★「一つの中国」発言で露呈したトランプ外交の軽率さと危うさー(天木直人氏)

トランプ氏が米FOXテレビのインタビューで、

ニクソン・キッシンジャー以来の米国の「一つの中国」政策を変更するかのような発言をしたらしい。

 これを日本のメディアは、さも大事件のように書き立てている。

 しかし、報じられるトランプ氏の一連の発言は支離滅裂で、

とても本気で米国の「一つの中国」政策を見直す覚悟があるとは思えない。

 そして、もしトランプ氏が本気で「一つの中国」政策の見直しを考えているとしたら、

トランプ氏の外交はたちまち行き詰まるだろう。

 習近平の中国が「一つの中国」政策を変える事はあり得ない。

 戦争も辞さないだろう。

 これは少しでも中国を知っているものならわかるはずだ。

 そして、いま米国が本気で中国と戦争することはあり得ない。

 それどころかトランプ氏が中国との関係を悪化してスタートするなら、それは決して米国の国益にならない。

 今の米国にはそんな余裕はない。

 国益優先を掲げるトランプ氏は自己矛盾でスタートする事になる。

 このトランプ氏の発言から分かる事は、トランプ氏の外交は、軽率で危ういということだ。

 「危うい」という意味は、強硬で、戦争につながる恐れがあるという意味ではない。

 支離滅裂で、不安定だと言う意味だ。

 見ているがいい。

 トランプ氏の中国に関する発言は、今後より慎重なものになるだろう。

 対米従属を続けていると、日本外交はトランプ発言に振り回され続けることになる。

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