2012年の労働改革と スペインの苦悩


バブル経済期の経済発展モデルは、
「高い資格が就業の可能性を高める」論理を
無効にしてしまった結果(ビラ・ティエルノ 2014)、
教育訓練を受けていない若者と
高度な能力を持つ若者の両方に対して、
異なる形の雇用促進インセンティブを工夫することが
必須となっている。

ところが、2000年代前半の好景気を牽引した
建設業のような典型的な低生産性部門では、
労働条件を徹底的に劣悪化する以外の方法で
雇用拡大を 達成することが難しい。

2012年の労働改革で示さ れたような諸方策は、
現状では雇用情勢の改善に 役立たないばかりか、
労働者の権利保障を容易に 引き下げる手段を
数多く導入したことによって、
底辺への競争を促進する。

このことを避けるには
スペインの産業構造それ自体の再編成が必要なのであり、
その圧倒的困難に背を向けながら
労働市 場の柔軟化を追い続けてきた中に、
今日のスペインの直面する問題がある。

http://www.rochokyo.gr.jp/articles/1505.pdf

Reply · Report Post