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#shogi “将棋コラム イゴショー記者から見た将棋界” 第30回“離席について”に関する所感


当該記事に六段当時:第1回でお採り上げ頂いて以来、毎回興味深く拝見している。
取り分け、11/8(火)更新の当該回は私が'16/11/2に投稿した拙論“https://twitter.com/YoshiyukiKubota/status/793707652442427392“不自然な離席”に関する所感”と要旨を同じくする物と見做している。

ここに全文を紹介し、適切な引用とすべく主たる拙稿に対する従として論考を加えたい。

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『 連日将棋界を騒がせている、スマホを使用した不正疑惑。一連の流れの中で「対局中の離席」がひとつ(註:の)焦点とされています。多くのワイドショーがこの件を取り扱いましたが、それをご覧になった方の中には「長時間の離席=不正をしている」という誤った印象を持たれた方もいるかもしれません。』

東西将棋会館での対面対局を前提とする限り、『離席なくして不正なし』という判断は一般的な物だが、「不適切な離席あるところ不適切な行為あり」という誤解が横行する事となった。因みに、着席中でも対局者に対しての“通し”による助言は可能だが、非現実的だと見做されている様だ。

従って、プロ棋士を始めとする関係者の観戦は禁止されていない。そもそも、彼らを盤側から排除したにせよ「記録係や観戦記者及び中継担当者:立会人」が関与すると阻止しようがないが、彼らまで除外する訳にはいかないという事情も存在する。

『あるいは「対局中の離席」というのをいまいちイメージし辛いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は、離席の実態を紹介したいと思います。』

TV放送や動画中継及び公開対局では、持時間の関係もあり離席しにくい場合も多い。所作自体は将棋の内容に直接関係しないので、2日制タイトル戦を始めとする長時間棋戦であれつい見逃してしまう皆さんも多いだろう。

『 皆さんが将棋道場で将棋を指すとき、対局中に席を外す方はあまりいないでしょう。また、テレビ放送の銀河戦やNHK杯戦でも同様です。そういった光景に見慣れた方にとっては、そもそも対局中の離席という行為自体が奇異に感じられるかもしれません。 』

対局時計を提供されてのる一定の持時間を設定されでもしない限り、離席など思いも寄らずに対局が終了するかも知れない。増して、早見え早指しの天才肌なり考えるより先に手が出る対局スタイル(棋風とは別)なりであれば尚更に。

『 しかし、公式戦の多くは持ち時間が数時間という長丁場。何しろ持ち時間1時間でも「早指し棋戦」と呼ばれるほどです。そうなると、ずっと座っているというだけでも大変なこと。頻度の差はあれ、一切離席しないという棋士はまずいません。』

普段の健康状態や当日の体調も重要だ。私は、「10:00開始~12:00昼食休憩:12:40再開~14:40自主離席:15:00着席~17:00自主離席:17:20着席~終局まで着席または18:00夕食休憩」という周期を守る積もりだ。とは言え、夕食休憩が存在する場合に40分で着席する様に夕方は弾力的運用となる。

『プロの公式戦では、離席はそれほど珍しいものではない。たまに、対局者が両方席を外し、記録係が一人残されることもある。』

画像にもある様に奇妙な光景だが、対局者はトイレで鉢合わせしても特に気にしていない。但し、東京の桂の間や関西の棋士室で遭遇した場合には、相手の手番で離席したが指されて手番が回った場合に限らず、長時間の鉢合わせを回避すべく着席する場合も多い。

『 さて、離席の間何をするかはケースバイケース。お手洗い目的での離席が大半ですが、棋士室で休憩することも珍しくありません。棋士室に入ったら自分の対局の検討の様子が分かってしまうのでは?その場合は、検討陣が急いで盤面をぐしゃぐしゃに崩すことになっています。検討は一時中断となってしまいますが「対局者最優先」という文化に基づいているのです。』

桂の間や棋士室に限らず、空いている部屋を使用すると横になってゆっくり休めるのみならず検討に遭遇する心配もない。とは言え、寝入ってしまうと助言に相当する為に誰も起こしてくれないので要注意となる。昨今では、守衛室を含めて同僚の目を避けていると見做される点が問題だが。

『また、自身の対局の進行が遅い場合などは、検討室で他の対局の検討を始めてしまうこともあります。これは、気分転換を図ると同時に、既に戦いが始まっている将棋を眺めることで頭のエンジンをかける狙いがあるのでしょう。』

嘗ての先輩方は、午前中に雑談に興じるのみならず自他の対局を論評しており、エンジン起動の意味合いと言えなくもない。個人的には、検討への参加も含めて自分の対局に関する霊感を得る事に成り兼ねないので不謹慎だと思うが、助言獲得行為だとまでは考えない。

『 離席の多くは休憩や息抜きが目的ですが、そうでないケースもあります。終盤戦で勝ちが見えた時に席を外すのは、多くの棋士に共通する行動。勝ちを急ぐあまり、確認を怠ってすぐに指したくなる気持ちを抑える目的と言われています。棋士によっては、一手ごとに席を外して顔を洗ってくることもあります。』

谷川浩司会長に関しても、全盛期は事実上の勝利宣言として喧伝されていた。昨今では勝利の機会が減少なさったせいで話題にならないかはさて置き、時間配分も適切で心理的にも物理的にも余裕を残している事の証しとなる。一手ごとに離席すると却って気が散るにせよ。

『 頻繁な離席はマナー違反という人もいるかもしれません。とはいえ、対局中ずっと座り続けるのは本当に大変なことで、疲労が重なると指し手にも悪影響を及ぼします。それに、離席して息抜きしていても、自身の対局が頭から抜け落ちてしまうような棋士はいません。』

「あなたがそうだと思う物がマナーなのです。ただし、対局者の同意を得られるとは限りません」。やや太めかつ哲学課専攻として逍遙派に擬せられる糸谷哲朗八段が頻繁な離席派の代表だが、度々棋士室を訪れて才気煥発の会話を交わしたからと言って読みが散漫になったりはしない。

『もちろん、対局態度としては決して模範的な行動とは言えないでしょう。棋士もそれを分かっているからこそ、離席の際に一言「失礼します」と相手に断る文化があるのです。
 場合によってはマナー違反ととられる可能性も承知の上で、それでも目の前の一局を勝つための最善の行動が「離席」と判断した場合、棋士は離席をするのです。』

モニター越しや遙か前方の対局場からは確認し難いにせよ、「礼に始まり礼に終わる」精神の一環に他ならない。プロ棋界に「盤上の自由」が普及する上で羽生世代の進取性が重要だったが、各々が「盤外の自由」を獲得する上では、自分への合理性と相手への礼儀の両立が重要となる。

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殊更な摺り合わせは避けたが、補完的な要素も含めて拙稿へのご理解を深めて頂いたかと思う。
皆さんも今後益々当該連載をご注目なさり、下段のご案内に従って“お問い合わせメールフォーム”までどしどしメッセージをお寄せ頂きたい。

註記
タブで当該記事を表示したまま上記を書き上げ、投稿直前に新規記事の有無が気になって何気なく更新したが……スマフォに保存された宮水三葉嬢の日記が消滅する瞬間を目の当たりにした、立花瀧君もこんな愕然たる心境に囚われた訳だろう。

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