ハビ、ユーロ優勝後のIN掲載のインタビュー>RT全訳です。進退について、4回転とつなぎの両立についてなど。

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ユーロ連覇のほんの数時間後、フェルナンデスは我々とのインタビューで五輪に向けての準備、そして男子フィギュアの進化における4回転とトランジションのバランスについて語った。

インタビュアー(以下I)
「この試合が終わったらすぐにカナダに帰りたがっているそうですね。何がそんなにあなたを急かしているのですか？」
フェルナンデス(以下F)
「ブライアン！ブライアンがすぐにでも帰したがっているのです。練習を再開しなくては。できる限り残った時間にランスルーや全てを詰め込まなくてはいけません。五輪で100%の状態にしたいのです。シーズン一番の演技をするために、まだあと数週間のトレーニングが残されています。」

I「どんな練習が必要ですか？」
F「プログラムにこれ以上変更はありません。ただ磨きあげてランスルーをもっと。五輪だけど、あまり早くからパニックになってはいけない。
プログラムを難しくするのには、二つの方法があります。一つはジャンプの難度を上げること。もう一つは、僕がしているように、技と技の間に複雑なつなぎを増やすこと。どちらも難しい。どちらもスケーターの努力を必要とします。つなぎを増やすことでジャンプも難しくなる。
一度は4Loを加えることも考えましたが、やめました。意味をなさないから。もっと若ければやっていたかもしれませんが。降りることはできますが、練習はしていません。」

I「でも他のスケーターは3つの新しい4回転を入れてきたりします。それについてどういう風に考えますか？」
F「自分の結果と彼らの結果を見比べると、僕はなかなかうまくやってると思います！クリーンに滑れば、勝てるとわかっている。みんな、沢山のことをやりたいものだけど、時々本来の目標を見失うこともある。
僕が思うに、クワドを加えれば加えるほど、そしてな、身体に負担をかけるほど、疲れも出てくる。そして疲れてくればそれは怪我のリスクになります。若いスケーターの抱える問題点はここです。一度にたくさんの4回転をやることで、身体が慣れて心地よい状態に持っていくのを妨げている。心地よい状態になければ、少なくとも長期的にみれば、プログラムを自信を持って滑ることができなくなります。更に怪我をするかもしれない。そして試合では自信を持ってプログラムを滑ることが必要です。
だから僕は一年で何個も4回転を入れるよりも、一歩一歩進むことが大事だと思っています。ゆづるや僕は、全部をいっぺんに加えてきたわけではありません。僕らはまず3A、4回転を一種類、そして何年か後にまた新しい4回転、という風にやってきた。毎回、僕らはプログラムがバランスが取れたものになり、スケーティングやつなぎがしっかりするまで待ちました。
スケーターの中には、4回転を練習でさえ降りていない選手もいる。それなのになぜ試合で入れようとするのでしょう？
女子を見てください。ミライは3Aを入れたけど、だからといって20人の女子が3Aにすぐに挑戦し始めるわけじゃない。その結果、女子の試合は男子よりもずっと安定しています。以前には4回転も見られました。マオは3A、ミキは4Sを降りていた。そして将来はまた4回転を見る日も来るでしょう。だけどそれはゆっくりとしたものになるはず。」

I「つなぎを加えることで4回転が良くなることもある？それともこれらは独立したものでしょうか。」
F「4回転のもう一つの問題点は、ジャンプの前に長い助走が必要になることです。5つの4回転を飛べば、2分間分のつなぎが無になることになります！そしてプロの最初の2分がジャンプだけなら、TRで10点を取ることは難しくなりますね。」

I「あなたは、TRがPCSの他の項目に劣らない、もしくは越えてくる、数少ないスケーターの一人です。つなぎに重点を置いているのですか？」
F「ステップの練習をたくさんしています。ブライアンやトレイシーはいつも面白いアイデアを出してくれます。ストローキングのレッスン中の動作がそのままつなぎになったりすることもあるので、面白いですよね。こういったことはだいたい夏のプログラム準備中に起きるのですが、一年を通して練習はします。
僕はつなぎが大好き。以前はそうでもなかった。トロントに来た頃、コーチたちがトランジションとはどうあるべきかを教えてくれました。練習すればするほど感触が良くなって来て、他の選手はここまでやらないので、自分が特別な存在になれたように感じました。
一年を通じて、つなぎも含めて振り付けは変化していきます。プログラムを良くしていく過程は、新しい靴を履き慣らすのに似ています。最初は痛いけど、歩けば歩くほどどんどん歩きやすくなってくる。でも簡単にできすぎるようになってもダメ。滑らかにスケーティングをすることと、全てを難しくすることとのバランスを見つけることが大事です。だから難しいなにかを加えるたびに、全てがスムースになるよう調整します。こうして、シーズン最後に一番良いプログラムが出来上がるのです！」

I「キャリアのこの段階において、ステップやトランジションが一番の味方？」
F「歳をとると、ジャンプは難しくなる。僕は白髪も生えて来てる！若い時と同じようにはいきません。体を重く感じるようになるし、敏捷さも落ちてくる。まだ若いけれど、この競技レベルでは違いを感じるのです。
例えばショウマは、一回の練習で20本のランスルーをして、翌日10本やることも可能でしょう。僕らは一本やったら次の日はヘトヘトさ(笑)。でもね、こうしてやっていることが好きなんだ。1日1回のランスルーが。自分のスケジュールも好きだし、練習が楽しい。そしてそれを実際の試合で見せないとね！」

I「今日はいい日になる、ってわかる時ある？」
F「些細なことで1日が全く変わるのは興味深いね。インタビュー一つや、朝、銀行に行ったりすることでさえ1日を全く変えてしまうことがある。だから毎日を心地よく保つことが重要です。
バランスが全てなんです。人生において、練習で、毎日の生活で、そしてもちろんスケートにおいても。トレイシーとブライアンが得意なのはそこなんだ。毎日を変化なく、バランスよく、上下が少なくトラブルなく過ごせるように尽力してくれる。僕らの頭の中にいろんな想いがあることを理解してくれているから、他のことはなるべくシンプルになるようにしてくれているのです。」

I「来年もまた滑る姿が見られますか？」
F「もう一回やって7連覇を狙っちゃう？なにがあるかわかりませんからね！朝起きてすぐに「これを成し遂げたい！」って思うこともあれば、2週間のバケーションであまりにも退屈して早くスケートに戻りたい、って思うこともあります。
真面目な話、五輪の後に一回腰を据えて考えてみます。スケートと同じで、一歩一歩、ですね。シェーファーは何回ユーロのタイトルを取ったんでしたっけ？8回？あと2回です(ニヤリと笑いながら)。プルシェンコは？7回？わからないですね。僕の身体がどれくらい持つかによります。もう一回五輪、とは思わないけれど、あと2回くらいのGPSやユーロ…いいかもね？
(しばし考えた後)常に先を見通しておかなくてはいけません。天井を作ってしまっておくと、すぐにつっかえてしまうし、それはよくないからね！」

終

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