★プーチン来日に決定的ダメージを与えた露経済発展相の収賄容疑-(天木直人氏)

ただでさえ領土交渉に進展がないことが明らかになったのに、

最大に成果として喧伝されている経済協力についても、深刻な事態が発生した。

 突然の露経済発展相の収賄疑惑による拘束だ。

 なにしろ、日本との経済協力のとりまとめで中心的な役割を果たしてきた閣僚が、

プーチン訪日を一か月後に控えて突然失脚するという事態が起きたのだ。

 カウンターパートである世耕ロシア経済協力相でさえ、15日の記者会見で、

寝耳に水の話で大変驚いていると認めざるを得なかったのだ。

 菅官房長官は、例によって日露経済協議が停滞することはまったくないととぼけているが、

そんなはずがない。

 そして日本には前科がある。

 それは日本の対韓国援助だ。

 安倍首相の祖父である岸元首相は、日韓経済協力の最大の支援者であり、

首相退任後も強い影響力を行使した。

 日韓国交正常化に消極的だった池田に圧力を加え、

日韓国交正常化当時の首相は弟の佐藤栄作だった。

 そして日韓国交正常化と引き換えに供与された対韓援助には、

資金の見返りが日本にキックバックされたと言う疑惑が日本の国会でも追及された。

 今度の対ロ経済協力ではまさかそのような事はあり得ないだろうが、

ここにきて、突然の露経済発展相の収賄容疑だ。

 今度の収賄疑惑が日本の経済協力とは無関係であるとしても、今度の日本の援助の担当者である。

 いくら菅幹部長官が否定しても、安倍政権が受けた衝撃は大きいに違いない。

 ここにきてすべてが安倍首相に不利に動き出しているかのようである。

 それにもかかわらず政局につながる気配はまるでない。

 自民党に自浄能力が無くなり、野党に政権打倒の力が無くなったということだ。

 政治が機能していないという事である。

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