(孫崎享氏)★麻生氏は何故、トランプ政権反対とされるTPPを推進するのか。
米国ホワイト・ハウス内権力闘争で「グローバル派」が勝利しつつある。
11カ国で合意すれば後から来た米国はそれに乗っかればいい。
麻生氏の動きは「グローバル派」の指示と推定される

A:事実関係
  20日朝日「TPP、米国抜き発効めざし協議へ 麻生氏が見通し示す」

 麻生太郎副総理兼財務相は19日(日本時間20日)、

米国が離脱を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)について、

米国抜きの11カ国で発効をめざす協議が進むとの見通しを示した。

日本は米国にTPP復帰を促してきたが、当面は難しいと判断し、

方針の修正を迫られた形だ。

 麻生氏は米ニューヨークのコロンビア大で講演。

米国との貿易関係について聴衆からの質問に答え、

「11カ国でTPPをやろうという話は、

5月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で出る」と語った。

 二国間の貿易交渉を重視するトランプ政権のもと、

TPPは発効のめどがたたなくなっている。

18日にあった日米経済対話の初会合で、

ペンス米副大統領は「(TPPは)過去のものだ」と発言。

発効が見通せない中、日本は11カ国で進める方向に修正。

5月初旬にカナダである11カ国会合で各国に働きかけ、

同月下旬のAPEC貿易相会合にあわせて開かれるTPP閣僚会合での一致をめざす。

B:評価

・トランプ政権発足直後、トランプ大統領はTPP離脱を宣言した。

・米国離脱であればTPPは意味がない。

・この意味ないことを麻生大臣は何故行うのか。

・その理解には、現在のホワイトハウスの中の権力闘争と深く関係がある。

・TPPの離脱、反グローバリズムを推進してきたのが、バノンである。
 大統領選の選挙参謀でトランプ政権発足時、ハワイト・ハウス内で絶大な力を
 持っていた。

・そして今、トランプの娘イヴァンカの婿、クシュナーと経済顧問コーン
(R Gary Cohn )対バノンの戦いが起こり、クシュナーが勝利しつつある。

・従って、トランプ政策は「グローバル派」に回帰する可能性が強い。

・麻生氏の一見おかしそうな動きも、「グローバル派」の指示と推定される。

・麻生氏は最近極めて上機嫌である。
 自分のバックに「グローバル派」がいるという意識であろう。

Reply · Report Post