★天皇陛下はトランプ大統領に会う必要はなかったー(天木直人氏)

私は10月25日のメルマガ第833号「トランプ大統領を国賓として
迎えられなかった安倍首相」で書いた。
 
今度の米国大統領の来日は、日米同盟の結束を確認するという、

これ以上ない重要なものだ。

 そのような重要な来日が、なぜ国賓でなくて、しかも公賓ですらなく、

実務者訪問賓客になったのか。

 これは、明らかに宮内庁側の官邸に対する抵抗である、と。

 しかし、そう書いた時、まったく気づかなかった事があった。

 いまあらためて気づいた。

 実務者訪問賓客であれば、これまでの慣例では、

天皇陛下の会見は必ずしも行う必要はない。

 そう宮内庁は突っぱねる事も出来たはずだ。

 実務者訪問賓客にして天皇陛下に会わせるというのは、

ひょっとして安倍首相と宮内庁の取引だったのかもしれない。

 そう気づいた。

 つまり宮内庁側としては、せっかく来日する米大統領だから

天皇陛下が会わないわけにはいかない。

 天皇陛下も、会わないという非礼は本意ではなかったのだ。

 そこで、実務者訪問賓客として簡素な表敬の会見にして応じる。

 安倍首相も、天皇陛下との会見を優先して、宮内庁側に譲歩する。

 なにしろ、英国のように女王に会えなくなればトランプ大統領の機嫌を損ねる。

 おまけに国賓ならゴルフをする暇がなくなる。

 むしろ実務者訪問賓客のほうが好都合だ。

 そのかわり天皇陛下の会見さえも利用する。

 あたかも露払いのように安倍・トランプ首脳会談の直前に天皇陛下と

トランプ大統領の会見を設定した。

 普通なら逆だ。

 首脳会談が終わったあとで、天皇陛下が、「安倍首相との首脳会談は

うまく行きましたか?」とトランプ大統領に聞くように接待するのが

天皇陛下に対する配慮だ。

 順序を逆にしたのは、安倍首相がトランプ大統領に、

天皇陛下はどのような話をされたのか、それをトランプ大統領から聞き出すためだ。

 どこまで行っても天皇陛下に非礼な安倍首相である。

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