★核搭載の米爆撃機B2を飛来させようとしていた日本政府ー(天木直人氏)

よくもまあ、次から次へと、安倍政権下の防衛省は、

憲法9条違反の軍事行動を進めようとしていることか。

 きょう10月31日の朝日新聞が小さく報じていた。

 安倍首相の出席の下で29日に行われる予定だった航空観閲式に、

核兵器搭載可能の米軍戦略爆撃機B2が公式に参加する事が

密かに計画されていたことがわかったと。

 この計画は台風22号による荒天候で中止になり結局B2は

日本に飛来しなかったと。

 いうまでもなく、Bというかしら文字のつく米軍爆撃機は、

あの太平洋戦争中に東京を焼け野原にしたB29でわかるように、

これ以上ない攻撃的な爆撃機だ。

 その中でも、B2はB1と並んで米軍爆撃機の中でも最強の爆撃機だ。

 B2は核兵器搭載可能であることから、B1よりも攻撃的だ。

 そのような米軍爆撃機を、

防衛省は自らの観閲式に公式に飛来させようとしていたのだ。

 それに安倍首相は出席して祝福しようとしていたのだ。

 憲法9条違反と批判される事を知っていたからこそ、

計画を密かに進め、サプライズ飛行にして、

気がついたら終わっていたという事にしようとしていたのだ。

 台風のおかげで結果的には飛来は見送られたが、そうでなければ飛来していたのだ。

 そして、その後で、どんなに批判されようと、後の祭りだったのだ。

 このように、一昔前なら政権が吹っ飛ぶような防衛省の軍事演習や

軍事式典の憲法9条違反が、

いまでは当たり前のように繰り返されるようになってしまった。

 メディアも何も言わなくなった。

 そんな中で、日米安保反対と言って見たところで世論は動かない。

 それが今の日本の現実である。

 これ以上日米軍事同盟を進めては日本の将来はない。

 この事を本気で訴える新党憲法9条がいまほどこの国の政治に必要な時はない。

 しかし、いまほど新党憲法9条の実現が困難な時はない。

 その理由は、既存の護憲政党が危機的状況に追い込まれているからだ。

 危機的状況に追い込まれた護憲政党にとって、

新党憲法9条こそ最大の脅威と映るからだ。

 新党憲法9条実現の本当の難しさは、まさしくそこにある。

Reply · Report Post