★明治維新の歴史を正しく学び直す重要性ー(天木直人氏)

さきの選挙で私が事務所を構えた日野市は新選組とゆかりのある地だった。

 そのこともあり、私は新選組の事を少し調べてみて、

そのあまりの知識のなさに驚いた。

 新選組の事だけではない。

 新選組が活躍した明治維新の前後の歴史について、

あまりに無知であることを知った。

 そういう事もあり、私はその後、市販されているいくつかの書を読み、

そして一つの興味深い本に出くわした。

 その本は銀行マンを経て近代史研究家となった鈴木荘一という人が書いた

「明治維新の正体」(毎日ワンズ)という本だ。

 いうまでもなく歴史には様々な見方がある。

 説が分かれる。

 この鈴木荘一という人は、世間の評価とは異なり、

尊王攘夷からやがて尊王討幕に向かった幕末ポピュリスたちこそ、

今の日本の政治を悪くした者たちであると私見を述べている。

 鈴木氏によれば、最後の将軍である徳川慶喜こそ水戸学を実践し、

万民平等の思想を実現しようとした傑出した人物であり、

慶喜の味方は新選組である一方で、

西郷隆盛も坂本竜馬もその他の歴史的人物も、幕末ポピュリストとなる。

 戦後GHQは公職追放などを通じて水戸学を抹殺し、

「GHQが戦後民主主義を授けた」と喧伝して、

日本が独自に築き上げた憲政の常道を唾棄したことになる。

 戦後の日本の政党政治が政友会と民政党が交互に政権交代を行ったような

憲政の常道を再現しえないのは、

戦後の日本人が、先人が独力で確立した万民平等の思想と

大正デモクラシーの成果を忘却したことにあるとなる。

 くしくもNHKが坂本竜馬の最後について描いたスペシャル番組を昨晩流した。

 その番組の最後は、坂本竜馬の次のような言葉で終わっていた。

 「詐欺師で何が悪い」

 日本の夜明けについて学ぶことは、今の政治を眺めるうえで有意義である。

 なぜ日本がここまで対米従属になってしまったのか。

 わかるような気がする。

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