★やはり噴飯物だった国民投票調査の超党派議員団外遊ー(天木直人氏)

私は7月7日のメルマガ第534号と7月12日のメルマガ第548号の

二度にわたって批判的に書いた。

 共産党を含めた超党派の衆院憲法審査会議員団が、

7月11日から10日間も使って、英国、イタリア、スウェーデンの3か国に

外遊するという。

 これは手のいい観光ではないのか。

 改憲に関して正反対の立場である自民党と共産党の議員たちが、

今頃になって仲良く改憲に関する国民投票制度に出かけるなんて、

八百長もいいところだと。

 なぜメディアはそれを指摘しないのかと。

 そんな暇があるくらいなら国会で疑惑追及を続けたらどうかと。

 しかし、誰も反対することなく、予定通り外遊は行われた。

 それから2か月ほどたって、きょう9月15日の東京新聞が一面トップで

大きくスクープ報道した。

 調査団が報告書のもとになる概要メモをまとめたことがわかったと。

 それによれば、EUの離脱を国民投票で決めた英国では、

「国民投票では客観的な情報があまり提供されなかった」(英国ノートン上院議員)、

「国民投票は政権に対する信認投票にならないように留意すべきだ」
(キャメロン前英国首相)という助言があったと。

 いずれも当時報道されていたことばかりだ。

 9条改憲については「理解できない。60年も現行憲法の解釈で

やってきたのだから、そのままのことを認める改正など、

わざわざ行う必要はないのではないか」(英国ベン下院議員)、

「憲法のような基本ルールを定める場合は共通認識を醸成する努力をすべきだ」
(レンツィ伊前首相)、

「多数派に頼って改憲するのは危険。議会で幅広い会派の合意が必要だ」
(ブルネッタ下院議員)という助言があったと。

 日本の改憲について、他国の政治家たちの意見を聞いてどうする。

 それよりもなによりも、なぜ2か月以上もたって、報告書が国会に提出されず、

東京新聞のスクープによる概要メモでしか国民は知らされないのか。

 国会議員も国会議員なら、それを批判することなく、

こんなつまらない概要メモを入手して喜んで一面トップで

スクープ報道した東京新聞も東京新聞だ。

 一日も早く報告書の提出を求め、それを国会で議論するよう求めるべきである。

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