,
大規模ダムで約3,000円/m3,
中規模ダムで約5,000円/m3であり,
小規模ダムの場合は10,000円/m3を超える場合もある。

また,ダム嵩上げに要するコストは,
有効貯水容量当たり,
2,000~6,000円/m3の範囲である。

・浚渫および処分のコスト =

年間堆砂量(m3) × (掘削費0.3万円/m3 + 運搬費0.4万円/m3 + 処分費0.1万円/m3)

= 7.3千m3 × 0.8万円/m3

= 5,800万円


・ダム新設のコスト

= 基準ダムの現在の平均建設額 × 竣工後100年での堆砂率 /100年
= 145億円/ダム × 11% /100

= 1,600万円

となり,
現状では
浚渫で既存ダムを維持するよりも,
堆砂を放置して
新規ダムを建設した方が有利になる。

しかし,ダム適地は有限であることや
ダム新設の場合には
環境への影響が懸念されること等も含めて考えると
長期的には両者のコストは逆転する可能性があるとしている。

この事例において,
逆に,ダム新設のコストである年間1,600万円が
堆砂リサイクル事業によるメリットであると仮定すると,
流入土砂量当たりでは2,200円/m3となる。

以上を考慮すると,貯水容量の回復メリットは,
低めに評価した場合にも,
2,000円~5,000円/m3の範囲に算定できる。(p.98)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsde1991/13/2/13_2_90/_pdf

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