★予想どおり安倍首相の帰国を待ってこぶしをおろす日本の無策-(天木直人氏)

いま14日午前8時半である。

 読売テレビの辛坊の「あさチャン!」を見ながら書いている。

 きょうの各紙が一斉に書き始めた。

 安倍首相が17日に帰国した後、長嶺駐韓大使は帰任する事になるだろうと。

 予想した通りだ。

 慰安婦像の撤去などできそうもない。

 だからと言って長嶺大使の帰任を遅らせてはいつまでたっても長嶺大使は帰任できない。

 日韓関係をこれ以上こじらせたままでは米日韓同盟に支障が出て米国に怒られる。

 日韓関係が悪化したままでは、安倍首相が議長を務める日中韓首脳会談の開催がさらに遠のく。

 こぶしを降ろさざるを得ないのだ。

 しかし、そのためには降ろす理由が必要だ。

 そんなものは何もない。

 はじめから戦略はなかったからだ。

 怒りに任せて帰任命令を出したからだ。

 せいぜい、打ち合わせのための帰国だった、打ち合わせの結果さらなる外交努力をすることにした、

日本の立場を韓国側に正しく伝えるよう長嶺大使に厳命を発して帰任させることにした。

 そういってごまかすくらいしかない。

 そう思っていたら、「あさチャン!」に出ていた政治評論家の田崎史郎が語った。

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が慰安婦像設置には反対だと言った
(筆者註:尹炳世外相は13日の韓国国会で、
「国際社会では外交公館前に施設や造形物を設置することは望ましくないというのが一般論だ」と述べたらしい)

 この発言を引き出したのは制裁措置の成果だ。

 これによって、帰任させてさらに交渉させようということになると。

 うまいウソをつく。

 田崎史郎氏は、私の見るところでは、一億総御用記者の中でも、

もっとも安倍首相の考えている事を代弁する記者である。

 こういううまいウソをつけるから田崎氏は安倍首相に可愛がられるのだ。

 テレビ局を問わず、テレビに出演しまくっているのだ。

 しかし、どんなにウソでごまかすことが上手でも、ウソで問題を解決することは出来ない。

 慰安婦問題は日韓両国にとって解決が長引くこと必至である。

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