★「唯一の被爆国」という地位をみずから捨てた愚かな日本ー(天木直人氏)

とうとう日本は核兵器禁止条約の制定交渉会議に参加しなかった。

 政府は昨年10月、核兵器禁止条約の制定交渉開始を求める国連決議に

反対投票した。

 しかし、その時には、岸田外相は来年3月から始まる交渉には

積極的に参加する考えを示していたはずだ。

 私も、決議には反対したが、最終的には交渉会議には参加すると思っていた。

 それなのに、一転して欠席した。

 その理由をきのう3月29日の毎日新聞社説が書いている。

 米国が日本に交渉に参加しないように働きかけたと言われていると。

 これが事実なら対米従属ここに極まれりだ。

 日本の平和外交の強力なカードをまたひとつ自らの手で葬り去ったということだ。

 この誤りは、いくら批判しても批判し過ぎることはない。

 もはや日本は核兵器廃絶をいくら叫んでも、世界から相手にされないだろう。

 おりからローマ法王庁は28日にメッセージを発し、

「我々は核抑止力を乗越える必要がある」と世界に呼びかけた。

 本来なら唯一の被爆国である日本がそのメッセージを世界に発信すべきところを、

その役割をローマ法王が、今度の核兵器禁止条約制定交渉会議を境にして、

取って代わったというわけだ。

 残念でならない。

 腹立たしい限りだ。

 これ以上の外交失態はない。

 安倍首相とそれに追随するしかない岸田外相の責任はあまりにも大きい。

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