【重要記事】★ますます燃え広がる「アベ友事案」の黒い炎ー(植草一秀氏)

週明けの参議院予算委員会では、アベ友事案に関する参考人招致が焦点になる。

「アベ友事案」の真相究明を求める野党は、自公の与党勢力が参考人招致に応じなければ、

審議拒絶などの強硬な姿勢を示すべきだ。

3月5日のNHK日曜討論で、

維新の片山虎之助議員が参考人招致を強く求めた。

政権べったりの維新ではあるが、この問題に関しては正論を述べた。

安倍政権は

「法令違反でないので参考人招致には慎重に対応する」

との姿勢を示しているが、安倍政権が主張しているのは、

国有地払い下げの形式的な手続きが、法令の従っている

ことを示しているに過ぎない。

手続きが法令上の手続きに従っていても、

「国有地が適正な対価で譲渡されていない」

との事実がほぼ明確になっているのであり、

これは、財政法第9条に反する

「違法行為」

である。

国有地の違法な格安譲渡の疑いが強い事案であり、関係者を参考人招致することは当然のことである。


野党の参考人招致要請に対して、自公の連立与党がこれを拒絶するなら、

野党はすべての案件についての審議を拒絶するべきである。

主権者は野党の強硬な姿勢を支持すると思われる。

国有財産が適正な対価で譲渡されていない疑いが濃い事案

であり、この問題の真相を明らかにすることを、主権者国民が強く求めている。

鴻池祥肇議員は直接現金を受領していないかも知れないが、

国と折衝した秘書が森友学園側から金品を受領していなかったのかどうかについても確認する必要がある。

問題の本質は国有地が不当に安く払い下げられたのではないかという疑惑であり、

「手続きが法令に沿っていた」

かどうかではなく、

「国有地が適正な対価で譲渡されていた」

かどうかが焦点である。

地下埋設物の撤去費用を8億2000万円と算定して、

鑑定評価額9億5600万円の国有地を1億3400万円で払い下げたことが、

「国有地の適正な対価での譲渡」

に反していたのではないか、というのが問題の核心なのである。

また、国が森友学園に支払った、土壌汚染対策および埋設物撤去費用1億3176万円の取扱いも

適正であったのかどうか、検証が必要である。


「反戦な家づくり」さまがブログ記事に掲載された航空写真が極めて重要である。

【安倍晋三記念小学校】やっぱり大量のゴミはなさそうだ
航空写真で検証

http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1595.html

国土地理院が公開している「土地条件図」のなかで「航空写真」が時系列で公開されており、

この航空写真を時系列で検証することにより、当該土地の実情を確認できるということだ。

ここに掲載された写真のうち、1945~1950の写真を取り出し、

今回、森友学園に払い下げられた部分に該当する箇所を四角で囲んでみた。

この航空写真では、敷地の東側、中央よりやや北側に、三角形の池らしきものがあることが分かる。

「反戦な家づくり」さまも、この池を受け立てる際に、

生活ゴミ等の埋設物が投入された可能性があると指摘されている。

ただし、同様の池に見える箇所は、当該土地以外にも観察される。

この敷地の北側に校舎建設が進められている。

今回問題になっている元国有地に隣接する西側には中学校が建設されており、

この中学校の建設工事に際して、地下埋設物の状況がどのようなものであったのかは、

建設を担当した建設会社へのヒアリングで確認できるはずである。

この航空写真を見れば、地中の深い箇所にゴミ等の埋設物が存在し得る箇所を確認することができ、

また、その面積が、当該土地のごく一部であることも確認できる。

また、その埋設物を掘り出して、除去する必要のあるものかどうかも判断できる。

大阪航空局は埋設物を撤去する費用を算出し、8億2000万円の高額見積もりをしたとのことだが、

この算定が過大算定であった可能性は極めて高い。

過大算定であることを確認できれば、国による森友学園への国有地払い下げは、

「適正な対価による譲渡」

ではないことになり、すなわち、財政法9条に違反する違法行為ということになるのである。


安倍首相が関与する重大事案はこれだけではない。

日刊ゲンダイが

「第2の森友か 首相親友の学校法人に36億円の土地無償譲渡」

と題する記事を掲載している。

https://goo.gl/xBqd6t

極めて重大な事実であるので、以下に転載させていただく。

「国会では連日、安倍首相の昭恵夫人が名誉校長に就任していた小学校の新設予定地として、

評価額9億5600万円の国有地が大阪市の学校法人「森友学園」に

タダ同然で払い下げられた問題が追及されているが、こちらはケタが違う。

愛媛県今治市が、安倍首相と昵懇の学校法人に16.8ヘクタール、36億円相当の土地を

無償譲渡することが分かった。

譲渡されるのは、今治新都市第2地区の高等教育施設用地。

市はこの無償譲渡を盛り込んだ2016年度補正予算関連議案を3日開会の3月定例議会に上程、

本会議で可決すれば正式決定となる。


この土地に新設予定なのが、学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大の獣医学部だ。

学園の加計孝太郎理事長は、安倍首相の米国留学時代からの親友。

頻繁に食事やゴルフを楽しむ仲だ。

第2次安倍政権になって以降、首相動静に12回も名前が登場する。昭恵夫人も交えて会うこともある。

14年には、加計学園が運営する千葉科学大の10周年式典に安倍首相が来賓として出席。

「どんな時も心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友だ」と祝辞を送った。

首相が防衛大学校以外の大学の式典に出席するのは異例のこと。

森友学園の籠池理事長より、はるかに懇意なのは間違いない。

「安倍首相に近い学校法人が今治市の土地をタダで手に入れ、

しかも校舎の建設費や整備費まで市が負担するという。

その額はなんと243.5億円と計上されています。

規制の厳しい獣医学部が国内で新設されるのは52年ぶりですが、

16年1月に今治市が国家戦略特区に3次指定されたことで可能になった。

今治市を獣医学部の新設が認められない構造特区から国家戦略特区に変え、

加計学園が参入できるようにしたのです」(今治市選出の福田つよし愛媛県議)


今年1月、内閣府と文科省が獣医学部を新設する認可申請を受ける特例措置を告示、

手を挙げたのは加計学園だけだったという。

昭恵夫人は、加計グル―プの学校法人「英数学館」に「安倍内閣総理大臣夫人」の肩書で、

下村文科相(当時)夫人とともにメッセージを寄せたこともある。

驚くことに、森友学園が新設する小学校の名誉校長に就任していた昭恵夫人は、

“ゴル友学園”が運営する保育施設の名誉園長にもなっていた。

産経新聞(15年9月20日付)に、こう書かれている。

〈安倍晋三首相の昭恵夫人は19日、神戸市東灘区の認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」を

訪問し、集まった保護者ら約60人を前に、「日本の英語教育」などをテーマに講演を行った。

同園によると、安倍首相は、同園を運営する学校法人加計学園の加計孝太郎理事長と古くからの友人で、

同学園のグローバル教育に携わってきた昭恵夫人の名誉園長就任を受け、講演が実現した〉

加計学園の事務局に事実関係を問い合わせたところ、

「昭恵夫人に名誉園長に就任していただいたことは間違いない。

現在も名誉園長のままです。今治市の獣医学部は来年4月に開校予定ですが、

土地の無償提供に関しては、私では分かりかねます」とのことだった。

加計学園には、国からも税金が投入されている。

文科省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の対象校になっているのだ。

14年度は予算総額34億円の事業で、申請があった237件から25件が選ばれた。

その中に加計学園が運営する「千葉科学大学」と「倉敷芸術科学大学」の2件が入っている。

安倍首相の周辺では、昭恵夫人を名誉校長にすると、漏れなく土地がタダ同然で手に入り、

補助金までもらえる特別なシステムがあるのだろうか。」


第二の「アベ友事案」と呼んでいいだろう。

財務省の佐川宣寿理財局長は、

「2016年3月に埋設物が発見され、開校時期が迫っていたので、

大阪航空局が国土交通省の知見を総合的に活用して埋設物撤去費用を算定して、

これを控除して払い下げたもので、法的違法性はなく、政治家の関与はない」

と繰り返している。

これを盾にして、安倍首相は参考人招致を拒絶しているが、このような理屈は通らない。

1.開校が迫っているのは森友学園の事情であって、
国有財産を適正な手続きによらずに払い下げる根拠にはならない。

2.時間が迫って売却を急ぐ必要があるなら、鑑定評価額で売却して、
瑕疵が発見された場合に、一定の補償をする「瑕疵担保特約」を付せば良かっただけである。

3.当該事案に政治家関与はないと主張するが、すでに、政治家関与の事実の一部が発覚している。

国会は籠池泰典氏、前理財局長の迫田英典氏、前近畿財務局長の武内良樹氏、

株式会社中道組代表者、藤原工業株式会社代表者、そして安倍昭恵氏を参考人として招致するべきである。

異論が多いなら、まずは、籠池氏を単独ででも参考人として招致して、集中審議を行うべきである。

ここは、野党が審議拒否も辞さぬ不退転の決意で真相の徹底究明を目指すべきだ。

不正廉売が事実なら、国および国民に損害を与えていることになり、極めて重大な問題である。

参考人招致すら認めない安倍政権に正当性はない。

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