★議論すべきは天皇が象徴すべき、その内容であるー(天木直人氏)

天皇陛下の生前退位をめぐる有識者会議が始まり、

「専門家」と称する人々が好き勝手な事を言い合っている。

 退位は今上天皇に限るかどうか、摂政を置くべきかどうか、

特別法で対応するか皇室典範改正が必要か、公務をどう減らせばよいか、などなど。

 中には、天皇は何もしなくても、ただいるだけでいい、などと、

とんでもないことを言い出す「専門家」も出てくる始末だ。

 しかし、「専門家」の意見の中で、決して議論されない事がある。

 それは、天皇があの「おことば」で示された、象徴天皇の在り方だ。

 天皇は8月8日に公表されたビデオメッセージでこう述べられた。

 「象徴として位置づけられた天皇の望ましいありかたを、日々模索しつつ過ごしてきた」と。

 そして天皇が国民に示された象徴天皇の姿こそ、被災者や戦争犠牲者とともにある姿だった。

 「専門家」が議論すべきはまさにこの象徴天皇の在り方だ。

 その議論なくしては、有識者会議の意義はなく、

象徴天皇のあるべき姿に言及しないいかなる結論も、安倍首相の天皇軽視のあらわれとなる。

 天皇退位に関する有識者の議論を聞くたびに、安倍政権が結論を出す前に、

憲法9条を国是とすることを公約に掲げる新党憲法9条を何としてでも実現したいという私の思いは

強まるばかりである。

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