★真珠湾訪問解散も有りうる見事な安倍首相の起死回生策だー(天木直人氏)

きょう12月9日の朝日新聞が、ベン・ローズというオバマ大統領副補佐官の、

要旨次のような驚くべき証言を掲載した。

 すなわち、安倍首相の真珠湾訪問の意欲は、

すでに5月のオバマ大統領の広島訪問時に、米側に伝えられていたという。

 それだけでは驚かない。

 私が驚いたのは、「ここ数カ月間は、(国際会議などで)オバマ大統領が安倍首相と会う度に、

安倍首相は、真珠湾への訪問を実現させたい考えを示唆していた」というのだ。

 そして、最終的には、11月のペルーでのアジア太平洋経済協力首脳会議(APEC)で、

安倍首相がオバマ大統領に訪問の決断を伝え、発表時期や訪問日程を調整したというのだ。

 この安倍首相の呼びかけに対してオバマ大統領はどう対応したか。

 そこのところが決定的に重要なところであるが、ベン・ローズは巧みに明言を避けている。

 しかし、そこでベン・ローズが語っている次の言葉は重要なヒントになる。

 すなわちベン・ローズは次のように語っている。

 オバマ大統領の広島訪問と安倍首相の真珠湾訪問に関し、

「(安倍、オバマ両氏が)それぞれ独自の判断で行えるよう意図的に決断を分離した」と。

 これは、謝罪ではなく和解に焦点を当てるということだ。

 そしてベン・ローズは次のように語っている。

 真珠湾で行うオバマ大統領の演説は、

アジア・太平洋地域の要として日米同盟を堅持する必要性を強調することになると。

 これを要するに、今度の安倍首相の真珠湾訪問は、単なるサプライズではなく、

周到に日米間で打ち合わされた上での外交アピールであるということだ。

 安倍首相にとってはトランプ急接近外交で怒らせたオバマ大統領との関係を修復する絶好の機会になる。

 当然のことながらオバマ大統領が望む通りの真珠湾訪問となる。

 そこには、原爆投下に対するオバマ大統領の謝罪がなかったように、

真珠湾奇襲に対する安倍首相の謝罪もない。
 
 あるのは日米の和解であり、日米同盟の重要性の再確認だ。

 オバマ外交の有終の美を飾るにふさわしい外交というわけだ。
 
 もちろん安倍首相にとっても文句はない。

 見事なオバマ大統領と安倍首相の連携プレーだ。

 安倍外交を批判するばかりの私だが、このサプライズだけは安倍首相の一本勝ちだ。

 解散するとすれば、もはや真珠湾解散しかない。

 そう思わせる安倍首相の電撃的な起死回生策である。

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