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8th Jan 2017 from TwitLonger

村上修一郎演出修正集に寄せて


村上修一郎演出修正集に寄せて

コミケ当日の本をつくる数時間前ほどに寄稿文の話が出たのだけれど、流石に無理だったのでこのような形で書くことになりました。

本誌にあるウンカーを演出にと推薦したのは自分なんだが、演出のことは本人がある程度まとめているのでとりあえず自分自身の感想と当時の制作状況の事を。

今回の作業について思い出すと描いていた記憶よりも制作的業務をやっていたような記憶が多い。人を集めることから作監さん、原画さん一人一人への連絡や交渉、
制作さんと一緒に車でぐるぐる都内を回ったりなどよくわからない立ち位置で動いていた。(なぜこのような事になったかというと前から知り合いだった担当制作さんが仕事を3~4本掛け持ちしていてとてもではないがこの作品に首が回らないような状態だったのと、とても多忙な先輩の作監さんに少しでも楽な作業環境を整えられればと思った事からです。)

という訳で原画さんは主に面識がある人に連絡を入れていったのだが、殆どの人が多忙だということを知っている上での連絡だったので申し訳ない気持ちが強く、基本的にダメ元での電話を続けた。直接会いに行ったりというのもある。(仕事は難しいとの事だったがそれがきっかけで数年ぶりに会って食事をごちそうになったりというのもあった、数年経つと積る話も多い)

制作さん的には早く全てのパートを埋めたいという気持ちが強かったようなのだが、なんとかそこを相談してぎりぎりまで人探しを続けた。(やはり実力を知っている確実な知り合いの方にお願いした方が止まることなくその後が早いと踏んだため)

※結果的にとても優秀な原画マンの方々にやっていただけて感謝しかないです、何かお礼をせねばと思っていますがまだできていません;もう少々お待ちください


これをやりつつ実作業もやっていたのだが、たびたび起こるアクシデント(アニメ制作の中では普通?)を解決しようとしてどうにかしようとすると大半を自分がやることになるという色んな意味で辛い状況にあり、動画が抜けるまで気が抜けない状況だった(後ろにいる演出から動画を直すよう指示が来るため)元々自分の作業だけでも必死な状態で、他をカバーしながらというような余力は当たり前だがなく最後までこれに苦しんだ。

(特に辛いといえばウンカーがキャプションで書いていたように今回近くにいる人間が困った振る舞いを繰り返したため周りの人間との軋轢が生じて作品が終わるまではその間を取り持ったりする作業に悩んだ。前々から同じようなことが多々あったのだが結果的に今回の件で袂を分かつこととなり、自分も気を付けないといけないと思ったと同時に仕事や同居というのは人間の実相を表すなと思った出来事だった)

そんな中知り合いで大先輩のIさんがダビング前にヘルプで修正を手伝っていただいたり、色々とアドバイスをして下さったりでとても助かり頭が上がらなかった。
元々共通の知り合いの方がいてそれがきっかけだったのだが、気さくで分け隔てなく接してくださるとてもいい人で、何度か一緒に食事をしてお話をしたくらいの時だったのだが貴重な時間を割いて徹夜で修正作業をしていただいた。終わった後うんかー、Iさん、自分の三人で駅前の富士そばに行ったことを覚えている。

自分の作業に関しては一応作監という名目でクレジットされていたのだが、やっていたのは演出の絵を直す手伝い(芝居、原図等々)と諸事情で引き上げになったカットの切り直しと原画作監という全体的にその場で出た細々としたものをこなして全体のアシスタントをするというようなものだった。

人を集めたり交渉したりするのは割と苦にならなかったのだが、実作業のほうが時間がない状態でどうにか素材を間に合わせるというような作業が多く、自分自身終始落ち込みながらとにかくなんとかするというような事が続いた。
うんかーも本誌で書いていたがこのような状態のため、レイアウト上がり→うんかー修正→自分→さらにIさん、もしくはNさん等)の手が加わりレイアウト作監へというようなとても多人数の手が入ってレイアウト作監にわたるというような事が頻発した。このような事はふつうであれば把握しきれない状況のような気がするが、うんかー自身がカットの進捗を全て表で管理することによってなんとか保っていたように思う。

改めて振り返ると最後のほうはその場その場の対応に追われたり、人間関係に苦しんだりして辛かった気がするが終わった今となってはいい思い出(?)に思えなくもないような気分で、もう一回うんかーが演出をやるとしたらどのようになるだろうと最近は考えたりしている。


うんかーの同居人 しんじ

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