★トランプの外圧で在日米軍を撤退させようと動いた橋下徹の愚ー(天木直人氏)

きょう3月29日の産経新聞は、

ワシントン発加納宏幸記者の手になる要旨次のような記事を書いた。

 すなわち日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長が27日、

米首都ワシントンのシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、

トランプ大統領に、在日米軍撤退などを含め、

日本国民が自国防衛の意識をもっと持つように、強力な外圧をかけてもらいたいと、

要請したと。

 この産経の記事は、わずか数行の小さな一段記事だ。

 しかし、極めて重要な記事である。

 ひとつは、橋下徹がワシントンに飛んで戦略国際問題研究所で講演をしていた

という事実だ。

 政治を離れた振りをしながら、積極的に政治活動をしている。

 しかも、この国の安全保障政策に直結する一番重要な政治活動をしている。

 注目すべきは、日本の政治や政治家を相手にするのではなく、

直接米国に働きかけ、米国の外圧によって在日米軍の撤退を実現しようとしている

ところだ。

 米国に直接働きかけて在日米軍を撤退させるというのは正しい。

 これこそが、私がいつも言っていることだ。

 沖縄の翁長知事も、まさしく辺野古移設を阻止するためには、

もはや安倍・菅政権を相手にすることなく直接に米国に働きかけ、

米国の外圧で辺野古移設を阻止すべきだ。

 そう私は言い続けて来た。

 その限りでは橋下徹のやろうとしている事は正しい。

 しかし、その動機を知れば、橋下徹の行っている事が、

いかに国賊ものであるかがわかる。

 橋下徹は日本国民が平和ボケしていると言っているのだ。

 だから自衛隊を認めず、

自衛隊を軍隊に格上げすることに反対するような日本国民の意識を

変えなければいけないと思っている。

 それを自分が言い出せば反発される。

 だから、トランプ大統領の口から言わせればいいと考えたのだ。

 トランプ大統領が在日米軍を撤退すると言えば、

さすがの日本国民も、もはや日本は日本で守らなくてはいけないと気づくだろう。

 そうすれば、平和ボケした日本国民も、

憲法9条を変えて軍隊を持つことの重要性と必要性に気づくだろう。

 これが橋下徹が考えた浅知恵だ。

 橋下徹は、講演の中で、日米同盟の信頼性を高めるために自主防衛力の強化が

必要だと語ったという。

 これほど愚かな考えはない。

 日米同盟を堅持しながら自主防衛力を高めるという考えは二律背反だ。

 米国が日本の自主防衛力の強化を許すはずがない。

 日米同盟を維持しながら自衛隊の防衛力を高めることは、

とりもなおさず日本の自衛隊をますます米軍の下請けにするということだ。

 日本は永久に対米従属から逃れられない。

 橋下徹は政治に未練など持たずに、いさぎよくお笑いタレントにもどって、

お笑いタレント業に専念したほうがいい。

 国民の為にも、自分の為にも、それが一番だ。

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