(孫崎享氏)★新聞に何が求められているか。
朝日新聞報道(WEB版)「NYタイムズ電子版、四半期最大の伸び 政権批判に支持」。逆に朝日新聞自体は政権擁護新聞の色彩を強めている。この戦略が正しいのか。

A:事実関係

米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は3日、

電子版の有料購読者数が今年1月からの3カ月間で30万8千件増え、

191万件に達したと明らかにした。

2011年に電子版を有料化してから四半期では最大の伸び。

前年の3月末と比べると1年間で75万5千件、65%の増加となった。

 NYTは今年1月に発足したトランプ米政権を厳しく批判。

トランプ氏は「落ち目のNYT」などと名指しで攻撃を繰り返しているが、

むしろ新規読者の獲得につながっている。

 電話会見したマーク・トンプソン最高経営責任者(CEO)は

「真剣で深いジャーナリズムへの渇望が米国内外で膨らんでおり、

紙媒体だけでなくデジタルにもお金を払おうという人が増えている」と語った。

B:評価

 現安倍政権はマスコミに多大な圧力をかけてきている。

 それは、「国境なき記者団」が報道の自由度で、日本を72番目にすることにも

表れている。

 安倍政権は露骨なアメとムチを使う。

 アメに関しては、これも朝日新聞がつぎのように報じた。

「今回の憲法改正方針表明に向け、首相は事前にメディアに対策。

4月24日読売の渡辺恒雄と食事。2日後に今村復興相更迭直後、

同紙のインタビュー。

読売は5月3日付朝刊で、首相のインタビューを1面トップで掲載、

”憲法改正20年施行目標 9条に自衛隊明記」

 すりよるメディアには特ダネを提供する。

 昔からある手口である。

 逆に反対する新聞には広告を出さないように締め上げる。

これも昔からある手口である。

 しかし、政権べったりの報道では確実に読者は離れる。

 紙媒体からの離散が進行する中で、政権べったりの報道ぶりは

一段とその傾向を増す。

 NYTの動向見ながら、朝日新聞は自社の在り様を真剣に考慮すべき時期だ。

 紙媒体から離れたらもう戻ってこない。

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