★トランプ・ショックで外交日程を組み直した安倍首相-(天木直人氏)

きょう1月4日の日経新聞に驚くべき記事を見つけた。

 その記事は、安倍首相の外交日程が、トランプ氏に勝利によって急きょ変更されたという記事だ。

 すなわち、安倍政権は昨秋に、

2017年の最初の外国訪問先としてイランを含む中東が予定されていたという。

 イランとの核合意を主導したオバマ政権の中東政策を側面的支援する狙いがあったからだ
(確かにそのような報道はあった)。

 ところが、それがトランプ氏の大統領選挙の勝利によって立ち消えになったという。

 なぜならトランプ氏はイランに強硬姿勢を示し、核合意に否定的だからだ。

 そこで急きょ安倍政権はオーストラリアと東南アジア3カ国訪問に変更したというのだ。

 これが事実としたら驚くべき対米従属外交だ。

 首脳外交の日程を米国大統領の意向でここまで簡単に差し替えるとは、外交もへったくれもない。

 日経新聞のその記事は次のように書いている。

 安倍首相の地球儀俯瞰外交がトランプ大統領の誕生で揺さぶられることになると。
 
 親ロ路線への転換を唱えるトランプ氏の登場で、ロシアにとっての日本の戦略的価値が低下すると。

 米朝対話が動きだせば日朝協議を動かす価値が低下し、拉致問題の解決がさらに遠のくと。

 オバマ政権の圧力で作られた慰安婦問題の不可逆的な解決も、

韓国大統領の交代で不透明になった上に、

オバマ大統領の遺産をことごとく否定するトランプ大統領の登場で、

白紙になる可能性もあるといわんばかりだ。

 安倍首相の外交はここまで対米従属であるということだ。

 TPPでトランプを説得してみせると息巻いていたことは真っ赤なウソだったという事である。

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