★安倍暴政を除去して主権者政権を樹立する方法-(植草一秀氏)

米国では1月20日に第45代米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任する。

メディアは相変わらずトランプ叩きを続けているが、

米国の主権者が選挙でトランプ氏を選出した以上、

その結果に対して一定の敬意を払うことは必要ではないか。

米国には「ハネムーンの100日」と呼ばれる風習がある。

新しい政権が軌道に乗るまでには、ある程度の時間を要する。

政権交代後の新政権の最初の100日間は、

報道機関のみならず野党も新政権に対する批判や性急な評価を避けるという紳士協定がある。

これを「ハネムーンの100日間」と呼ぶ。

しかし、今回のトランプ新政権に対して、米国の主要メディアはこの風習を無視している。

日本では、2009年に誕生した鳩山政権に対して、メディアは政権発足当初から攻撃的な姿勢を示し続けた。

2001年に誕生した小泉純一郎政権に対する報道と、鳩山由紀夫政権に対する報道は、好対照を示した。

メディアを支配しているのは巨大資本である。

そして、NHKは米国に支配されている。

正確に表現すれば、米国を支配する勢力がNHKを支配している。

この勢力にとって、鳩山政権は歓迎すべからざる政権だった。

そして、いま誕生しようとしているトランプ政権も、米国を支配する支配者にとって、

歓迎すべからざる政権なのである。

だから、メディアの激しい攻撃が続いている。


メディアが鳩山政権を猛攻撃したのは当然のことだったと思われる。

鳩山政権は日本の既得権による支配の構造を、根底から破壊しかねない政権だったからだ。

米国が支配する日本

官僚が支配する日本

そして、

大資本が支配する日本

を根底から破壊する可能性を秘めていた。

だから、鳩山政権は叩かれた。

小泉純一郎政権と安倍晋三政権は瓜二つである。

米国が支配する日本

官僚が支配する日本

そして

大資本が支配する日本

を、そのまま容認するのがこの二つの政権だった。

メディアが情報操作によって、この二つの政権を支えたのである。


メディアがネガティブキャンペーンを張り続ければ政権は倒れる。

メディアがポジティブキャンペーンを張り続ければ政権は存続する。

国民主権ではない

メディア主権国家

の様相が強まっているのだ。

トランプ氏は反グローバリズムを鮮明にしている。

グローバリズムとは

国境を超える、ヒト、モノ、カネの移動を完全自由にすることを目指す運動だ。

これを実現するとき、巨大資本の利益は極大化する。

これにトランプ氏がNOを突き付けている。

米国と他国を隔てる国境の中における生産を増大させることを最重視している。

そして、ヒトの移動の自由化に反対する。

巨大資本の求めることを阻止しようとしている。

だから、これを徹底的に叩いている。

だからトランプ氏が叩かれているのである。

このことを念頭に入れてトランプ新政権を眺めてゆくべきだ。

欧州では英国が「反グローバリズム」の旗幟を鮮明にした。

オランダ、フランス、ドイツ、イタリアが後に続く可能性がある。

日本のメディアも完全に巨大資本に支配されており、偏った情報しか流布しない。

日本の主権者は、この偏り、バイアスの存在をしっかりと認識して報道に接しなければならない。


重要なことは、メディアの体質が不変であるのに、

主権者の行動が変化し始めていることだ。

昨年6月の英国民によるEU離脱の決断、

昨年11月の米国民によるトランプ氏選出

は画期的な出来事だった。

ヒト、モノ、カネの移動を全面的に自由化することが

「自由化」

の路線だが、これが無条件で

「善」

であると、誰が決めたのか。


結局、行き着くところは、

世界全体で労働者は低賃金で働き、資本だけが利益をむさぼる構図が成立するだけのことなのだ。

資本の支配者にとって、これはパラダイスだろう。

資本の支配者は金銭で政治を買い取る。

資本の支配者の言いなりになる政治屋をカネで雇うのだ。

そして、政治の意思決定に関わる者を、資本にカネで雇われた者だけで占拠させる。

もちろん、メディアはカネで支配する。

この構図で、大資本は大資本の利益を極大化させる制度の拡張、蔓延を実現してきた。


彼らにとって、最大の敵は

選挙

国民投票

民主主義

なのである。

主権者が

大資本による情報操作

メディア誘導

を打ち破って、選挙や国民投票の際に、

大資本の思惑に反する意思を表示すると、大資本の企みが挫折する。

その重大な変化が2016年に英国や米国で垣間見られたのである。


これを日本で実現できるのかが焦点になる。

日本の場合、多くの者が「カネ」で 買収されてしまっている。

そして、主権者がマスメディア情報に誘導されやすいという欠陥を有している。

この現実をはね返すことができるか。

これが焦点になる。

そもそも「世論調査」なる、いかがわしいものを、信用すること自体がおかしい。

歪んだメディアが、まともな調査など実施するわけがないのである。

「ウソも100回重ねれば本当になる」

などと言われるが、

「ウソを積み重ねて」

人心を誘導しているのが現実だ。


大事なことは、

本当に大事な軸によって、ひとつにまとまることだ。

これが実現すると、支配者の企みは崩壊する。

沖縄、滋賀、鹿児島、新潟の知事選で起きたことをよく考えるべきだ。

基地

原発

などの重大問題で、主権者がひとつにまとまった。

その結果、少数の支配者の企みが完全に挫折したのだ。

この方式を活用するべきだ。


日本の主権者は

「安全性を確立できない原発の稼働に賛成するのか」

「憲法の規定に違反して日本が戦争をする国になることに賛成するのか」

「際限のない格差拡大に賛成するのか」

この基本に立ち返って、主権者の意思を問うのだ。

この基本に従って、主権者がひとつにまとまる。

それが選挙結果に反映されれば、日本政治は大転換する。


反核・反戦・反格差

で主権者がひとつになる。

これを選挙にそのまま生かす。

絶対に安倍政権を退場させることができる。

新しい、主権者のための政権を樹立できる。

民主主義を活用すれば、政治を変えられる。

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