★安倍首相の広報機関化した大手新聞を定期購読する意義はどこにあるか。
洗脳して下さいというようなもの。米国で急速に進む「紙の新聞」離れ。
主たるニュース源:テレビ57%、オンライン38%、ラジオ25%、新聞20%-(孫崎享氏)

・安倍政権になって、大手マスコミの安倍政権広報メディア化は深刻だ。

・「国境なき記者団」は2016年、世界の報道の自由度ランキングで日本を72位とした。驚く数字である。

日本の大手メディアの流す報道だけに接している人で、

この数字を知っている人はどれだけいるだろうか。

・大手マスコミが如何に安倍政権の広報機関化していることは、

一つ一つの安倍首相の行動に対する報道ぶりをチェックすれば明確だ。

 その典型は安倍首相の真珠湾訪問に対する報道ぶりだ。

 朝日新聞などは「現役首相初の訪問」と報じた。

 しかし、すでに吉田首相、鳩山首相、岸首相が訪問していることも明らかになっている。

鳩山一郎首相の真珠湾訪問を伝える1956年10月30日付の「ハワイ報知」紙面
「首相を迎える19発の礼砲と日米双方の国家吹奏の後、儀仗兵を閲兵した」

 そして吉田首相の真珠湾訪問は当時の読売新聞が報じているのであるから、

ちょっと調べればわかることである。

 安倍首相の真珠湾訪問を「現職首相としての初」とする評価は相当重い評価である。

よほど調べなければ使えない評価である。新聞社が独自に調査して下した評価ではない。

安倍政権が説明したから使っただけである。

 今や日本の新聞の質はこの程度に下がった。

・安倍政権が説明した「戦後初」の評価は明らかに誤報であるが、誤報でしたと言う謝罪もない。

「自分が判断したのではない」という自信の表れであろう。

情けない姿である。

・こうした新聞を定期購読する意義はどこにあるのだろうか。

「私を洗脳してください」と言っているようなものでないか。

・米国では紙の新聞離れが顕著である。

PEW, 2016年7月20日付記事「米国人の10人に4人がニュースをオンラインで入手
(About four-in-ten Americans often get news online)という記事がある。

1:しばしばニュースを得る手段

 テレビ57%、オンライン38%、ラジオ25%、新聞20%

2:上記の世代別

年令     18-29   30-49   50-64   65以上

TV      27   45    72   85    

オンライン  50   49    29   20 

ラジオ    14   27    29   24  

印刷の新聞   5   10    23   48

オンラインと印刷の新聞は同じではないかという見解もあるが、

オンラインは自らの選択でニュースを選ぶ、印刷の新聞は一方的に与えられるという違いがある。

・本来はニュースに接しようと言いたい。

しかしそのニュースが権力側の単なる宣伝手段なら読まない方がまだいい。

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