@katsuyatakasu 高須克弥様へ(※リンク先をお読み進めください)


はじめて直接メンションさせていただきます。
翻訳者の勝見貴弘と申します。

長文の連投ツイートでは高須様には煩わしいかと思い,こうして公開メッセージの形をとらせていただきます。ただ,大変な長文となりますので,是非お時間のあるときにゆっくりお読みいただければ幸いです。

木野氏の英訳に端を発する高須様への一連の追及の動きについて,翻訳(改訳)という形でまがりなりにもその端緒に関わってしまった身として,私の知るかぎりのことを説明させていただきたいと思います。

■SWCへの通報ルート

まず,先日の連投リプでお伝えした通り,SWCの8/22付のリリース発行,その前段の8/21のAACS宛て書簡送付については,私を含め,有田議員も,もちろん木野氏もまったく関わっておらず,SWCが独自に,通報者から通報された木野氏のブログの内容,そして独自で入手したと思われる他のツイートの情報をもとに,SWC側で書簡を作成・送付し,これについてリリースを関係者に発送した,というのが,私の理解であります。

これまでのツイートで明かしましたように,SWCへの通報を行ったのは,私や,有田氏,木野氏,そして「しばき隊」等の面々ではなく,「ホロコーストの犠牲者を親戚に持つ子孫の方」であると,私は承知しています。またその子孫の方とDMで知り合い,私を信頼して,その方が通報に対するSWCの回答(8/22付リリース)を転送してくださったのだということも,ここで明かしておきます。

■有田議員と私との関わり

8/21付のAACS宛て書簡については,私は有田議員から入手しました。すでにフォロワ―の方からお知らせいただいている画像にあるとおり,有田氏のFacebookに8/22付リリースの仮訳をコメントとして載せましたところ,有田氏から「重要な文書」があると打診をいただいたのです。そこで初めて有田氏とFBで繋がり,有田氏から「まだ公開の許諾は出ていないので公開はできないが,これが書簡です」という旨のメッセージをいただき,8/21付のAACS宛書簡のPDFを有田氏から入手しました。

有田氏がSWCとどのような繋がりを持っているのかは不明ですが,国会議員に対して優先的にそうした情報を提供するというのは何も不自然なところはありません。議員事務所から正式な要請があればNGOは快く情報共有に応じるでしょう。国会議員事務所とNGOの関係というものは,そういうものです。

私は元国会議員秘書でもあり,また元NGO役員でもあるので,その両方の仕組みを承知しております。

SWCが,8/22にはリリースを各報道機関に「FOR IMMEDIATE RELEASE」として配信し,翌8/23に,イスラエル日刊紙の「エルサレムポスト」が,いの一番にSWCのリリース内容そのままに報じたのは,そのためであったと,私には容易に推察できます。

つまり,秘匿する類の文書ではなかったものを,有田氏はSWCに交渉してある瞬間までは公開不可条件付きで入手したものを,私に共有してくださったのだと,私はそう理解しております。元NGO役員の私には,SWCのようなNGOがどのような手順を踏んでこうしたリリースや書簡を発するかについては,大体把握しているからです。

■有田議員とC.R.A.C.との関わり

「ナチ○」「ナチ○クリニック」と言った煽り・嫌がらせのタグは,木野氏が個人で始めました。そこにC.R.A.C.という組織としての繋がりがあるのかどうかについて,私は木野氏を質したことがあります。木野氏によれば,あくまで個人が始めたことで,仮に訴訟になれば,C.R.A.C.がサポートすることになる,ということでした。

高須様は,フォロワの方など取り巻きの方の情報により,木野氏,C.R.A.C.,有田議員が,すべて一蓮托生のように捉えられ,訴訟まで提起しましたが,そのようなあやふな情報で訴訟を提起なさるのは,それこそ常軌を逸した行動であると思います。

翻訳者として関わっただけの私の観察なので,これは絶対的真実であるとは私には言い切れないのですが,私の知る限りにおいて,有田議員は本件ではRTや,SWCが提供する(SWCから入手した)情報をツイートしたりしただけで,「反高須」キャンペーンのようなものの「黒幕」という存在ではありません。ただ,有田氏の性格で,煽られたら煽りかえす。一度敵対したらその道を通す,ということを頑なに貫かれているだけのではないかと,私は愚考します。

差別主義,ナチス礼賛などに対して従来から強い抵抗感を持っておられる有田議員が,「反高須」を掲げて一人闘おうとするのは,十分に考えられる展開だと思います。そういう意味では,有田議員は「巻き込まれた,でもやる気の有り余った第三者」なのではないかというのが,私の観測するところです。

つまり,有田→C.R.A.C.→木野のようなラインは,実質的に存在しないと思われます。それでも有田氏や木野氏が訴訟を受けて立つと息巻いているのは,本当にそういう事実がないから返り討ちにできる,あるいは訴訟自体を不成立にできるという確信があるからでしょう。

ですから,私はこうして高須様にすべて私の知るかぎりのことをお話ししているのは,彼ら個々人にとって,邪魔なことでしかないかもしれません。しかし私は敢えて,国の尊厳のため,国民の尊厳のために,この馬鹿げた騒ぎを収束させたいと思い,こうしてすべてをお話しさせていただいています。

■私の個人的な思い

私が当初からこの件に関わり,いまも積極的に日本語・英語で発信しているのは,高須様にこれ以上刺激的な発言をなさることを思い留まっていただきたいからです。なぜなら,現在の世界の潮流がひじょうに危険な水域に達しているからです。それは,麻生総理の発言がまたたくまに世界に広がり,その報道の中で高須様の発言やSWCの行動などが報じられていることからもおわかりいただけるかと思います。

私は,高須様を個人的には存じ上げません。ツイッターでも今回のことがあるまでほとんど絡んだことがございませんし,「高須クリニック」の院長というのは,私にとってはまったく手の届かない存在という位置づけでした。

今回,決して望ましい形ではないですがこのようなご縁ができ,私なりに高須様のこれまでの活動や行動について知見を得ました。高須様がフィランソロピストであって,困った人を助けずにいられない方であり,そのためにご自分の財力を生かすことをまったく厭わない方であることは,承知しております。また世界各地でも高須様はそのように思われており,医療法人「高須クリニック」のまさしくブランドとして,世界に認知されている方だと思っております。

そうした「高須クリニック」のブランドイメージと切ってもきれない位置にある高須様が,国内向けだと思ってツイッター・ブログなどで発信している内容は,私などのような翻訳者を介さなくても,即時に世界に伝わります。あらゆるオンライン翻訳サービスがあり,必ずしも私のようなプロの手を通さずとも,全世界の人々が母国語に情報を翻訳し,解釈し,それを再発信できる。そういう時代に,私たちは住んでおります。

「ナチス」「ヒトラー」は,いま世界を席巻しているバズワード,そして「キル」ワードです。扱いを間違えた著名人,知識人,政治家等が世界中で失脚しています。世界がいまもっともセンシティブな話題とすらいえます。それは,アメリカのバージニア州で行われた白人至上主義者の集会で,遂に直接の暴力による死亡する痛ましい事件が起きたからです。

勿論,これはアメリカだけの問題ではなく,おひざ元のドイツを含め,欧州各国の問題でもあります。移民排斥にはじまり,民族主義や国家至上主義が再び台頭しようとしているからです。その中で極右・極左などの極端な政治勢力が力を持ち,これまでの常識・良識を覆そうとしています。

高須様は,歴史修正主義者であり,「ネトウヨ」であることを自認されています。だから,欧米で起きているこうした「歴史修正主義的」な動きは,内心歓迎したいかもしれません。また「T4作戦」は連合国のプロパガンダと信じていらっしゃるからには,枢軸国全体の戦後処理に懐疑的であり,そのことを公然と表明なさることにもまったく躊躇なさらないのかもしれません。

しかし,ここでぐっと,一歩踏みとどまっていただきたいのです。表明したくてしょうがないことを,ぐっと呑みこんでいたきたいのです。

それは,日本のため,日本人のためです。もっといえば,日本の名誉のため,日本人の名誉のためです。そしてもっと狭い世界でいえば,日本の医療のためです。日本の医師界のためです。そして,『高須クリニック』というグローバルな事業のためです,「高須」と名のつくブランドのためです,さらに,ご家族のためです。ご子息たちのためです。そして,愛するパートナー様のためです。

このすべてのあなたの愛するもののために,大局を見て,踏みとどまり,呑みこみ,世界に良識ある姿を示していただきたいのです。

それは,世界はそれほど日本人に寛容ではないからです。メーソンの一員としても,それは感じておられると思います。狭き門を通って受け入れられた時,そのことを痛感されたのではないかと,限られた想像力で愚考いたします。

これ以上世界の注目を浴びるのは,得策ではありません。事業にも差し障りますし,ブランド・イメージにも,ご家族にも,パートナー様にも,決してよい結果をもたらさないでしょう。それくらい,「ナチス」「ヒトラー」は世界の禁忌なのです。

そして,高須様が「ナチ礼賛者」,「ヒトラー信奉者」として世界で報じられることで,私たち日本人の尊厳が損なわれます。あなたの愛する日本という国の尊厳が損なわれます。私がそれらの報道を可視化しているのは,ひとえに,高須様に踏みとどまっていただきたいからです。

高須様をフォローしている28万人の方は,しょせん,この日本全体のインターネット,ツイッター人口(2017年月時点で4000万)の一割にも満ちません。全世界には3.3億人のユーザがいます。高須様の28万のフォロワの方の中には,賢明な方も多くいらっしゃるでしょう。しかし,いま高須様が耳を傾けている方々は,けっして,高須様のためを思って,あやふやで不確かな情報を高須様にフィードし続けているのではないと思います。

真に高須様を慕い,思うのであれば,いま高須様が行っていることに諫言を向けるのが,真の支持者,真の友人でありましょう。

しかし高須様は,ひじょうにあやふやな情報を持って訴訟を提起されてしまいました。そうさせたのは,ただただ面白がって「高須vs.有田」のバトルを観戦したい「不逞な輩」です。そんな「輩」に踊らされてリスクを負うのは本当に馬鹿馬鹿しいです。愚かです。時間と,労力と,お金の無駄です。

本当に,踏みとどまっていただきたいのです。


■高須様にお願いしたいこと

以上のことを踏まえ,高須様にお願いしたいことがあります。それは,日本語でも英文でもよいので,以下のことをポイントにステートメントを発して,これ以上,この騒ぎが世界に広がらないようにすることです。

ステートメントのポイントは次の通りです。

1.ヒトラーやナチを”賛美”していないことを改めて表明する
2. 「ニュルンベルク綱領」および「ヘルシンキ宣言」に対する医師・医学者としての見解の表明
3.ナチの科学・医学の発展と,その発展の過程で行われた人体実験・安楽死等について次を明確にする。
A)医師・学者として肯定し得ること
B)医師・学者として敢然と否定すること

もし,高須様がこれを日本語でされたら,私は喜んでその英訳と国際発信に努めます。

どうか御一考願えませんでしょうか。

以上,徒然と思うままに長文をしたためてしまい,大変非礼なことも申し上げてしまっているかと思いますが,どうか,どうか,この指が真っ赤になるまで数時間この駄文を打ちつづけた私の心に免じて,上記提案について真摯に、ご一考いただければ幸いです。

2017年8月31日

勝見貴弘 拝

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