★「負担軽減」の嘘の次は「日米地位協定改正」の大嘘だー(天木直人氏)

「米国北部訓練場の返還は沖縄の負担軽減」だと繰り返す安倍政権の主張は、

TBSがスクープ報道した米軍内部資料によって真っ赤なウソであることがばれたが、

今度は日米地位協定改正の大嘘だ。

 きのうのNHKが昼のニュースで真っ先に報じた。

 日米両政府は米軍属の範囲を明確化する事で合意し、オバマ政権のうちにも補足協定を結ぶと。

 岸田外相は、これを日米地位協定の改正であると言わんばかりに記者の前で誇らしげに語っていた。

 しかし、その実態は噴飯ものだ。

 今年4月に在日米軍の軍属による女性殺害事件が起きた時、

今度こそ日米地位協定は改正すべきという声が上がった。

 それが軍属による女性暴行だからではない。

 在日米兵による女性暴行が絶えないからだ。

 そして、その理由は、日本の警察・裁判管轄権が及ばないから、正しく捜査、処罰できないからである。

 このような時代錯誤の不平等条約である日米地位協定を改正し、

日本の主権を取り戻さなくては、在日米軍による沖縄女性の暴行事件は防げない。

 だから、今度こそ日米地位協定の改正が必要なのだ。

 ところが、安倍政権は軍属の定義の問題にすり替えた。

 そして、今度は運用で終わらせるのではなく、

日米地位協定を補足する新たな取り決めをつくることで合意したと強調する。

 あたかも日米地位協定の改正だと言わんばかりに岸田外相が宣伝し、それに加担したのがNHKだ。

 そしてきょうの各紙がその後追い報道をしている。

 しかし、これは大嘘である。

 日米地位協定の改正どころか、今度の軍属による女性殺害事件が起きても

日米地位協定には指一本触れないということだ。

 これからも、どのようにひどい女性暴行が起きても、日米地位協定改正は行わない、という宣言だ。

 それは、あたかもオスプレイの墜落事故が起きても、すぐに米軍の飛行再開を許したことと同じだ。

 日本政府は在日米軍に関わることには指一本触れない、いや触れさせてもらえない、

ということを認めたということだ。

 それならそうで、はっきりと国民にそう説明して理解を得なければいけない。

 なぜごまかすのか。

 なぜメディアはそのようなごまかしを追及することなく、逆にそのごまかしに加担するのか。

 メディアの安倍政権擁護姿勢は、ますますひどくなっている。

 この報道にはオチまでついている。

 軍属の範囲でさえ明らかになっていないという。

 何から何まで米軍の言う通りである。

Reply · Report Post