【泰】歴史的非物質主義 prachatai 15/05/2017



 タイ人の生活ぶりを見ていると一方で日々の僧侶へのタンブン(食事供養ほか)があるものの、ゴールド嗜好、物質的富への執着、虚栄の強さが同時に目について、<a href="http://prachatai.com/english/node/7143" target="_blank">表記</a>が俄かに信じがたい。建前/逆説的表題なのだろう。
《骨子》
1。まるで我らが非選挙の首相が既に民主主義への十分な信を極小なりとも持たないかのように、ニティウィット・チョティパッファイソンが進み出て自身をチュラロンコン大学学生評議会議長に選出させた。

2。チュラ、エリート主義、画一性及び100年のピンク色の特権の要塞。制服への陳情に署名する制服を学生が着る場所、新卒者がヒトラー壁画の前でナチ喝采をする場所(勿論、笑のためだけ)。すべての場所の中でチュラが自由思想、反権威主義、反軍人の因襲打破を唱える人だ。

3。チャクリ王朝第五番目の国王に因んで命名され、その命日は各10月23日公休として祝賀される。チュラロンコン大学はその日を今では銘板のない王立広場に学生を駆り出し国王像の前に伏させてその日を記念する(「伏す」とは素敵な言葉だ、勿論。「叩頭」といったものの代替。「腹這う」或いは「不必要な清掃費を負担する」はこの文脈に不適切だ)。

4。生憎、ピカ一合理主義者のニティウィットが指摘するように、その同じ国王チュラロンコンが1873年腹這いを廃止した、明らかにタイ社会のより大いなる平等を促すためだ。そして誰一人この命令を反転させる公式表明を発見することができずに来た。尤も首相プラユットから降って殆ど誰もが故国王の言葉を軽率に無視するのだが。

5。将軍プラユットはニティウィットが腹這いのようなタイ社会の「良い伝統」を破壊する意図のようなので立腹だ。これらは国民の「魅力」だと彼は言う。ニティウィットの振る舞いは「不名誉」であり、国の「良い歴史」を保存するような為すべきことの反対物だ。(タイ史の中で非常によく詠われる、タイ「人種」がモンゴリアのアルタイ山脈に淵源を持つ[教育省により数十年前に放棄された愛国的欺瞞]と依然信じる男からの此れ、その男はさもなければ愛国的欺瞞に極めて偏愛するようだ)。

6。だが一度だけ首相より単純な精神たることを許してほしい、それにしても「良い歴史」とは?歴史は単に歴史でないのか。

7。我が学校歴史教科書はブリテンが世界に対して成した素晴らしいことで満載だった。仮如あのう仮如、ああそうだ、1066年のヘイスチングスの戦い以来侵略されていないこと、そしてそれだけだ。それから、あのう、英語の発明とシェイクスピア、それにその文学の中身全部、うんで(小)帝国、失礼、(大)帝国を持ってフランス人を打ち負かした。繰り返し繰り返し。それにドイツ人もだ。

8。それが英国史だ。だが同じく収容所キャンプを発明(ボーア戦争1900−02年)し、村々に有毒ガスを投下し(チャーチルの命、1919年北部ロシア、ボルシェヴィキに対する戦争で)そして(マウマウ反乱、1950年代)の囚人拘束用ペンチの使用だ。

9。明瞭に首相は国の教育システムに真贋合わせ併しいつも「魅力的な」サクランボ摘みの伝統の歴史を教えるよう期待する。こうして、タイ人が国を誇りにできる。歴史の大部分を知らないままその伝統を熟知する。そして彼らはニティウィットのように不名誉にならないだろう、彼は国王ラーマ五世の現実に言ったことを知るほど十分ひねくれているのだ。

10。チュラロンコン王の乗馬彫像は、絶対君主制の終わりを記念した飾り板が見えなくなるところから一歩離れている。飾り板は首相プラユットが「良い」とは考えない伝統を代表する、一方それが見えないことは、治安勢力の「態度調整」注意を惹きつける恐れから、興味を持つべきでない何かだ。

11。ニティウィットの選挙が首相からだけでない反応を呼び起こした。オートバイに乗った2人の口汚い個人がチュラの政治学部に出現して彼を睥睨した。人はそれが祝辞提供でないと疑う。これが首相の保存したいと見るタイ歴史のもう一つの伝統か。

12。そして我々が「魅力的な伝統」にいる間、ポム・マハカンより他は見ない。折り紙付きの「伝統的な」そしてかつては本当に歴史的な名家がある。そして路上食(直ぐに追い回され偽物の清潔化された観光地点になる)のように、多くの観光客がポム・マハカン村をバンコクの「伝統的魅力」の一つとして見る。だが将軍プラユットは明らかに「魅力的」であるもの、「伝統的」であるもの、「歴史」を構成すものでさえに違った定義を持つ。

13。「過去を統制する者が未来を統制する。現在を統制する者が過去を統制する」。私はそれがタイの学校で教えられているか訝る。(止め)
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 中国の「正史」は易姓革命で天下盗りした王朝が自己正当化の物語として紡いだものだ。如何に前政権が堕落して「天命」が終わったか、現王朝に使命が降って政権を担うことになったか。当然、チェリーピッキングして自己に都合の悪い史実は抹殺する。軍政がやりたいのも同じことだ。軍隊及びその支持勢力、支配エリートに都合のいいものだ。🔚

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