★安保を強調すればするほど経済でむしり取られる安倍首相の愚ー(天木直人氏)

安倍首相はつくづく愚かな首相だと思う。

 4月14日の毎日新聞にこのような記事があった。

 すなわち安倍首相は13日、ペンス副大統領の訪日の際に開催される

日米経済対話の初会合に向けて経済関係会議を首相官邸で開いたと。

 そこでは、日米同盟強化が強調され、その方向で共同声明の発表を行うことを

目指す事が合意されたと。

 そして、その通りになった。

 おりからシリア攻撃の後を受けてペンス副大統領との会談では北朝鮮への

軍事的圧力が主要議題となった。

 あたかも米国の対日経済圧力が回避されたと言わんばかりだ。

 しかし、逆だ。

 日本が米国との同盟関係の重要性を強調すればするほど、

米国はだから経済で譲歩と言い出し、日本はその要求を拒否する事が難しくなる。

 かつて日米経済摩擦が厳しかった1980年代にあって、

米国の理不尽な対日経済圧力に、最後は、米国に守ってもらっているのだから、

どんな理不尽な要求も、最後は譲歩するしかない、と皆があきらめた。

 当時はまだ冷戦体制にあり、日米同盟体制の必要性が当然視されていた時だ。

 つまり安保のためには経済圧力を受け入れるのは仕方がなかったのだ。

 ところが、いま安倍首相は、率先して米国との軍事協力を進めようとしている。

 冷戦が終わって久しいのに、今度は中国包囲網や北朝鮮の有事に備えて

米国との軍事協力は必要だと日本から言い出している。

 これでは米国はますます理不尽な経済要求をしてくる。

 そして日本はそれを拒否できなくなる。

 今度のペンス副大統領の訪日時に米国の経済圧力が思ったほど強くなかったのは、

北朝鮮危機が主要テーマとして急浮上したからだ。

 そして、なによりもトランプ体制がまだ整っていないかったからだ。

 ペンス副大統領に安倍首相の方からわざわざ日米安保が重要だと強調した。

 これでは経済要求はいくらでもしてくださいと言っているようなものだ。

 ただでさえトランプは日本は防衛ただ乗りだ、負担を増やせと言っている。

 おまけに中国と違って日本は北朝鮮には何の影響力もない。

 トランプは中国には譲歩しても、日本に対しては対日経済要求を強めてくるだろう。

 日米同盟の重要性を強調する安倍首相はそれを拒否する事は出来ない。

 どこまで行っても安倍首相は愚かである。

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