★米国の制裁強化に同調することは憲法9条違反であるー(天木直人氏)

北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返すたびに思う事がある。

 国連安保理決議に違反して核・ミサイル実験を強行する北朝鮮を非難することに

異存はない。

 しかし、北朝鮮の核・ミサイルに反対し、北朝鮮を非難する事と、

北朝鮮に対するさらなる制裁強化を行う事との間には、大きな政策の違いがある。

 特に米国が行おうとしている制裁強化は、北朝鮮の経済を締め上げ、

北朝鮮を戦争に追い込む、事実上の戦争宣言のようなものだ。

 憲法9条を持たない主要国がそのような米国に賛成するの彼らの勝手だ。

 憲法9条を無視する安倍首相が「米国に100%同調」すると

繰り返して恥じないのも、当然だ。

 しかし、いやしくも9条を守れと主張する日本の護憲政党なら、

北朝鮮へのこれ以上の制裁強化に賛成できないはずだ。

 その意味では、「対話による平和的解決に取り組むことが

北朝鮮問題を解決する唯一の方策だ」と明言した志位委員長の共産党だけが

本物の9条護憲政党である。

 立憲民主党の長妻昭政調会長は、

「圧力を強め、北朝鮮に対する厳しい制裁を実効あるものとするため

全力を挙げるべきだ」という談話を発表したらしい(11月30日日経)。

 もしこれが立憲民主党の党是であるなら、

立憲民主党は、立憲主義の政党ではあっても、憲法9条護憲の政党ではない。

 自民党と連立を組む公明党は憲法9条護憲の党ではないし、

社民党は、もはや存在しないも同然だ。

 これを要するに、いまの政治の中では、

共産党だけが唯一の、確かな憲法9条護憲政党である。

 共産党がいくら正しい事を言っても、広く国民の間に広がる事はない。

 これでは、安倍首相の憲法9条改憲を防ぐことは出来ない。

 共産党の他に、本気で憲法9条を守れと訴える国民政党が出て来なくては

憲法9条は守れない。

 戦後72年経って、いま憲法9条は最大の試練にさらされている。

 このことは、いくら強調しても強調し過ぎる事はない。

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