★退位の儀式を国事行為にするスクープ報道した読売新聞-(天木直人氏)

きょう12月18日の読売新聞が一面トップで大きくスクープ報道した。

 それは、政府が天皇陛下の退位に伴う儀式を国事行為にする方向で

検討しているという記事だ。

 この見出しを読んだ時、またもや官邸と宮内庁の対立が表面化したのかと直感した。

 ところが、その記事を読むと、

「簡素な儀式にしたいとの陛下のご意向を踏まえ、

菅官房長官をトップとして年明けに設置する委員会で、儀式の詳細を慎重に検討する」

となっている。

 これを額面通りに読むと、

あたかも天皇のご意向を安倍政権が忠実に実行するためだと読める。

 しかし本当だろうか。

 本当に天皇陛下の意向を安倍政権は尊重するために、

退位儀式を国事行為にするという方針を打ち出したのか。

 読売の記事はこうも書いている。

 「皇室典範は、崩御による皇位継承を前提としており、

退位の儀式に関する規定はない。

このため、宮内庁が中心となって、江戸時代の儀式を踏まえ、

象徴天皇制の下で退位にふさわしい形を探ってきた」と。

 それなら、宮内庁にその手続きを一任すべきではなかったのか。

 読売新聞は憲法4条で天皇陛下は

「国政に関する機能を有しない」とされているから政府が関与すると言わんばかりだ。

 しかし、憲法順守を誰よりも重視されているのが陛下であり、

その意向を優先している宮内庁のはずだ。

 なぜ安倍政権がここまで強く退位の儀式を取り仕切ろうとするのか。

 私はこの読売新聞の記事をどう解釈すべきか、率直に言ってわからない。

 しかし、もしこの記事が、安倍政権と宮内庁のあらたな対立に結びつく記事なら、

もういい加減にしたらどうかと思う。

 さもなければ今度の退位は日本にとって不幸な事になる。

 その責任のすべてを安倍政権は追わなければいけない。

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