★トランプとプーチンの中東政策で世界はさらなる混乱に陥るー(天木直人氏)

トランプが駐イスラエル大使にフリードマンというユダヤ系弁護士を指名したという。

 フリードマン氏は、エルサレムを「首都」と主張するイスラエルに同調する徹底した反イスラム主義者だという。

 佐藤優はニューズウィーク誌日本語版の最新号で、もしトランプ大統領になって、

米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すようなことになれば

第三次世界戦争の恐れがあると書いている。

 彼一流の大げさな物言いであるが、パレスチナ問題が悪化することは間違いない。

 その一方で、シリアのアサド政権は、プーチンのロシアの爆撃の支援を得て、

シリアの反体制派を制圧したと報じられてる。

 反体制派を一掃すればシリア情勢は安定すると思われがちだがその逆だ。

 ISのテロとの終わりのない戦いが始まる。

 ブッシュの米国がイラクを攻撃したことによってイラクが終わりなきテロとの戦いに入ったように、

今度はプーチンのシリア爆撃によってシリアは終わりのないテロとの戦いに入ることになる。

 アフガンへの軍事的関与の失敗のように、ロシアもまた中東で失敗する。

 後に残るのは中東の更なる混迷だ。

 その犠牲になるのはおびただしい数の無辜の市民だ。

 トランプの米国とプーチンのロシアで、中東の混乱は未曽有の悲劇をもたらす。

 それを止める国際的な力は皆無だ。

 イラク攻撃の時はブッシュの米国を一人悪者にして批判していればよかったが、

いまはトランプとプーチンを叩くものはいない。

 中東の混乱を止めるものは誰もいない。

 この深刻さは、いくら強調しても強調し過ぎる事はない。

Reply · Report Post