★安倍首相が直ちに退場するべき三つの理由ー(植草一秀氏)

昨日、8月29日(火)午後2時から、

衆議院第一議員会館で「森友告発プロジェクト」主催

「安倍やめろ! 8・29緊急市民集会」

が開催された。

400名を超す市民が参集し熱気溢れる集会となった。

冒頭、主催者を代表して森友告発プロジェクト共同代表の藤田高景氏が

主催者挨拶をした。

藤田氏は、

「安倍首相が都議選の大惨敗以降下落し続ける「内閣支持率」を少しでも上げようと、

内閣改造という姑息な手段を使って延命工作に必死である。

安倍首相が国民の信頼を失っても、必死に政権にしがみつくのは、

彼の「人生の夢」であり「最大の野望」である「憲法9条・改悪」を、

何としてでも、強行したいという執念があるからであり、

また腹心の友である加計孝太郎氏が経営する加計学園に獣医学部を

認可したいという縁故主義(ネポテイズム)のためである。

しかし、賢明な日本国民は安倍首相が「嘘つき」であり、

本来、国民全体の奉仕者であるべき「中央官僚」までが、安倍首相を守るために、

公然と国民を裏切っている現実に気付き始めた。

だからこそ、多くの国民が、今では安倍政権を一日も早く終わらせたいと

思うようになり、「国家権力犯罪を許すな!安倍やめろ・帰れ!」のコールが

全国に広がり始めている。

今こそ新たな大連携が必要である。」

と訴えた。


オールジャパン平和と共生の顧問にもなっている弁護士の伊藤真氏は、

「安倍首相は「圧力」「圧力」と言うが、

「対話」よりも「圧力」とばかり強調しているために現状が生じているのではないか。

この国を戦争する国にしてはならない。

そのためには何としても安倍政権をつぶさなければならない」

と指摘した。

落語家の古今亭菊千代氏は、北朝鮮にも平和を求めている民衆はいることを

指摘したうえで、

「北朝鮮はあんな国だけれども、本当は平和を求める人がたくさんいるのにと

言われているが、これからは、日本はあんな国だけれども、

日本にも平和を求める人がたくさんいるのにと、

他国の人から言われるようなことになってしまうのではないか。」

と述べた。

その後、ノンフィクション作家で加計疑惑について

取材、執筆活動をしている森功氏から特別講演があった。

さらに、「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏から、

加計学園による50億円を上回る補助金詐取疑惑について、

黒川氏がさまざまな活動を通じて入手した資料をもとに、

疑惑を決定的に裏付ける証拠の数々が提示された。

加計学園の補助金詐取疑惑について、

多数の市民が連帯して刑事告発することにより、

文部科学省の獣医学部設置認可が困難になり、

その結果として安倍政権を退陣に追い込むことが可能になるとの見解が示された。

さらに、第2部でも賛同者からの訴えが行われた。


私は以下の三つの理由で、安倍首相は退場するべきだと訴えた。

第一は、安倍首相が人の道を外していること。

安倍首相夫妻は森友学園の籠池泰典理事長夫妻と蜜月の関係を続けてきた。

安倍首相は国会答弁で、

「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を

聞いております。」

「私の考え方に非常に共鳴している方で、

その方から小学校をつくりたいので安倍晋三小学校にしたいという話がございました」

と述べている。

安倍昭恵氏は森友学園で3回も講演し、新設小学校の名誉校長に就任し、

新設小学校の国有地賃貸、取得問題にも深く関与したと見られている。

ところが森友学園の国有地を財務省が不正に安く払い下げたとの疑惑が生じ、

その責任を問われる可能性が浮上したとたん、手のひらを返して、

すべての責任を籠池氏夫妻に覆いかぶせ、

国家権力を用いて籠池氏夫妻を犯罪者に仕立て上げる動きを示している。

これを「人の道に反する」と言わずして何と言うことができるのか。

仏教に「六道輪廻(りくどうりんね)」という考え方がある。

天の道の下に人間道、人間の道がある。

この下に「畜生道」、「餓鬼道」、「地獄道」が連なる。

畜生道とは「弱肉強食が繰り返され、互いに殺傷しあう世界。

人を蹴落としてでも、自分だけ抜け出そうとする世界。」

まさに、安倍政権が推進している世界は、この「畜生道」の世界である。

さらに、「餓鬼道」は「嫉妬深さ、物惜しみ、欲望の塊の世界。」

その下に「地獄道」がある。

「地獄に堕ちろ」とは言わないが、

このような人の道を外す行動を改めぬなら「地獄に堕ちる」のではないかと

推察することはできる。

安倍昭恵氏は、頻繁に「祈ります」の言葉をメールで送っていたとのことだが、

その真意は、

「獄に繋がれ、犯罪者に仕立て上げられるように 祈ります」

ということだったのではないか。


安倍首相が退場するべき第二の理由は、

安倍首相が一国の首相としての器を備えていないことである。

「息を吐くようにウソをつく」

というのは、器以前の問題であると言える。

普通の人以下ということになる。

大きなことを言うが、いざとなると、正面から立ち向かおうとせず、

ただひたすら逃げる。

8月15日付中日新聞全面インタビューのなかで、

作家のなかにし礼氏は、敗戦後に満州でソ連軍が侵攻してきた際、

「牡丹江からハルビンに逃亡する軍用列車がソ連軍の機銃掃射に襲われたとき、

われ先に逃げたのはふんぞり返っていた少佐らしい軍人だった」

と指摘しているが、これとまったく同じ姿が示されている。


卑屈で卑劣で卑怯でずるいのだ。

安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、

「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、

それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと

申し上げておきたい。」

と繰り返した。

しかし、その後に、森友学園の国有地問題に安倍昭恵氏が深く関係していたとの

客観的状況証拠が明らかになった。

安倍首相は自身の発言に従って、潔く責任を明らかにするべきであるし、

辞任しないというなら、安倍昭恵氏に説明責任を果たさせることが必要だ。

堂々たる行動、問題に真正面から向き合う断固たる姿勢が皆無なのだ。

加計疑惑では加計孝太郎氏の証人喚問が必要不可欠である。

主権者の大半がそう判断している。

しかし、安倍首相は堂々と対応せず、こそこそと逃げ回っているだけなのだ。


第三の理由は、安倍政権の政策運営が「暴走」を続けていることだ。

これが本質的にもっとも国民生活に直結する問題である。

第2次安倍政権が発足してからの5年弱の期間に、安倍政権が推進してきた政策は、

かむろてつ氏が指摘するように、

戦争、弾圧、搾取

の三つである。

集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を強行し、戦争法制を強行制定した。

さらに、憲法そのものを破壊しようとしている。

「改憲」ならぬ「壊憲」である。

これと並行して、特定秘密保護法強行制定、刑事訴訟法改悪、共謀罪強行制定を

実行してきた。

刑事訴訟法改悪+共謀罪創設=新治安維持法

と言ってよい。

弾圧も戦争遂行体制確立の一環であると言ってよい。


そして、経済政策で推進してきたのが弱肉強食の推進、搾取推進である。

「畜生道」とは

「弱肉強食が繰り返され、互いに殺傷しあう世界。

人を蹴落としてでも、自分だけ抜け出そうとする世界」

だと記述した。

アベノミクスとは言い換えれば、まさにこの「畜生道」政策なのだ。

安倍首相は

1.失業率が下がったこと

2.有効求人倍率が上がったこと

3.大企業利益が拡大し株価が上昇したこと

を馬や鹿の一つ覚えのように繰り返すが、

このことは国民生活の浮上とはまったく結びつかない。


国民生活の視点からは、経済成長の実績と、実質賃金の推移が何よりも重要である。

経済成長の実績を見ると、四半期ごとに発表される経済成長率の平均値は、

あのあまりパッとしなかった民主党政権時代が+1.8%であったのに対し、

2012年12月の第2次安倍政権発足以降は+1.5%に低下している。

第2次安倍政権が発足して以降の日本経済は、

あの民主党政権時代よりも悪いのである。

国民生活そのものとも言える実質賃金の推移をみると、

民主党政権時代は実質賃金指数がほぼ横ばいで推移したのに対して、

第2次安倍政権発足後は、なんと5%も減少しているのである。

労働者の生活は大幅に悪化したというのが、偽りのない真実である。


安倍政権は2012年11月から景気回復が続き、

この8月で56ヵ月になったとしている。

これは、1965年から70年にかけての「いざなぎ景気」に並ぶものだとしている。

ここまでくると「狂気」の範疇に入る。

1964年から1970年にかけて、日本のGDPは70%超も拡大した。

これに対して、2012年から2017年のGDP拡大はわずかに約5%。

エベレストと高尾山の比に近い。

5年間登り続けたことだけを比較して、登った高さを比較しない。

これも「詐欺」のひとつだ。

さらに重大なことは、GDP成長率統計、鉱工業生産統計を踏まえれば、

2014年1月以降、日本経済は明確に消費税増税不況に突入している。

生産指数は2014年1月から2016年5月まで2年半も下落し続けた。

つまり、「景気回復が56ヵ月続いている」という話自体が

真っ赤っかのウソ、フェイクなのだ。

したがって、この景気の正式名称は「イカサマ景気」ということになる。

以上の理由により、安倍政権を即刻退場させることが必要不可欠である。

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