★米朝の軍事衝突や金正恩体制の崩壊に備えよと書いた朝日新聞ー(天木直人氏)

きょう11月27日の朝日新聞に、牧野愛博(よしひろ)ソウル支局長の手になる、

「対北朝鮮 手詰まりの日米韓」と題する一大解説記事が掲載されていた。

 その記事は、中国の特使に金正恩が会わなかったことを見て

トランプが即座に北朝鮮をテロ支援国家に再指定した事を受け、

北朝鮮有事の可能性が高まったことを、様々な観点から解説している記事である。

 1993年の北朝鮮の核不拡散条約脱退表明から始まって今日に至るまでの

様々な交渉を否定的に検証した後で、

いまや最後の局面に来ていると言わんばかりに警鐘を鳴らしている。

 私がその記事を読んで驚いたのは、最後が次のように締めくくられていた事だ。

 「・・・日本では米朝の軍事衝突や金正恩体制の崩壊に備え、

現在ある安全保障体制がどこまで意義があるのか、

実体的な議論を進める時期を迎えた」

 これは米国による北朝鮮攻撃があると言っているようなものだ。

 いまの安全保障体制では間に合わないとまで言っている。

 週刊誌や右翼雑誌がこのような事を書くのならまだわかる。

 そして最近の週刊誌や右翼雑誌はそのような記事がやたらに目立つ。

 しかし、天下のリベラル紙を自負する朝日新聞のソウル支局長が、

ここまで書くとは驚きだ。

 それほどまでに危機的状況にあるというのか。

 私は決してそうは思わない。

 今の米国に北朝鮮有事を引き起こす事など出来はしない。

 たとえトランプ大統領であってもだ。

 いや、何があっても、米国に北朝鮮を攻撃させてはいけないのである。

 安倍首相や右翼から批判されるのは名誉と受け止めればいいが、

護憲論者から批判されるようでは、朝日新聞も前途多難である。

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