【印・越・中】南シナ海に於けるインドの断言的動きが増大する中国との緊張を焚きつける 19 July 2017



 インドの国有エネルギー会社ONGC Videsh Ltd. (OVL)がヴェトナム沖南シナ海で石油探査を続けて北京との対決姿勢を明確にした(表記)。つまみ食い。
《摘要》
1。OVL取締役社長ナレンドラ・K・ヴェルマを引いて、ロイターズが今月初めに報じたところ、ヴェトナムが係争中南シナ海の「128区」で石油探査のための長期賃貸を2年間延長するとインド企業に許可した。同記事が特筆したのは、「その区の一部がU字型『九段線』内にあり、それは同海で中国の主張する広大な区域を刻印する。同海はフィリピン、ブルネイ、マレーシア及び台湾も主張を持つ毎年5兆ドル超の貿易経路でもある」。インドのBusiness Standard紙が特筆したのは、これはOVLが128区探査を許可されてきた5回目の延長ということだ。

2。匿名の上級OVL役員によれば、そこでの石油開発が「ハイリスク」且つ「程々の潜在力しかない」と見られることを所与とすれば、同区の利益は商業的よりも寧ろ「戦略的」だ。同役員が付言して「ヴェトナムも我々がそこにいることを欲する、南シナ海への中国の介入の故だ」。

3。南シナ海に於ける石油探査を実施するヴェトナムとのインドの協定は東南アジア国との発芽する戦略的パートナーシップの一部で、同地域でのニューデリーの地政学的野心を拡張し中国に対抗することを目的とする。2003年、ニューデリーとハノイとが「総合的協力のための枠組み」に係る共同宣言に署名した。4年後、両国は「戦略的パートナーシップ」を形成した。パートナーシップを発表する共同声明はインテリジェンス協力、潜在的な武器売却及び軍事援助を際立たせ、副外相水準での「戦略的対話」を確立した。

4。2014年権力就任以来インド首相ナレンドラ・モヂが中国に対する米国の軍事・戦略的攻勢の背後にもっと決定的に同列して、ニューデリーはハノイとの戦略的紐帯を拡張してきた。ヴェトナム首相グエン・タン・ズンが2014年10月インドを訪問して南シナ海に於ける共同探査のための2つの協定を含む一連の軍事、貿易及び経済の協定に署名した。

5。OVLの南シナ海石油探査特許延長のハノイ最新の申し出はヴェトナムの副首相兼外相Pham Binh Minhがインドを訪問した7月3−6日の間に発せられた。一方そこで、彼はインド外相スシュマ・スワラジと拡張的な議論を持った。彼らの会談に関するインド政府の報道発表はワシントン指揮の事件に関するヘイグの国際裁判所の昨年の判決に言及し、南シナ海の多くへの中国の「歴史的主張」を却下した。また報道発表は「航行及び上空飛行の自由と妨げられない商業」へのニューデリーの支持を「繰り返した」。それは米国が北京に南シナ海での「攻撃者」の烙印を押し地域への広大な軍事力派遣を正当化するのに使っている口実だ。

6。2015年1月モヂと米大統領オバマが「アジア太平洋及びインド洋地域のための共同ヴィジョン声明」を発して以来、ニュー・デリーは南シナ海に関するワシントンの挑発的な反中の行(くだり)を定期的におうむ返ししてきた。

7。ヴェトナム副首相とのスワラジ会談に係るインド外務省声明のほんの数日前、モヂと現米大統領ドナルド・トランプがワシントンで会い、印米軍事戦略的パートナーシップを一層拡張する誓約をなした。

8。南シナ海に於けるインドの断言的行動が起こるのは、遠隔地ヒマラヤのドクラム或いは洞朗高原、中国とブータン双方が主張する土地を巡る北京とニューデリー間で進行中の軍事的対立のさ中だ。支印国境紛争は2核保有国間で最も深刻と記述されている。両国が1962年に1ヶ月長の国境戦争を戦ったからだ。

9。インドがこれ迄よりももっと公然と米陣営へと動いているのを知って、北京はインドの増大する断言性と米後援の挑発への回答として益々強硬な姿勢を採用している。国営中国日報の意見記事、7月10日に発行された題して「インドの動きが厳格な不寝番を要求する」がインドの政策を増大するワシントンとの紐帯に結びつけた。モヂの最新の米国訪問に言及して、インド首相が「ニューデリーはワシントンの重要な防衛パートナーであり…中国の興隆への対抗力として仕えられるという考えを何とか売りつけた」と特筆した。

10。同版の社説がマラバール海軍演習を「この種のものでこれ迄の最大」と記述した。そして「米国が先週3.65億ドルの軍事輸送機のインドへの売却それに(海軍)偵察用ドローンの20億ドルの取引を承認した」と指摘した。同社説が言い立てた。「貿易及び石油輸入にとってのインド洋の重要性を所与とすれば、『安全保障懸念』を感じる筈なのは中国だ」。(止め)
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 日本が越比、豪州、インドと軍事協力関係を築いて中国に対抗しているのはよく知られているが、憲法上の制約から軍事力としては表立って行動できない、あくまで米軍の背後に回るしかない半人前国家でしかないのは認知されている。それだけに日本を軍事的な後ろ盾にできない諸国の不満・不安は強い。口先だけはこれら不満・不安を宥める強気の発言を米国がしても、トランプのアジア政策は依然不明で従来路線(オバマ1.5)の延長のように見えているのにすぎない。トリックスター性で一旦は中国を驚かしたが、大したことはしないと見切っているかのようで、東・南シナ海での傍若無人ぶりに変化はない。

 米中経済対話は案の定分裂、平行線に終わり、蜜月の終わりと日経新聞が書いた。問題は初っ端に戻った、結局対中戦争実施をトランプがどれだけ覚悟するか次第なのだ。

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