★時事放談に出演した玉木、田中元官僚のトランプ批判が示す事-(天木直人氏)

きょう1月29日朝のTBS「時事放談」は、

いつもの政治家OBではなく、珍しく二人の官僚OBがゲスト出演していた。

 一人は元財務官僚でいまは民進党の幹部議員である玉木雄一郎氏だ。

 もう一人は元外務官僚で私と同期生の田中均氏だ。

 玉木雄一郎氏は、いまでこそ野党の議員だが、

民進党が政権をとれば日本を動かす政治家になる保守政治家の一人だ。

 田中均氏は、安倍首相に嫌われ、安倍首相が続く限りお呼びがかからないが、

安倍政権が終わればいつでも政権政党に重用される元官僚だ。

 みずからもそれを期待して四股を踏んでいる元官僚だ。

 どちらも自民党的な人物だ。

 その二人がトランプ大統領を徹底的に批判していた。

 そして、それは安倍首相に重用されている宮家邦彦元外務官僚も同じだ。

 きょう1月29日の読売新聞主催のパネルデスカッションでも、こう酷評している。

 「トランプ政権は彼に忠誠を誓う『トランプクローン』、

テロとの戦いを最重要視する『ネオ十字軍の戦士たち』、

選挙中に不支持を表明しなかった『日和見主義の権力亡者』から成っており、

政策統一は難しいでしょう。

しかも、彼には、外交や安全保障分野の経験がないようで、先行きが心配です」と。

 似た者同士の安倍政権の側近が、よくもこんな批判が出来る者だと呆れるほかはないが、

トランプ氏に対する厳しい批判は、玉木、田中両元官僚と同じだ。

 そしてそのようなトランプ批判の思いは、

今の政権政党の政治家や、政権と一体の現職官僚たちも同じだろう。

 安倍政権の御用メディアと化した今のメディアも、

トランプ氏の政策に振り回される経済界も、やはりトランプ大統領に批判的だ。

 それほど、トランプ大統領の米国は危うく、間違っているということだ。

 そうであるなら、いまこそ対米自立を進める絶好のチャンスに違いない。

 ところが、それを唱える人物がどこにも出て来ない。

 玉木、田中両元官僚も、トランプ大統領の批判はいくら激しく行っても、

そんな米国との関係を見直すべきだと言う声は、一切出て来なかった。

 いまこそ対米自立だ。

 そう正論を主張するのは共産党だけである。

しかし、共産党が正論を振りかざせばかざすほど、一般国民は警戒して敬遠する。

 ここに日本の政治の矛盾と閉塞感がある。

 対米自立は、左翼イデオロギーが党利、党略で唱えるのではなく、

一般国民が支持するような、国民的な政党が言い出さなければいけない。

 それが新党憲法9条である。

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