★野党共闘より政策共闘の方が大事で有効ー(植草一秀氏)

インターネット上のサイト

「参議院インターネット中継」

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

では、参議院の審議を視聴することができる。

リアルタイムだけでなく、過去の審議もアーカイブスで視聴できるから、

インターネット環境で動画を視聴できる人はぜひ活用するべきだ。

1.カレンダーで日付を選び、クリックする

2.「会議を検索」のなかから視聴したい会議名を選び、クリックする

3.「発言者一覧」のなかから視聴したい発言者を選び、クリックする

こうすると、過去の国会審議でも、中継動画を視聴することができる。

しかも無料である。

いまお勧めは、1月24日の参議院本会議だ。

1.1月24日を選んでクリック

2.「本会議」を選んでクリック

3.「発言者」から「蓮舫(民進党・新緑風会)」を選んでクリック

してみよう。

中継画面の下に全体の時間と再生中継の時間経過が表示される。

全体で 1:43:37 の動画中継だが、

0:57:07~0:57:47

の40秒間の中継動画を視聴してみよう。


安倍首相が蓮舫議員の代表質問に対して答弁をしている場面である。

「なお、施政方針演説では、

「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません」

と申し上げましたが、

これはあくまで一般論であって、

民進の、民進党の皆さんだとは一言も申し上げていないわけであります。

自らに思い当たる節がなければ、これはただ聞いて頂ければいいんだろうと、

このように思うわけであります

訂正『でんでん』というご指摘は、まったく当たりません」

と述べた。

すでにネット上では周知の内容だが、一度、実際の答弁模様を閲覧するべきである。

「訂正でんでん」というご指摘は、まったく当たりません」

と発言して、安倍首相が意味を理解していたなら、流石(さすが)である。

山本太郎参議院議員が代表質問で、

「歴代の総理大臣を見てもナンバーワンです」

と褒め称えただけのことはあるという感じがする。

麻生元首相の「みぞうゆう」の上を行く感が強い。


安倍首相は偉大な”Reader”と言われているが、

この名を汚さぬためには、秘書官は読み上げる答弁書のルビを完璧に整える必要があるだろう。

問題は、次の総選挙である。

大事なことは、主権者である国民の意思に沿う政治を実現することだ。

そのために、何よりも大事なことは、

政策を軸に選挙を行うこと

である。

大事なのは、「政策」であって「政党」ではない。

安倍政権が推進する政策に賛成する主権者もいるだろう。

しかし、反対する主権者もいる。

小選挙区制度という選挙制度を踏まえると、主権者の前に、

「二者択一」の選択肢が提供される必要がある。

その二者択一とは、

政党グループAと政党グループB

ではなく、

政策Aと政策B

であるべきだ。

戦争に関する政策・原発に関する政策・格差に関する政策

で、二者択一が提示されることが重要だ。

このことを考えると、無理に野党共闘を成立させることは、むしろ有害であると思う。

無理に野党共闘を追求せずに、

「政策選択選挙」

を実現する。

これが何よりも大事だ。


政策を基軸に、主権者は二つに分かれると思われる。

集団的自衛権行使を容認し、

原発稼働を容認し、

格差拡大を容認する

主権者が存在する。

これが主権者の一方のかたまりである。

他方に、

集団的自衛権を容認せず、

原発稼働を容認せず、

格差を是正するべきだと考える

主権者が存在する。

これが主権者のもう一つのかたまりだ。


戦争・原発・格差

に関する政策を基軸に、

二つの考えが存在する。

そして、この三つのテーマが、主権者国民にとって、もっとも重要で、もっとも重大な問題である。

この「政策」を軸に、

選挙の際に、二つの選択肢が提示されることが重要だ。


安倍政権は

集団的自衛権行使を容認し、

原発稼働を容認し、

格差拡大を容認しているから、

この政策を掲げる候補者を各選挙区に一人ずつ擁立してくるだろう。

このとき、

集団的自衛権行使を容認せず、

原発稼働を容認せず、

格差を是正することを

公約に明記する候補者を、一つの選挙区にただ一人擁立することが大事だ。


このようなかたちで選挙が行われれば、選挙の結果として生じる議席の構成は、

基本的に民意を反映するものになるだろう。

これを

「政策選択選挙」

と呼ぶ。

この方式の選挙が実現すれば、政権が交代する可能性は十分にあると思う。

滋賀、沖縄、鹿児島、新潟の知事選は、

こうした「政策選択選挙」だった。

この「政策選択選挙」で

安倍政権与党候補は敗北し、安倍政権とは異なる政策を掲げる候補者が勝利した。


単純な野党共闘を地球するべきでない理由は、

民進党候補者の多くが、

集団的自衛権を容認し、

原発稼働を容認し、

格差拡大を容認している

からである。

安倍政権の政策に反対し、その反対の政策を実現する政権を樹立しようとしているときに、

このような候補者を支援することは適正でない。

だから、このような民進党候補者は

支援しない。

むしろ、落選を促すように行動するべきである。


民進党が「水と油の混合物」である以上、民進党を丸ごと応援することはできない。

当たり前のことだ。

「野党共闘」ではなく「政策共闘」でなければ意味がない。

それと、

この意味で、いまの民進党には、政権を樹立するような国民の支持が集まらない。

これは、絶対的な事実だ。

この民進党が野党共闘の真ん中に居座るなら、永遠に政権交代は実現しないと思われる。

次の選挙を、

「政策選択選挙」

にしよう。

野党共闘を追求せず、

「政策を基軸に」

「一選挙区一候補者」

の体制を固める。

これが、本当の意味の政権交代には近道である。

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