第30回アセアン・サミット:南シナ海に関するアセアンの再評価 AMTI  JUNE 2, 2017



 <a href="https://amti.csis.org/reassessing-asean-summit-utility/" target="_blank">表記</a>のつまみ食い。
《摘要》
1。4月29日マニラで開催された第30回アセアン・サミットの結果は幾分失望だったー驚かないけれども。議長声明は南シナ海に於ける干拓と軍事化という進行中の懸念と対処するのに近づかなかった。そして事実、それを述べさえしなかった(ラオスやマレーシアでの最近の声明と対象的だ)。また同声明は少しばかり国際法の重要性を変えた。同文書はまさに国連国際法条約(UNCLOS)を述べたけれども、それが提起したのは希釈された一般文脈の中であって南シナ海の章にではない。従来の文書が「国際法に合致した」南シナ海紛争の平和的解決を強調したのに対して、今年の声明は「普遍的に認知された国際法の原則」とのみ引用し、2016年南シナ海仲裁裁判所勝訴の衝撃を脇に除けた。

2。今や明瞭だ、アセアンが南シナ海での挑発的な行動に対する統一した政治前線を育成するのに失敗したのだ、しかもアセアン議長声明が中国挑発を避けるために初期年々の懸念を取り下げた。その時問題はーアセアンの弱さが中国のより良き収容への移行を強いたのかだ。アセアンは、人道援助/災害救助や進行中の北朝鮮危機といった他の分野へ大きく歩むためにこんがらかった南シナ海問題から後退しなければならないのか。

3。答えは「否」だ。アセアンは南シナ海紛争で演じるべき役割をまさに持つ。アセアンが国際社会の意識を南シナ海に運んできた。そして報道発表、議長声明それに共同宣言を発行することで国際的認識を形成してきた。しかしながら、これら努力は南シナ海問題に対処できる見掛け上唯一の多国間地域枠組みと配役する二次的効果しか持ってこなかった、だがそれは真実でない。だから、南シナ海に於けるアセアンの有用性をもっと均衡のとれたやり方で評価し、南シナ海に関するアセアンの制度的制約を認識するのが重要だ。

4。第一、地域的機構たるアセアンは特定問題対処のため設計されていない。アセアンは、東アジアに於ける東南アジアの政治的限界化と外部役者からの過剰な介入を防ぐという最終目的で加盟諸国のより広い国益を合算する機構だ。これを超えて、各加盟国は自身の利益と政治的立場を持つ。ヴェトナム、ラオス、ミャンマー、それにカンボジアが1990年代アセアンに加盟後もっと鋭くなった違いだ。南シナ海問題を含め伝統的な安全保障問題にこの集団的な行動がつきまとうことが認識されるべきだ、そして有りそうにないけれども、2012年カンボジアでのアセアンの共同声明採択失敗のような事故が再び起こるかもしれないのは全くあり得る。

5。第二、アセアンは南シナ海に関してどんな具体的公式声明のための統一戦線を提供しそうにない。アセアンが顕示的に2016年南シナ海仲裁勝訴を議論するのは、不可能でないにせよ、極度に困難だ。この点は2016年7月12日の勝訴発表前後に共同声明或いは宣言発行にアセアンが繰り返し失敗したことに明らかだ。

6。第三、議長声明は南シナ海でのアセアン団結の指標でない。共同声明と違って、議長声明は共通合意文書でなく、アセアンの政治的立場全体を代表することを意味しない。議長声明だけでアセアン政治姿勢や外部大国収容への移行の判定を行使する価値はない。声明の調子はどの国が現在議長か次第で時折変えられるし正に変わる、そしてその首尾一貫性は想定されない筈だ。人は共通合意に達しないアセアンの無能を公平に叫びたてることができるが、組織全体で語れば中国収容は全く別ごとだ。

7。第四、人はアセアン加盟国の国内政治の重要性を却下できない。アセアン公式声明はアセアン加盟国内部の政治的変化により大いに影響を受け得る、共通合意意思決定手続きの故だ。筆頭の最近事例は親ワシントンの大統領ベニグノ・アキノから親北京の大統領ロドリゴ・ドゥテルテへのフィリピン内の移行だ、そして続くフィリピン外交政策、特に南シナ海に関する衝撃だ。ドゥテルテは現状維持(status quo ante)よりも寧ろ現状(status quo)を維持する努力をしつつ中国との経済協力を優先してきた。この政治姿勢がアセアン最近の声明に反映されてきた、特に今年フィリピンがアセアン議長国になってからだ。

9。南シナ海での進展を評価するに只管議長声明の解析された言語に頼るよりは寧ろ、二つの非アセアン指標が考慮されるべきだ。最初にして最大の指標は主張諸国のどこであれ紛争地域で軍事化或いは干拓を追求するかどうかだ。現状維持を達成するのは困難だが措定された仲裁裁判所勝訴の発せられた2016年7月現在の現状は受容可能な参照点として仕えられる。第二指標はフィリピンが明確に領土問題を解決せずに他の政治的及び経済的利益のために2016年仲裁勝訴を犠牲にするかどうかだ。裁判所勝訴はフィリピンが南シナ海に於ける現状維持解決を正統に目的とするのに合法的手段を提供する。この手段喪失は国際法に打撃を与え、他の主張諸国が既成事実戦略の追求をするのを力づけるだろう。

10。これら三つの指標ーアセアン協力枠組みの発展、軍事化及び干拓の地位、それに仲裁勝訴に関するマニラの方向性ーが状況への有益なバロメーターとして仕える。この意味で、アセアンの次の里程標は7月末、行動規範の概要が完成すると措定される時だ。同時にアセアンは南シナ海に於ける唯一の役者でない。米国、日本及びオーストラリアといった外部諸国には非常に演ずべき役割がある。併しこれら三条件が相対的に安定にとどまる条件下、外部諸国の役割は南シナ海での抑止能力や結果管理を高める沿岸警備や軍事能力構築努力に集中すべきだ。(止め)

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