★北朝鮮外交を放棄した安倍首相ー(天木直人氏)

ブッシュ大統領のイラク攻撃を世界中でまっさきに支持した小泉首相について、

当時の報道は、小泉首相の考えをこう伝えていたことをいまあらためて思い出す。

 どうせ支持するなら、その支持を米国に高く売りつけたほうがいい。

どの国よりもはやく、力強く支持表明した方が効果的だ、と。

 いかにも小泉首相らしい、どんでもない発想だが、

それでも、これもまた対米従属というひとつの外交である。

 小泉首相なりに、無い知恵を振り絞った末の苦渋の結論だったに違いない。

 ところが、今度のトランプ大統領の北朝鮮テロ支援国家再指定について

安倍首相が見せたものは、対米従属外交ですらない。

 トランプ大統領の決定を歓迎するどころか、

はやく再指定してくれとけしかけていたのだ。

 きょう11月22日の読売新聞がぬけぬけと書いている。

 「北朝鮮をテロ支援国家に再指定することは、

日本政府がながらく米国に働きかけて来たものだ」と。

 「外務省幹部は『再指定は安倍外交の成果』だと指摘した」と。

 これを見事に証明してくれたのが、

薗浦健太郎首相補佐官がこのタイミングで訪米し、

クシュナー大統領上級顧問と会談し、

トランプ大統領のテロ支援国家再指定を支持する考えを伝えた、

という読売新聞のワシントン発外電である。

 再指定すればすぐに支持するという安倍首相のメッセージを伝えるために

ワシントンまで出向いていたのだ。

 もはや安倍首相は北朝鮮外交を放棄したも同然だ。

 なぜここまで安倍首相は北朝鮮に強硬な姿勢を取り続けるのか。

 その理由は次のメルマガで書いてみたい。

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